しのぶれど 色に出にけり わが恋は~鮨 はしもと~ : 鮨 はしもと

2024.8.

しのぶれど 色に出にけり わが恋は／鮨 はしもと

茶豆
お酒のアテでいだたくには、丁度良い量。

真子鰈♡
薄い切りつけでも確りとしたモチモチ感が楽しめて、咀嚼の度に甘味が引き出されていきます。

トウモロコシの茶碗蒸し♡
上には焦げ目をつけたトウモロコシ、その下には海苔が忍ばせており、単にトウモロコシの甘味だけを楽しむだけではない美味しさ。毎回「鮨 はしもと」の茶碗蒸しは、創意工夫がされていて素晴らしい。

鮑ご飯♡
蒸し鮑を薄く切りつけ、鮑出汁を上からかけて供され、更に別皿には鮑の肝と白烏賊を混ぜ込んだご飯も供されます。まさに鮑尽くし。鮑の香りに包まれ、グッとくる旨味が秀逸。

鰊の巻物♡♡
赤酢で〆た鰊を沢庵・芽葱・ガリ・胡麻と共に海苔で巻いたもの。「鮨はしもと」での初となる鰊。鰯や鯖に負けない旨味と脂があり、素晴らしい。握りでも食べたかったです…

鰹♡
藁で燻されているので、その薫香が鼻を擽り、溢れる旨味という暴力にノックアウトです。

珍味三種♡
左から甘海老の唐墨和え・鮟肝・鮎のペースト。お酒を飲む為に供されるかのような肴。時間が許されるならば、小一時間はコレでイケます。

焼き茄子と鮪♡♡
「鮨 はしもと」には炭場があり、そこでじっくりと焼かれた茄子と鮪を盛り合わせた皿。一緒に食べることを勧められ、その通りにすると…鮪が茄子と同じくらいのとろける具合で、口の中にジュワッと旨味が広がります。

真子鰈＊♡
モチモチとした身の食感と咀嚼する毎に溢れ出す甘味がシャリの塩味でより引き出されています。

新子♡♡
佐賀産の3枚付け。新子は〆方がキツいと感じることが多い中で、コレは絶妙。仄かな酸味の中に新子の旨味を確りと感じることができ、「新子を美味しい」と感じられる一貫。

小鰭＊♡♡
そして、小鰭。いつもながらにジューシーであり、酸味の中に甘味を感じられて実に美味しい。

本あら♡
新潟県佐渡産。極上のモチモチ感があり、シャリの塩味でその甘味の輪郭がハッキリとするよう。

中トロ♡
青森県大間産の48キロ。夏の時期らしい鮪で、ちょっと脂のある赤身という感じ。今、鮪がないという中で、国産の生を使えること自体が凄い。

平貝＊♡
シャリとの間に海苔を入れる好みの仕立て。平貝のサクサクとした食感に海苔の香りを纏っているかのようで美味しい。

鰯♡♡
愛知県産の小鰯。どっしりとした脂があり、口の中で華やぐような青魚の香りも感じられ、ぶっちゃけ鮪よりも美味しい。

北寄貝♡
とろりとしたワタの部位をダイレクトに舌に当たるようにして握られており、口に入れた瞬間に甘味が爆ぜるかのよう。

鮑＊♡♡
橋本親方も初という鮑の握り。薄く切りつけてから、鮑の出汁に付け込んでおき、鮑の肝を忍ばせて握られます。更に供する前に鮑出汁を上から付けているので、旨味の累乗がハンパない。夏の時期の名物となる予感。

春子鯛♡
ジューシーさを感じる春子鯛は咀嚼すると、ふわりと昆布の香りが広がります。非常に〆方の上手さが際出す一貫。

海松貝＊♡
ザクザクとした小気味良い食感に独特なちょっとクセのある甘味がたまらない。

大トロ♡
口に入れた瞬間になくなるような口溶けの良さ。夏らしく香りも強く、この時期にこのレベルの鮪に出逢えるとは！

新烏賊♡
一杯で一貫という丁度サイズで、儚い柔らかさはこの時期ならではの楽しみ。

新烏賊の下足♡
下足らしい食感もありつつ、そこはやはり新烏賊。プチプチと柔らかい。

石垣貝＊♡♡
唯一リクエストしていた食材。ザクザクとした食感を期待していましたが、コレもワタを感じられる裏巻きにしており、食感よりも甘味をより感じることに驚愕です。

