2015年4月30日木曜日

4月30日 2014年度ドクターヘリ・ドクターカー事業

2014年度(2014年4月から2015年3月)のドクターヘリ・ドクターカー事業の簡易報告です.

ドクターヘリ
・総要請件数 1971件
・出動件数 1570件(現場出動 1106件,施設間搬送 53件,離陸後キャンセル 411件)
・離陸前キャンセル 401件(時間外 3件,天候不良 247件,重複要請 83件,その他 68件)
・基地病院搬送率 82%
・総診療人数 1192人(外因性 525人,内因性 667人)
・覚知同時要請率 87%
・平均時間経過(現場出動)
  消防覚知〜ヘリ要請 6分
  ヘリ要請〜離陸   4分
  離陸〜現場着陸   10分
  現場滞在時間    12分
  現場離陸〜病院着陸 8分

ドクターカー
・出動件数 1573件(現場出動 860件,出動後キャンセル 713件)
・基地病院搬送率 93%(内ドクターヘリ引き継ぎ 7%)

2014年度も病院前救急診療のシステムを有効に活用していただきました.時間を意識した事業展開を常に心掛けております.これが地域の救命率向上に寄与していることは間違いありません.年次推移,全国との比較など,データが揃い次第順次ご報告いたします.

2015年度も1事案,1事案を大切に邁進いたします.関係機関の皆様におかれましては,引き続きのご協力,ご理解のほど何卒よろしくお願い申し上げます.



2015年4月29日水曜日

4月29日 ご卒業です

本日は林フライトナースのラストミッション.2010年8月13日金曜日,ファーストミッションでセンター長,岡先生と共に怒濤の出動,事案をこなし「ジェイソン・よしこ」の称号が与えられました.その後もその名に恥じない活躍をしていただきました.今回,大学院への進学を決意,晴れて「女子大生」となられました.次の目標に向かって邁進して下さい!初のフライトナース卒業生,その名に恥じないさらなる成長を期待しています.



また遊びにおいで,待ってます.



2015年4月28日火曜日

4月28日 載せていただきました

本日は当地域の広報誌のご紹介です.豊岡市の広報誌「広報とよおか」とコウノトリ但馬空港の広報誌「ソラツナゴ」です.

その中にTECCMCのスタッフが紹介されています.まずは「広報とよおか」の5月号(←クリックすると全文見られます^^).「旬」な人らしいです.


そして「ソラツナゴ」の第4号(←クリックすると全文見られます^^).プロペラ機の揺れが大好きな門馬先生が登場です!


TECCMCのスタッフは地域に密着しております.お時間のある方は,是非但馬の広報誌をご覧下さい!



2015年4月27日月曜日

4月27日 暑い熱い春の日

30度近い気温の上昇を認めるここ数日の但馬地域です.春の晴天というよりは初夏でしょうか.雨や雪よりは心地良い日々です.

天候が良いと人も活動的になります.そうなると必然的に事故も・・・

山岳救助事案では防災ヘリとの連携.ピストン救助,ランデブーポイントでドクターヘリ引き継ぎ.各々のヘリが必要な役割を果たします.防災ヘリ救助中,ランデブーポイントでは某ふじ○きフライトナースが紫外線を避けるため,杉野先生の影に.十分隠れますね.暑い中お疲れさん.


ドクターヘリと防災ヘリ.


自動車事故も多発しています.複数傷病者では3人目のフライトドクターをストレッチャー上に増員して現場出動です.複数傷病者の情報は覚知同時要請時に運航管理室へ消防から伝えられます.多重衝突,複数傷病者事案では可能な限り現場直近に着陸し医療スタッフは安全確認しダッシュで現場へ.この日は小児を含む「赤」3名,「黄」2名をフライトドクター3名,フライトナース1名で対応,ピストン搬送,救急車医師同乗で全員TECCMC搬送です.


重複対応では,車両横転事案の現場直近の休耕田に着陸,フライトドクター1名,フライトナース1名を降ろし患者接触(先着),医療開始.もう1事案にはフライトドクター1名が対応します.そして,後の事案をTECCMCにホットローディングで搬入後,車両横転事故の患者をピックアップしに離陸,TECCMCへのピストン搬送です.


病院前救急診療の一端をご紹介しました.これから連休が始まります.事故などには十分にご留意下さい.




2015年4月25日土曜日

4月25日 10 years passed,そして平時へ

2005年4月25日・JR福知山線列車脱線事故から今日で10年が経ちました.多くの方がケガをされ,亡くなられた事案です.この事案がきっかけとなり,本邦の災害医療,特に局地災害に対する対応は大きく変化しました.しかし,平時の救急医療から変えなければならないことも沢山残っています.「平時に考えていないこと,出来ないことは災害時に出来ない」 TECCMC立ち上げ時から念頭に置いている言葉です.10年前のこの日に起きたこと,対応したことを忘れること無く,日々邁進したいと思います.

10年前の現場ではセンター長,福本看護師が先着医療チーム(当時・兵庫県災害医療センター所属)で対応しました.


関西テレビの報道特集で,センター長がコメントしています.経験者はその経験を語り継ぐ責任があります.


