個人の思想は、何よりもその《つながりかた》に表れる。
「当事者発言か、メタ言説か」というのがここ十数年の大きな対立だったようだが*1、
どちらの立場も、自分たちが「個人と集団の関係」をすでに設計図として抱え込んでいることを、話題にしない。(その部分にこそ、彼らが生きている思想の実態があるのに。)
「集団のもんだいを話題にしない」(とくに、自分の属している集団のことは話題にしない)というのが、ずっと以前からの知的言説の政治になっている。 そのことが、臨床的に最悪の環境を形づくっている。
*1:『NHKブックス別巻 思想地図 vol.1 特集・日本』p.7、東浩紀の発言