鯵♡
島根県浜田産。肉厚な身からは爽やかな旨味を感じ、後に残る甘味さえも美味しい。

車海老♡
車海老で感じる旨味・甘味・香り・温度・食べ応えが全てパーフェクト。いつもこのクオリティを維持されていることが素晴らしい。

金目鯛♡
皮目だけを炙り、香ばしさを与えており、爆ぜるような旨味が実に甘くて美味しい。

赤海胆♡
山口県萩産。口に入れると、香りが爆ぜ、一気に液体になった海胆の甘味を強く感じられます。

煮蛤＊♡
柔らかく、旨味がたっぷりしているので、いつまでも噛んでいたくなるような煮蛤。煮つめを付けることで、更に旨味な複雑味がプラスされます。

穴子♡♡
原型を留めていたことが不思議なほどにトロトロ。シャリの塩味でより甘味を感じられ、毎度間違いのない美味しさ。

赤海胆＊♡♡
産地を変えて、熊本県天草産。先程のものに比べると、大きさも味わいも数段上。甘味だけでなく、苦味も加わって味わいに複雑味があります。

蜆汁♡
家に常備しておきたくなるほどの美味しさ。ちょっと高めの温度が非常に好みです。

玉♡
今回も握りで。間に芝海老のおぼろを入れる仕立てで、玉は口の中でシュワっとなくなり、シャリの塩味でより2つの甘味を感じられます。

東京・新富町にある「鮨 はしもと」の夏は、まさに盤石な肴と鮨といった感じ。全体的にちょっと甘めな肴は実に好みの味付けで、ついついお酒がすすんでしまうし、厚みや大きさで存在感のある種と大きなシャリの男鮨は、まさに「鮨を食べている！」といった実感が食べる度に沸き起こります。店主・橋本 裕幸さんの流れるような所作は見ていても心地よく、柔らかな物腰の中で確固とした芯の強さを感じられるのは、出逢った頃からずっと変わらない親方の印象です。

次回は秋〜冬頃。またいっぱい食べさせてください。今回もありがとうございました！


今回出逢ったお酒

新政 天蛙 2022

天美 純米吟醸

磯自慢 特別本醸造 山田錦

2024.4.

しのぶれど 色に出にけり わが恋は／鮨 はしもと

東京・新富町にある「鮨 はしもと」に再訪。店主・橋本 裕幸さんの流れるような美しい所作、がっつりと握られる男前な鮨、そして日曜日も営業している便利さから個人的に鮨のホームグランド的な存在です。今回は事前にお願いして、「はしもと春の貝まつり」を開催していただきました。同席された某有名ブーランジェリーの店主様をはじめ、「やけに貝が多いな」と思われてたと思いますが、それはきっと私のせいです…。

