味付けのセンスがいい : SO TIRED

2024年11月
　4回目の訪問。食べていないメニューも少なくなってきたが、餃子はいつも外せない。もちもちの皮と溢れる肉汁がくせになる。それにタレの甘味と酸味のバランスがとてもいい。できれば小さくて深い取り皿をもらえると、タレが混じった肉汁が飲めるのだが、平たい取り皿だと、飲んだらこぼれるから、いつも断念するしかない。
　今回初めて食べたのは、酢豚と麻辣牛肉と野菜炒め。酢豚はロースをさっと上げて糖醋（たんつー）に絡めたもので、肉だけという思い切りのよさはあるが、野菜がないからちょっと油っぽい。麻辣牛肉はいわゆる四川料理の水煮牛肉（シュイジューニュウロウ）である。キャベツと湯葉が入っていて、これは深みのある味だ。美味しくて、レンゲでタレをすくっていただいた。味付けのセンスは抜群である。
　野菜のにんにく炒めは、炒青菜（ツァオチンツァイ）で、やっぱり四川料理だ。こちらはさっぱりとして、四川料理ならこれで〆なのだが、麺が食べたくて、最後に担々麺を注文。芝麻醤（ツーマージャン）の香りがいい。カプサイシンで身体もポカポカ。秋の日に相応しいメニューチョイスだったと我ながら自画自賛。今回もご馳走様でした。

2024年9月
　3回目の利用。定番の餃子は今回もいただく。魚の甘酢炒め（糖醋魚）は、魚の揚げ具合がよく、甘酢（糖醋）の味と香りが上品。紹興酒によく合う。今回初めて食べた海老と豚の野菜巻きは、小麦粉の皮に包んで揚げた豚とエビをサニーレタスやグリーンリーフに巻いて食べる料理。ベトナム料理の生春巻きに味が似ていて、こちらも美味しい。担々麺は芝麻醤の芳しい匂いとちょうどいい塩加減で、いくらでも食べられそうだ。今回もご馳走様でした。

2024年8月
　2回目の利用。13時に入店すると、店内は結構空いている。猛暑の影響で出足が鈍っているのだろう。
　今回も昼飲み。とりあえずピータン700円。甘酢で食べやすい。甘酢のガリが添えられているのも悪くない。餃子は注文必須だ。揚げ春巻600円も注文。点心には紹興酒。ということで女児紅を注文したら、品切れとのこと。やむを得ず古越龍山のポット1,000円に変更。
　カメ入りの古越龍山は味が深くて美味しいが、やや品質が不安定だ。瓶のは品質は安定しているが、味の深みがちょっと浅い。こちらの古越龍山は瓶入り。カメ入りは取り扱いが難しいので、こちらの店では瓶入りが妥当だろう。
　葱油イカ1,500円は、キクラゲと香菜が添えられてくる。タレがとても美味しい。本格中華の実力は、炒め物にも十分発揮されている。台湾から揚げ1,200円は、カリッと揚がっているところにスイートチリソースをかけていただくが、ややタイ料理っぽい。
　次は脆皮鶏（ツェイピーチー）1,900円を食べてみよう。メニューにはチョイピーカイと、広東語のフリガナがあった。担々麺や青椒肉絲、鶏のカシューナッツ炒め（腰果鶏丁）などがメニューにあったので、四川料理中心だと思っていたが、もしかすると、広東料理が本籍なのかもしれない。最近の中華はそんなに地方にこだわっていないから、こちらも全国区の中華なのだろう。
　であれば、ときどきメニューを変えてくれるといいかも。今回もご馳走様でした。

2024年7月
　隣客の話が耳に入ってきて、平日はランチメニューがあるようだ。酸辣湯麺が凄く美味しかったらしい。
　当方の目的は昼飲み。メニューには丁度よく一品料理がたくさん並んでいる。干豆腐サラダ700円は、たぶん豆腐干（とうふがん）の和え物だ。豆腐干には干片（がんぺん＝スライス）と干絲（がんすー＝千切り）がある。干絲ですかと聞いたが、ホールの子はなんのことかわからないようなので、押し豆腐は千切りですかと聞き直した。どうやら中華料理には詳しくないみたいなので、この店の読み方でいくことにする。とりあえずそれと生ビールを頼んだ。
　生ビールは泡が多い。6:4くらいだ。しかし注ぎ方を失敗しただけのようで、2杯目からは8:2くらいのものがきた。干豆腐サラダはネギとパクチーを和えていて、食感と味付けがとてもいい。ホールの子はともかく、キッチンはプロだ。これは期待できる。
　前菜盛合せ1,800円は鴨と豚肉とクラゲ。どれも美味しい。2杯目の生ビールを飲み干すと、紹興酒のボトルを頼むことにした。女児紅（ニューアルホン＝にょじこう）なのだが、この店でどう読むのかわからない。にょじこうをくださいと言うと、ややベテランの子が来て、じょじですか、じょじはボトルになりますがと言ってきた。ボトルでお願いしますと返して、無事に注文できた。
　餃子500円は水餃子。中国で餃子と言えば水餃子である。皮は手作りでモチモチしているし、あんはジューシーだ。タレも美味しくて、言うことなし。追加でもうひとつ頼んだ。焼売は肉の味がしっかりしている美味しいやつ。串焼きラム800円、海老トースト600円、パクチーサラダ1,000円、よだれ鶏1,300円も食べたが、美味しいのでいくらでも食べられる。〆にエビチャーハン1,300円を注文。このチャーハンのフワフワ感が半端ない。これは家庭では真似のできないチャーハンだ。連れは海鮮粥。さすがにお腹いっぱい。
　2023年2月オープンというから1年半だ。ときどき店の前を通るが、外観からしてカフェだと思っていた。食べログで検索して中華だと知ったので利用したが、これほど本格的な中華料理が食べられるとは思っていなかった。料理内容からしたら、銀座だと3万円はするだろう。それがひとり8,000円ほどで食べられて、とても幸運だった。また利用したい。隣客が話していた酸辣湯麺も、きっと独創的で美味しいに違いない。ご馳走様でした。