そんな日も平時の救急医療は展開されます.ドクターヘリ,ドクターカーによる病院前救急診療,緊急手術対応,セカンドフライトクルー対応などなど.


ここ最近,山岳事案が連続しています.山頂付近で重症患者発生.救急隊現着まで50分近くかかります.防災ヘリは要請からここまで1時間以上はかかるでしょう.ドクターヘリは・・・要請から山頂まで8分!山頂の平らなところにドクターヘリは着陸,医療スタッフは斜面を駆け下り患者接触します.消防覚知から20分以内の医療介入.ヘリ要請,現場特定など消防指令課との密な連携の賜です.


初期治療を行いながら,ドクターヘリ内のバックボードを使用し患者搬送.そしてそのまま機内へ収容です.


地域事情に応じたドクターヘリの活用がなされている北近畿エリア.消防はじめ他職種連携あってこそです.今後ともよろしくお願い申し上げます.



2015年4月24日金曜日

4月24日 現場直近からの

ドクターヘリ,ドクターカーの目的は「早期医療介入」です.その目的を果たすための一つの方策がドクターヘリの現場直近着陸.十分に安全を確認した後に着陸します.

例えば,交通事故・複数傷病者事案.現場直近の道に着陸し医療スタッフが先着.外傷初期診療,トリアージが実施されます.


農耕機事故も増えています.下敷き事案では現場直近の農道(あぜ道)に着陸,現場までダッシュ.外傷初期診療での安定化&同時に鎮痛をはかりながらの救助.消防の方々の協力あってこその現場対応です.


センター内ではVF症例に対するVA-ECMO,外傷事案に対するERTなど,4月入職の先生方もすっかりセンターの業務に馴染んでいます.


若き救急医の多いTECCMC,毎日活力ある診療が行われています^^



2015年4月22日水曜日

4月22日 とある春の日

春の陽気,人々が活動し始めます.そんな春の日,ドクターヘリホットラインが鳴ります.「○○山,滑落.ドクターヘリ要請!」

岡先生,山本先生,米田看護師がいつも通りに飛び上がります.救急車,救助工作車は現場到着まで40〜50分かかります.ドクターヘリはTECCMCから8分で現場上空へ.上空から現場を確認,安全にアプローチ可能と判断します.


山頂にドクターヘリは着陸,医療スタッフ,資機材を降ろします.


医療スタッフは資機材を持って,安全を確認しつつ現場へ.斜面の途中で外傷初期診療開始です.その間,現場活動時間が長時間になることが予想されたため,ドクターヘリは一旦基地病院へ.そして,セカンドクルーが別事案対応,本事案対応が必要になった際に再出動とします.


患者接触後,安定化を施行,そして予め要請していた防災ヘリにて吊り上げ救助.初期診療の効果あり,安定化したまま防災ヘリで当センターへ搬送です.


毎年,山岳事案が起こります.消防含め,我々は可能な限り対応しますが,ちょっとした注意で防げる事案もありそうです.

本日はある春の1日の出来事を綴ってみました.



2015年4月19日日曜日

4月19日 NHK world

昨日,NHK worldで当センターを特集,放映していただきました.
http://www3.nhk.or.jp/nhkworld/english/tv/rising/archive201504030501.html


全編英語での放送ですが,編集含め内容も大変素敵な仕上がりにしていただいております.我々の取り組みを世界に知っていただく良い機会となりました.日本でも世界に負けない,恥じないドクターヘリ事業,病院前救急診療,救急医療が行われています!

もう一度,4月20日にBS1で放映されます.是非ご覧いただけましたら幸いです.

NHKワールド(日本時間)
4月16日(木)
日本時間
1回目:10:30〜
2回目:16:30〜
3回目:22:30〜
4回目:4:30〜 ※17日(金)

NHK・BS1(国内でも英語のまま放送)
4月20日(月)3:20〜(日曜の夜中です)
*NHKワールドは放送衛星やケーブル局などを通じて約140の国や地域で視聴可能です.NHKワールドのウェブサイトでも,放送と同時間に同内容がライブストリーミングされます.
http://www3.nhk.or.jp/nhkworld/
日本国内ではライブストリーミング以外に,下記サイトにあるケーブル局でも放送されます.
http://www3.nhk.or.jp/nhkworld/japanese/info/info04.html
スマートフォンやタブレットでも,アプリをインストール頂ければご覧になれます.
http://www3.nhk.or.jp/nhkworld/app/info/index_jp.html



2015年4月16日木曜日

4月16日 重要な報告

本日、神戸市内に緊急着陸したヘリコプターは当センターが使用している機体でありますが、運航会社で定期点検中の出来事であります。デカールがドクターヘリのままであり、一部報道で当センタードクターヘリが緊急着陸との誤った伝わり方がされていますが、当センタードクターヘリ事業は本日も安全に業務を遂行しております。本事案とドクターヘリ事業は全く関連は御座いません。ここにお伝えいたします。

本事案では人的被害がないことが幸いでありますが、ヘリコプターを使ったドクターヘリ事業は引き続き安全運航に努めます。

ご心配をおかけしました皆様へのご報告にて失礼いたします。


2015年4月14日火曜日

4月14日 連携

基地病院からの搬送距離によって,消防がドクターヘリかドクターカーを選別し要請してくれます.