蚕豆
ホクホクと甘味があり、日本酒が進みます。

鶏魚♡
皮目を炭で炙っており、それが口の中でパリッと弾け、旨味が溢れます。あまり肴では供されませんが、厚みのある鶏魚いいなー。

桜海老の茶碗蒸し♡
今年は豊漁という桜海老は口の中で香ばしさを放ち、底にある百合根のホクホク感も存在感あって美味しい。

蛍烏賊ご飯♡
蛍烏賊・花山葵・胡麻・シャリで作られるこの時期の定番。シャリの塩味で輪郭を成す蛍烏賊の旨味が素晴らしく映えます。

〆鯖巻き♡♡
濃厚な〆鯖を大葉・沢庵・芽葱・胡麻と共に海苔で巻いたもの。他店でも見かける仕立てですが、沢庵の甘味が味の決め手。

珍味三種盛り♡
今回は鮟肝・真加治木の生ハム仕立て・蛍烏賊の味噌漬け。塩味でもお酒が進みますが、甘味で飲ませるのがここの良さ。

太刀魚♡
炭火で焼き上げた太刀魚は口の中でフワフワととろけて、まるで液体のような感覚。

小鰭♡♡
初手は、橋本親方の代名詞的な一貫の小鰭。今回はおぼろを入れる仕立てで、心地よい酸と塩の中で、おぼろの甘味が映えます。

春子鯛♡
昆布〆されているので、ふわりと昆布が香ります。春子鯛の水分量が絶妙で、口の中でとろけるような食感。

鳥貝♡
兵庫県室津産の天然もの。身は薄いながらもワタが確りとついていて、独特な甘味と香りが堪能できます。

中トロ♡
静岡県沼津産の釣り。やや固さを感じますが、口の中でとろけて溢れ出す旨味と甘味は官能的な濃厚さ。

赤身漬け♡
静岡県下田産。薄く大きく切りつけて、折り畳んでから握られます。漬けが短時間でも確りと脱水されており、旨味の凝縮感が凄い。

平貝♡
格子状に入れられて、海苔を間に忍ばせており、抜群に好みの仕立て。平貝はサクサクのイメージでしたが、コレは一気に飛散します。

赤貝♡♡
特大の赤貝はヒモの部位を一緒に握る赤貝丸々一個を使う贅沢な仕立て。口の中で香りと食感が爆ぜるようで美味しい。

青柳♡
口の中で花のような香りが広がり、間に忍ばせた海苔の香りも華やぎます。まさに香りの爆弾のような一貫。

浅蜊♡♡
愛知県産の天然もの。塩・酒・薄口醤油と共に60℃くらいの低温でゆっくりと火入れした浅蜊は、旨味とワタのほろ苦さが実に美味しい。

北寄貝♡
びっしりとついたワタがとろりととろけ、甘味が溢れます。ワタの部位が舌にダイレクトに当たるので、より強く甘味を感じられるのもポイント。

大トロ♡
静岡県沼津産。口の中にまだ北寄貝の甘味が残っているところに、更に濃厚なコクのある甘味で上書きするという素晴らしさ。

鯵♡
長崎県産。肉厚であり、香りも凄く、口の中での存在感が半端ない。爽やかな旨味が駆け抜けていきます。

鱒の介♡
北海道寿都産。口に入れると、ふわりと薫香が鼻から抜け、濃密な旨味がジュワッと広がります。

車海老♡
相変わらず、大きさ・火入れ・甘味・香りがパーフェクトな車海老。シャリの塩味でより甘味を強く感じられます。

小柱♡
粒の1つ1つが特大のもので、ザクザクとした食感が映え、海苔の香りと共に甘い香りが口いっぱいに広がります。

紫海胆♡♡
リクエストしていた大好きな青森県新根産のダイセンのもの。色が黒いのがオスで、味わいが濃厚だそう。濃厚さがありつつもキレの良い甘味で美味しい。

穴子♡
奥で炙られているのか脂が踊る穴子はトロトロで、ほんのりと甘い。煮つめの甘味と合わさり、二段階の甘味を楽しめます。

玉♡
今回も握りで。間におぼろを忍ばせており、シャリの塩味でより2種の甘味を感じられます。

煮蛤＊♡
身は柔らかく、咀嚼する度に旨味がジュワッと溢れ出し、いつまでも噛んでいたくなるような感じ。

鮨は全19貫のうち、貝は8貫というまさに貝祭りというラインナップ。更にリクエストにしてたダイセンの紫海胆も揃えて下さり、感謝でしかない時間を過ごさせていただきました。橋本さん、いつもありがとうございます！

今夜出逢ったお酒

大信州 純米吟醸 手の内

田酒 特別純米

 2023.12.

しのぶれど 色に出にけり わが恋は／鮨 はしもと

海老芋
胡麻付き。海老芋のねっとりとした甘味の中に胡麻の香ばしさが映えます。

鮃 & 帆立♡
極上のモチモチ食感の鮃は咀嚼の度に旨味が溢れ、北海道野付産の帆立は筋繊維が確りとしており、ザクザクとした食感の後に甘味が溢れてきます。

白子の茶碗蒸し♡
今回の茶碗蒸しは白子。コクのある玉子の甘味の中でクリーミーな白子の甘味が広がり、上からかけられたポン酢の酸味がより甘味を際立たせています。

せいこ蟹♡
この時期ならではの食材であるずわい蟹の雌(せいこ蟹)をシャリと合わせて、いくらを盛ったもの。
プチプチと弾けるいくらとシャリシャリとするせいこ蟹の卵の甘味がシャリの酸味で、よりその甘味を楽しめます。

鰯巻き♡♡
酢〆した鰯をガリ・沢庵・大葉・浅葱・胡麻と共に海苔で巻いたもの。
他店でも見かけますが、私的にこの沢庵が最大の決め手だと思っていて、甘味と食感がこの鰯巻の中で素晴らしく映えます。

