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需給動向 野菜情報 2025年3月号

2 野菜の輸入動向(令和6年12月)

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野菜振興部

【要約】

 12月の輸入量は、生育初期である夏秋期の高温・干ばつによる生育不良、10~11月の記録的な気温高から一転し、曇天や気温低下、豪雨などにより、国内産が全体的に不作となり価格が高騰した。特にキャベツの絶対量不足から生鮮キャベツの輸入が急増したほか、全般的に輸入が増え、全体では前年同月比6%増となった。

(1)令和6年12月(速報値)

 令和6年12月の野菜輸入量は、24万1329トン(前年同月比6%増)となった。夏秋期の高温や干ばつの影響などにより、多くの品目で国内産の入荷がそろわず価格が高騰したため、全体の輸入量は前年同月を6%上回った(図1、表1)。
 


(2)生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、かぼちゃ、ジャンボピーマンが前年同月を大幅に、たまねぎがかなりの程度下回ったものの、キャベツが前年同月の約8倍、ばれいしょが同5倍、しょうがなどが前年を大幅に上回ったことから、全体では7万223トン(前年同月比7%増)と前年をかなりの程度上回った(図2)。
 主な品目(注)のうち最も増加率が高かったキャベツの輸入先は、全量中国で7517トンであった。国内の主産地からの入荷が少ない中、加工・業務用を中心に輸入品にシフトする動きもあり前月に引き続き大幅に増量した。
 キャベツに次いで増加率が高かったばれいしょの輸入先は、全量が米国で2429トンがチップス用であった。前年の数量が少なかったことから増加しているが、年間の総輸入量は令和3年をピークに減少している。
 ばれいしょに次いで増加率が高かったしょうがの輸入先は、第1位が中国の1313トン、第2位がタイの1トンであった。
 一方、主な品目のうち減少率が高かったかぼちゃの輸入先の内訳は、第1位がメキシコの6405トン、第2位が韓国の1トン、第3位がポルトガルの1トンであった。12月のメキシコ産は入船が遅れたことにより数量が減った。為替の影響などから、年々、メキシコ産が減少する中、2024年は韓国産の伸びが見られた。
 かぼちゃに次いで減少率が高かったジャンボピーマンの輸入先は、第1位が韓国の1016トン、第2位がニュージーランドの498トンであった。韓国産は現地におけるコスト上昇や円安により日本の消費者にとって割高感があることなどを背景に、日本以外への輸出国を引き続き開拓している。
 ジャンボピーマンに次いで減少率が高かったたまねぎの輸入先は、第1位が中国の2万3611トン、第2位がオランダの156トン、第3位がアメリカの118トンであった。国内産が不作で輸入が多かった前年と比べてかなりの程度減少しているが、前年同様、北海道産が作柄不良だったことから数量的には前年並みとなった(表2)。
 
(注)本文中の「主な品目」とは、輸入数量の多い品目のことである。
 



(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、いちご、ブロッコリーなどが前年同月を大幅に上回ったことから、全体では10万6786トン(前年同月比7%増)と前年をかなりの程度上回った(図3)。
 主な品目のうち最も増加率が高かったいちごの輸入先は、第1位が中国の1287トン、第2位がペルーの450トン、第3位がエジプトの240トンであった。
 いちごに次いで増加率が高かったブロッコリーの輸入先は、第1位が中国の5209トン、第2位がエクアドルの3336トン、第3位がポルトガルの33トンであった。国内産は引き続き低温・干ばつにより数量が伸び悩んでおり、輸入量は右肩上がりで推移している。
 ブロッコリーに次いで増加率が高かったえだまめの輸入先は、第1位が中国の2344トン、第2位が台湾の1473トン、第3位がタイの1170トンであった。
 主な品目の減少率が最も高かったさといもの輸入先は、第1位が中国の2757トン、第2位が台湾の4トン、第3位がベトナムの2トンであった。
 さといもに次いで減少率が高かったいんげん豆等の輸入先は、第1位が中国の1346トン、第2位がタイの404トン、第3位がインドの104トンであった(表3)。



 
 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、トマト加工品のトマトピューレ等関割以外8279トン(同17%増)、塩蔵等野菜のきゅうり及びガーキン1320トン(同36%増)などであった。

(4)令和6年(1~12月)の輸入動向

 令和6年の全体の輸入量は塩蔵等野菜以外の輸入量が前年を上回り、267万6067トン(前年比4%増)となった(図4)。
 類別では、生鮮野菜が天候不順による不作、作業遅れなどから市場入荷が不安定となった葉物類を中心に増量し、年間では70万1306トン(同8%増)となり、インバウンド需要の高まりや人手不足、国内産野菜の不作などの影響により、冷凍野菜が119万1818トン(同4%増)といずれも前年を上回った。その他、塩蔵等野菜が6万1585トン(同11%減)、乾燥野菜が4万1648トン(同2%増)、酢調製野菜が3万1255トン(同4%増)、トマト加工品が27万2400トン(同8%増)、その他調製野菜が36万2466トン(同1%減)、その他が1万3589トン(同10%減)となった。
 
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