青海島(おおみじま)は山口県の日本海側にある北長門国定公園の代表的な景勝地です。長門市仙崎の対岸に位置する周囲約30㎞の大きな島で、仙崎からは橋を歩いて渡れます。
長門市仙崎周辺地図
本土側の仙崎(せんざき)は山口県の代表的な漁港で水揚げ量が多く造船・漁網・水産加工など、漁業関係の産業が盛んな町です。
鯛の養殖場
仙崎から青海島へ橋を渡るとすぐに鯛の養殖場があり、おびただしい数の小鯛が生簀(いけす)で養殖されていました。餌を撒くと水しぶきを上げて水面を飛び跳ねるように集まってきました。
この数すごいです。鯛が鯛の上に乗り上げている。
三方を海に囲まれた山口県はどこも魚類や水産加工品が名産ですが、とくに「仙崎蒲鉾」は有名で、たまに仙崎の蒲鉾が店頭に出ていると今でもよく買って帰ります。
青海島の断崖
海側から島を観光する遊覧船があるのですが、遊覧船には乗らず、橋を渡って島内を歩いてみました。
島の東西と北側は岩壁が日本海の荒波に洗われて、珍しい形の岩がいっぱい形成されています。
青海島の奇岩
普段でも観光客はけっこうあって、このときも女学生が数名で見物に来ていました。
高田敏子の「布良海岸」という詩を彷彿させるような景観です。
日本海側の洞門
こんな海中の洞門がいくつかあって、それぞれに名称が付けられているようです。
海中の洞門
狭い洞門もありますが、こちらは小舟が通れるほどの洞門です。
仙崎と金子みすゞ
仙崎は童謡詩人金子みすゞの生誕地としても知られています。
金子みすゞは生前から中央の雑誌に投稿したりして評価も高く選者から注目されていましたが、没後は市井に埋もれてしまったため、最近まで一般にはほとんど知られていなかった詩人です。
しかし、昭和59年に児童文学者の矢崎節夫が、みすゞの手帳に残されていた詩を全集に刊行してから教科書などにも紹介されるようになり、金子みすゞの名も作品も一躍有名になったのでした。現在は本土の仙崎に記念館(矢崎節夫館長)も開設されています。
そんなわけで、青海島のほかに仙崎で思い出すとしたら、やはり蒲鉾と、独自の詩の世界観をもつ金子みすゞでしょうか。
萩市の有名な観光ホテルは予約が必要だったので、仙崎の普通の旅館に一泊しました。
長門市 金子みすゞ記念館