珍味三種♡
鮟肝、牡蠣の味噌漬け、筋子の味噌漬け。どれもちょっと甘めなので、お酒が進みまくる味わい。きっとご飯にも合うはず。

えぼ鯛の一夜干し♡
何気に江戸前の食材であるえぼ鯛は「鮨 はしもと」で、初めていただくひと品。軽い食感なれど、旨味が爆ぜるように強くて美味しい。

小鰭♡♡
ここから握り。初手はやはり小鰭。確りと酢の酸を感じつつも、小鰭自身の旨味が甘く、シャリの酸味でよりその甘味を感じる至高の一貫。後味の余韻も長く浸れます。

春子鯛♡
ジューシーな春子鯛からはふわりと昆布の香りがし、昆布の旨味が春子鯛と溶け合っています。

赤身♡
北海道噴火湾産の定着。シルキーな舌触りで、旨味が強い。食べ終えると、赤身の香りがぶわっと口の中に立ち上ります。

中トロ♡
同じ魚体。口の中に入れると瞬時にとろけ出し、仄かな酸味の中で甘味が凄い。

鯵♡
鹿児島県出水産。3日寝かせているそうですが、身は確りとしており、爽やかな脂と旨味が走ります。

鰤♡
石川県能登産。トロトロな身に山葵と辛子を忍ばせており、辛子の香りが鰤を輝かせています。

赤貝♡
肉厚な身とヒモの部位、丸々一個の赤貝を使う贅沢な一貫。ザクザクとした歯応えに爽やかな香りが映えます。

大トロ♡
青森県三厩産の釣り。コッテリとした旨味があり、広がる甘味が強い。

皮剥♡
ガラスのような身は極上のモチモチ加減。肝を間に入れているので、確りと身の旨味も楽しめ、徐々に濃厚な肝の旨味が口いっぱいに広がります。

鰆♡
漬けにしてから藁で炙って薫香をつけたもの。とろけるような身は確りと旨味があり、薫香がふわっと鼻から抜けます。

車海老♡♡
相変わらず大きさ・温度・香り・食感・甘味、全てがパーフェクトな車海老。

海松貝＊♡
極上のザクザク食感、その後に広がるちょっとクセのある甘味がとても魅力的。

北寄貝＊♡
甘いワタの部分がダイレクトに舌に当たるので、実に甘く美味しい。

帆立＊♡♡
帆立を包丁の背で叩いて解すことで、より甘味を感じるように仕立てており、酢橘の酸と塩でより甘味が際立ちます。

白甘鯛＊♡
舌に当たった瞬間に甘味が溢れ、旨味の濃度が素晴らしく濃い。

煮蛤＊♡
噛めば噛むほどに旨味が溢れてくるので、飲み込むのが惜しいほどの美味しさ。

北紫海胆♡♡
「橘水産」の特選。まるで馬糞海胆のような甘さがあり、北紫海胆らしい香りも強い。

穴子♡
香ばしい香りもあり、ジュワッととろける穴子は、いついただいても当たり前のように美味しい。

玉♡♡
今回も握っていただきました。間に山葵と芝海老のおぼろを入れる仕立てで、鮮烈な山葵の香りとおぼろの甘味とシャリの酸味で、より玉の甘味を引き出しています。

2023年の鮨納めは東京・新富町にある「鮨 はしもと」。店主・橋本 裕幸さんが握る鮨はガツンとした男鮨で、口の中で感じられる圧倒的なな魚の存在感があります。そして物腰柔らかな立ち振る舞いと形も美しい鮨は多くの人を魅了しています。ここ数年でお弟子さんも増えて、親方としての貫禄と抜群の安定感を感じられます。供される料理は定番のものなれど、どれも外れなく美味しく、どの季節に訪れても絶対的な口福を感じれる鮨店だと思っています。

橋本親方、今年もありがとうございました。春の貝祭りも楽しみにしています。

2023.9.