「意識障害」の覚知同時要請でドクターカーが要請されます.現場までは陸路で10分強.要請範囲としてはドクターヘリのエリアです.ドクターカーで一緒に出動している研修中の救命士に聞くと,その現場付近は直近のランデブーポイントが無い!とのこと.ならば現場直近を選択したいのですが,着陸可能な場所があるか否かわかりません.そこで,ドクターカーから運航管理室へ一報を入れ,いつでも離陸可能状態にします.まずはドクターカーが現場到着(救急隊よりも先着),患者観察を行います.これで早期医療介入完了.患者の状態は切迫しており,早期搬送がBEST.そこで出動途中に見つけた着陸可能な現場直近へドクターヘリ要請を行います.ドクターカー現着直後に現着した救急隊と共に現場から患者搬出しようとした瞬間,上空にドクターヘリ.ドクターカーの赤色灯を目安に現場直近に安全に着陸します.


エンジンカットと同時にストレッチャーに乗せられ搬送された患者を機内収容.時間的ロスも全くありません.


初期治療を行いながら,診断からの根治的治療開始短縮に向けたミッションが本日も滞りなく行われました.

消防,そして地域住民の方々のご協力,ご理解あってのミッションです.いつもありがとうございます.

他の事案でも休耕田に着陸,フライトスタッフは別ミッションのため現場からダッシュ戻りの図.


件数をこなせばこなすほど,安全かつ有益な活用方法が分かってきます.そしてそれが救命率向上,後遺症軽減に直結.キーワード方式からの覚知同時要請,直近着陸,現場滞在時間短縮,基地病院への集約化,ドクターヘリ事業の効果を示すために必要な「キーワード」,そしてそれをTECCMCが実践しています.



2015年4月8日水曜日

4月8日 19分!

「○○消防,ヘリ要請.意識なし」覚知同時要請でドクターヘリは離陸します.離陸後,運航管理室,消防本部,現場救急隊から傷病者情報,ランデブーポイントの場所などを聞きます.


傷病者は切迫した状況,ランデブーポイント着陸から現場投入では間に合いそうにないと判断,機長とfirst doctorは現場直近着陸,ダッシュでの現場投入を決断します.農道に着陸,医療スタッフは現場へダッシュ.ちょうど搬出された傷病者に接触し移動しながらの医療介入開始.そして,機内へ迅速に搬入しTECCMCへ向けて離陸します.


機内からセンターへ最小限必要な情報を伝え,センター内の医療を立ち上げます.


センター搬入.基地病院をドクターヘリが離陸し,帰って来るまで「19分」.患者接触から機内収容まで3分,現場滞在時間は5分.時間を常に意識したフライトチームだから成し得る時間経過です.でももっともっと精度を上げていきましょう!


ICUでは藤原先生が新入局の金先生に血液浄化療法を伝授.新人看護師たちも興味津々.こうやってTECCMC魂は代々受け継がれていきます.




2015年4月4日土曜日

4月4日 桜

桜が見頃です.今年も上空からの桜鑑賞だけだなあ・・・とセンター長.


でもランデブーポイントに桜が咲いていることもあります^^ 緊迫した中の一瞬の安らぎにもなります.


この春は天候が不順.場所によっては雲の上を通過して現場に向かうこともあります.ドクターカーの同時出動など,安全に可能な限り迅速に医療が提供出来るよう対応したいと思います.


センター内は肝破裂の出血性ショックに対するパッキング,DCS,TAEで初療,ICUとキッチリ対応します.新入職の蕪木先生もTAE,パッキングのoperatorに活躍.超重症対応中も他の救急医は初療対応を粛々と行います.あとはICUで状態を立ち上げるだけ.チーム医療で救命しましょう.

今日も空に陸に救急医が駆け巡る北近畿エリアです.




2015年4月1日水曜日

4月1日 新年度,6人のNEW FACE

本日から新年度・2015年度が始まります.本日付でTECCMCに6人のNEW FACEが誕生しました.TECCMC第6期生です.


蕪木先生,吉岡先生,濱上先生,渕上先生,金先生,原先生.TECCMC's WEB PAGEに紹介が載っております.写真をクリックすると紹介ページに飛びます.

そして,2015年度から救命看護師のユニフォームも一新です.師長は「普通」ですが,スタッフは情熱の「赤」.日々熱心に業務にあたってくれています.その象徴でしょうか.さてさて,下の新ユニフォーム写真に1枚だけ「間違い」が混入しています.旧看護師病院用ユニフォームの最小サイズを身にまとう「ぱっつんぱっつん」救急医を探してください.


そして新年度は初期研修医の先生達も新入職です.センター長の講演,そして前山先生のBLS講習と初日から当院,当センターの一端を体験してもらいました.これからの2年間,実りあるものにして下さい^^


年度が変わっても,TECCMCの搬入,診療は何も変わりません.100%救急応需,病院前から始まるシームレスな救急医療.2015年度も何卒よろしくお願い申し上げます.