しのぶれど 色に出にけり わが恋は／鮨 はしもと

枝豆

本アラ & 海松貝♡
新潟県佐渡島産の本アラはとろける舌触りと芯のあるような食感があり、その食感を楽しんでいると甘味が溢れてきます。そして、海松貝はザクザクとした食感の中に強烈な少しクセのある甘味を感じます。

いくらと湯葉の茶碗蒸し♡
王道な橋本さんの料理の中で、意外と攻めているのが茶碗蒸し。今回はいくらと湯葉。茶碗蒸しの熱でいくらの皮が固くなり、よりプチプチ感が増して食感が楽しめ、湯葉がより旨味を底上げしているかのよう。

蒸し鮑♡
出汁と肝ソースをかけて。目の前で切りつけられている時から香る鮑が凄い。口に入れると、その香りがぶわっと華やぎます。

鮑肝ご飯
鮑の肝ソースでシャリを和えて、白烏賊を乗せたもの。
肝ソースの味わいを全面に出したのではなく、切り立てのシャリの酸がビシッと効いており、シコシコとした白烏賊の食感も楽しい。

鰯巻き♡
赤酢で〆た鰯を浅葱・大葉・沢庵・胡麻と共に海苔で巻いた肴。
赤酢の旨味ある酸と沢庵の甘味、そして鰯の旨味が実に素晴らしい。

肴3種♡
鮎のペースト・鮟肝・新烏賊の下足。お酒が進みすぎて困る肴の盛り合わせ。中でもこの時期ならではの新烏賊の下足は、儚いながらもコリコリとした下足らしい食感があり、美味しい。

海鰻♡
塩揉みした酢橘と共にいただけば、鰻の濃厚な旨味に酢橘の仄かな苦味が映えます。パリパリとした皮と肉厚な身が素晴らしく美味しい。

新子♡♡
初手は小鰭っぽい新子を1枚付けで、間に芝海老のおぼろを入れる仕立て。皮目は柔らかく、仄かに酸が立ち、追いかけるようにおぼろの甘味と小鰭の旨味が際立ちます。素晴らしい美味しさ。

真鯛♡
兵庫県明石産。橋本さんの真鯛はいつもヤバい。魚の王様と称されるのも頷ける美味しさがあり、旨味の凝縮が実感できます。

背トロ♡♡
宮城県塩竈産。シャリの酸で輪郭をハッキリとさせる鮪の旨味が秀逸で、食べ終えて鼻から抜ける香りまで素晴らしい。

はがし＊♡♡
中トロの部位だそうで、筋を剥がしたもの。香りは秀逸、そして舌触りはシルキーの極み。思い出しただけでも余韻に浸れる味わい。

中トロ♡
同じ産地ですが。魚体を変えたもの。部位は腹の辺りだそう。口の中に広がるコッテリ感があり、なくなると同時に旨味が広がります。

北寄貝♡
ビッシリとついたワタの部位がトロトロで、実に甘い。それがダイレクトに舌に当たるので、素晴らしい。

ニタリクジラ♡
「鮨 はしもと」で初となる種。9月はクジラの月だそうで、橋本さんも今年から使い出したという。部位は尾の身で、まだ確りとしている身を口の熱でゆっくりととかしていくと溢れ出る旨味が、魚のそれとは明らかに違って美味しい。

新烏賊♡
やや大きめな新烏賊。小気味良いサクサクとした食感の中、烏賊の甘味が駆け抜けていきます。

縞鯵＊♡
とろけるような身にねっとりと舌に絡むような旨味。縞鯵の概念が変わりそうな美味しさ。

大トロ♡♡
カマトロの横の部位。シャリの温度を上げているので、身の口溶けや香りがより華やぎ、余韻長く楽しめます。

小鰭＊♡♡
先程の新子に近い小鰭とは違い、旨味が段違い。酸味の後に広がる甘味が素晴らしい。

金目鯛＊♡
皮目を軽く炙って、皮と身の間の脂を溶かして旨味にしており、山葵と辛子の辛味と香りがより金目鯛の旨味を引き出しています。

鯵♡
京都府舞鶴産。肉厚な身は余分な水分がないほどに旨味が凝縮しており、シャリの酸でよりハッキリとします。

鰆♡
三重県産。皮目をスモークしており、口の中で映える薫香が心地よい。脂よりも旨味が強い感じ。

車海老♡
大きな海老は頬張ると喉に海老味噌が当たるような感じで、そこから感じる温度・香り・甘味がいつもながらに完璧な一貫。

馬糞海胆♡
濃密な海胆の甘味と旨味、そして海苔の香りが口いっぱいに広がります。

穴子♡♡
素晴らしい美味しさ。炙ることで香ばしさが生まれ、穴子本来の旨味と濃厚な煮つめの旨味が合わさり、美味しい以外の言葉が見つからない。

玉♡
デフォルトと握りで。玉はジュワッとした旨味があり、握りには芝海老のおぼろをたっぷりと入れており、旨味と甘味の濃さが素晴らしい。

赤海胆＊♡♡
山口県安岡産どこかクリーミーで、仄かに苦味もある複雑な味わいこそ赤海胆の美味しさ。

煮蛤＊♡
色合いはライトながらも、噛み締めるとジュワッと溢れる旨味が素晴らしい。ずっと噛んでいたくなるほどの美味しさ。

東京・福富町にある「鮨 はしもと」に再訪。物腰柔らかな店主・橋本 裕幸さんが作り出す料理は、確りとお酒を飲ませるような肴と口の中で魚の存在感を感じられる質実剛健な鮨。今回は鮨の種を多めに用意していただいたので、たっぷりと堪能できて口福のかぎり。残念なことは、全て(他に6貫くらいありました)を食べることができなかった私の胃袋の大きさでしょうか…。橋本親方、いつもありがとうございます！また是非食べさせてください。

2023.4.
堪能する春の貝づくし／鮨 はしもと

うるいのお浸し
シャクシャクとした食感と瑞々しさが駆けます。

鶏魚 & 帆立♡
鶏魚は切るとこを見ているだけで、絶対に美味しい！と思い、食べると確信に変わる旨味と甘味があります。帆立は筋繊維が確りとしているとてもマッチョな感じで、それを歯で断ち切ると甘味が爆ぜます。

蛤の茶碗蒸し♡
卵液の中に細かく切った蛤・百合根を入れてあり、上から豆乳と蛤の出汁をかけたもの。変わらずに茶碗蒸しは独創的であり、美味しい。

蛍烏賊ご飯♡
この時期のお決まりである蛍烏賊・花山葵・シャリを合わせたもの。蛍烏賊の香ばしさと旨味がシャリの酸と塩で押し上げられるようで美味しい。

子持ち槍烏賊♡
この時期ならではの食材である子持ち槍烏賊を甘辛く煮付けたもの。スパッと歯切れる身とムチムチとした卵の異なる食感が口の中で合わさるという非日常感があります。

〆鯖巻き♡
〆鯖を芽葱・ガリ・沢庵と共に海苔で巻いた肴。脂のある〆鯖を沢庵の甘味がグッと受け止めており、素晴らしい美味しさ。

酒盗3種♡
鮟肝・真加治木の生ハム・蛍烏賊の味噌漬け。どれをいただいてもお酒がすすむ味わいで、コレを供されたら多くの方が冷酒を注文しますw

太刀魚の焼物♡
ふわりとした食感の中、太刀魚の甘味が広がります。定番と言われる焼物ですが、やはり美味しい。

小鰭♡♡
今夜は芝海老のおぼろを入れるバージョン。このおぼろの甘味のアクセントが絶妙に響き、非常に美味しい。

春子鯛♡
程よい昆布の旨味があり、咀嚼することで昆布の香りもふわりと鼻から抜けます。

北寄貝♡
トロリとしたワタがたっぷりとついており、そのワタをダイレクトに舌へ当てることで極上の甘味を感じられます。

中トロ♡
宮城県気仙沼産の延縄。ふわりとしたシルキーな舌触りで、溢れ出す旨味が素晴らしい。

中トロ♡♡
珍しい神奈川県三崎産。あっさりしていながらも、どっしりとしたコクがあって好みの味わい。

赤貝(追加)♡♡
宮城県閖上産。ヒモも一緒に握る赤貝丸々一個使う仕立てで、香り・食感が映えます。

閂♡
サクサクとした食感を楽しんでいると、溢れる細魚の旨味とそれを追いかけるような薬味の爽やかさがあり、そしてまた細魚の旨味で口の中がいっぱいになります。

青柳(追加)♡♡
花のような華やかな香りがあり、中に忍ばせた海苔がいいアクセントを生みだしています。

浅蜊♡
三重県産。何気に初めていただく種。浅蜊のワタが非常に濃くてほろ苦く、旨味が強い。このように旨味が濃いのは僅かな期間だけだそうで、いいタイミングでした。

鳥貝(追加)♡
愛知県産。ワタを舌に当てるように裏返して握られる鳥貝。ダイレクトに甘味を感じられ、香りが華やぎます。

大トロ♡
神奈川県三崎産。先程の中トロと同様に、あっさりとしつつもコクがあります。地元である神奈川県でも、このように素晴らしい鮪が揚がることを誇らしく思うほどに美味しい。

平貝(追加)♡
中に忍ばせる海苔がとてもいい仕事をしており、海苔の香りがとても心地よい。柚子の香りもいいけど、やはり磯の香りがしっくりきます。

鯵♡
京都府舞鶴産。肉厚な身からは脂よりも旨味があり、非常に爽やか。

小柱(追加)♡♡
三重県産の大星。小気味良いザクザク感があり、ジュワッと溢れる甘味と海苔の香りが口の中で混ざり合い、美味しい。

鰆♡
薫香と鰆の甘味が口の中で一体となり、シャリの酸と塩でその味がより映えます。

海松貝(追加)♡
ザクザクッと絶妙な歯応えとちょっとクセのある独特な甘味があり、シャリと混ざり合うことでより甘味を感じられます。

車海老♡
車海老とシャリの温度がほぼ同じくらいかシャリが少し高いくらいで握られるので、一体感があり、車海老の香りと甘味が映えます。

北紫海胆♡
青森県産のダイセン。灰色にも似た色は映えないですが、味わいは濃くてジューシー。

穴子♡
最早、コレは液体。口に入れた瞬間にシャリと一体になって、穴子は旨味のみを残してなくなります。

玉♡
今夜も握っていただきました。芝海老のおぼろを入れることで絶妙な甘塩っぱさがあり、個人的に鮨を〆たという感じになります。

今夜は東京・新富町にある「鮨 はしもと」で、春の食材を堪能させていただきます。物腰柔らかく、確りとした芯を感じさせる鮨職人・橋本 裕幸さんが握る鮨は男っぽく、いつどの種を食べてもハズレがありません。多くのお弟子さんを抱え、旧店舗で営業する「鮨美幸」も好評なようで、親方としても東京を代表するお一人だと思います。
今回は事前にお願いして、春の貝を多めに用意していただき、貝それぞれにある食感と甘味、そして香りを存分に楽しませていただきました。鮨店の看板である鮪や小鰭に代表する〆物の美味しさは勿論のこと、殆どが生で握られる鮮度が命の貝をこれほど用意して下さるとは流石の一言。今夜も実に美味しかったです。

橋本親方、奥様。素晴らしいひと時をありがとうございました。またどうぞ宜しくお願い致します。

2022.12.
しのぶれど 色に出でにけり わが恋は／鮨 はしもと

海老芋
断面には唐墨付き。絶妙な旨味と塩味が加わって美味しい。

白子の茶碗蒸し♡
冬の定番の茶碗蒸し。中には大粒の白子がゴロゴロと入っており、上にかけられた温かいポン酢の酸味でより玉子と白子の甘味が映えます。

帆立♡
北海道野付産の天然ものをシンプルにザックリと切りつけたもの。マッチョな帆立のザクザクとした弾力を楽しみ、甘味がじわりと溢れてます。

せいこ蟹♡
せいこ蟹とシャリを混ぜ合わせて、上からいくらをかけた小丼。せいこ蟹の内子と外子のプチプチ・シャリシャリとした食感があり、いくらの甘味とシャリの酸味がいいバランスです。

〆鯖巻き♡
〆鯖を大葉・沢庵・芽葱・胡麻と共に海苔で巻いたもの。溢れる〆鯖の旨味が沢庵の甘味と合わさって、実に美味しい。

肴三種♡
今回は鮟肝・白海老の唐墨和え・真加治木の生ハム。どれも甘味と塩味がお酒を呼び、ついつい飲んでしまいます。

太刀魚の焼物♡
炭火で太刀魚を焼きあげて、上から芹餡をかけた鮨店では珍しい仕立て。餡の出汁で、ふわりとした太刀魚の旨味が更に倍加・累乗します。

小鰭♡
初手はやはり小鰭。小鰭の心地よい酸の中、間に忍ばせたおぼろの甘味がいいアクセントを与えており、旨味が溢れます。今夜も実に美味しい。

黒鯥♡
シャリを包み込むかのように握られ、上品な黒鯥の旨味が素晴らしく、シャリの塩味がより甘味を際立たせています。

赤身♡
青森県大間産の釣り。非常に味わいが濃く、食べ終えても尚、鼻から抜ける香りがとても良い。

血合いぎし♡♡
鮪の香りや濃い味わいが実に素晴らしく、口の中で感じる存在感の大きさがあり、「鮪を食べてる！」という気持ちになります。

北寄貝♡
ビッシリとついたとろりとしたワタの甘味がまず最初にきて、ザクッと小気味良い食感が楽しめます。

鰤♡
鰤には余計な薫香もなく、微塵のクセもなく、ただただ旨味のみが溢れます。山葵と芥子の2種の辛味と香りがいいアクセントになっています。

平貝♡
格子状に包丁を入れられているので、醤油で浮かび上がるのがとても綺麗。間には海苔を忍ばせており、この小さな海苔が非常にいい仕事をして、香りを楽しませてくれます。

帆立（追加）♡♡
追加できるとのことで、久しぶりに追加。帆立は半分に切ってから、包丁の背で叩くようにして表面を砕いてから握られます。酢橘の酸が爽やかで、実に甘味があって美味しい。

大トロ♡
魚体は先程と違うそうですが、コレも釣り。大トロなれど香りがあり、旨味が濃厚。

細魚♡
サクサクとした食感の中で、生姜の爽やかさが走り、細魚の旨味が後を追いかけてくるかのよう。

鰆♡
薫香の中で、寒鰆のほわんとした甘味を感じられて、とてもジューシー。

車海老♡
今日はちょい温度高め。大きさ・食感・香りの全てが美味しい。

海胆♡
北海道浜中産の馬糞海胆と青森県産の北紫海胆とのコラボ。珍しい仕立てですが、甘味と香りの波状攻撃のような味わいが口いっぱいに広がります。

穴子♡
極上のトロトロ加減。いつ訪れても、ハズレのない美味しさ。

玉♡
今夜も握りで。間におぼろを入れており、シャリの塩味で際立った玉の甘味の中でおぼろの旨味がグッときます。

墨烏賊（追加）♡
スパッとした心地よい歯切れの良さがあり、烏賊の甘味が広がります。

海松貝（追加）♡
ザクザクとした食感の中で特有の甘味が映え、立ちこめる香りが鼻から抜ける瞬間が心地よい。

真鯛（追加）♡♡
兵庫県淡路島産。熟成4日目という真鯛は、凄い旨味の爆弾。甘味の後にグワーッと旨味が溢れてきます。食べられて良かったと思う一貫。

赤貝（追加）♡
ヒモも一緒に握るスタイルで、一貫で1個の赤貝を使っています。ヒモが入ることで、食感と香りが格段に上がり、実に美味しい。

煮蛤（追加）♡
柚子香る中、咀嚼の度に旨味が溢れてきて、こんな味わいのガムがあったらいいなとつい考えてしまう美味しさ。

金目鯛（追加）♡
口の中で感じる厚みある金目鯛の存在感。脂はさほどに感じられず、旨味が濃厚。

穴玉巻き（追加）♡
最後は穴子と玉を巻いた甘い一貫。干瓢巻きとは違う私の〆もの。

2022年の鮨納めは東京・新富町にある「鮨 はしもと」。店主・橋本 裕幸さんの物腰柔らかな人当たりと揺るぎない芯を感じさせる雰囲気を持っており、とても好きな鮨職人のおひとりです。
今回は当日仕込んである種を全て握っていただきました。何気に「鮨 はしもと」では初めてで、大きなシャリの男っぽい鮨はどれも握る前の所作からとても美しく、何よりもハズレなく美味しい。

2022年の鮨納め。素晴らしい1日になりました。橋本親方、ありがとうございました！来年もまた宜しくお願い致します！

2022.8.

爆ぜる夏鮨／鮨 はしもと

真子鰈♡
咀嚼するのか楽しくなるほどにモチモチ食感で、ゆっくりと旨味が溢れてきます。

平貝と海松貝♡
それぞれの旨味と食感があり、野生味のある味わいが実に美味しい。

トウモロコシの茶碗蒸し♡
トウモロコシと卵液で二層になっている茶碗蒸しで、上には海苔と雲丹。全体的にザックリと混ぜ合わせていただくと、トウモロコシの強烈な甘味と卵液のコク、海苔と雲丹のアクセントが相まって美味しい。

蒸し鮑♡
肝ソースと共に。ムチムチとした鮑は香りも残っており、肝ソースを絡めるとより一層香りが立ち上ります。

白烏賊と肝ソース♡
先程の肝ソースを利用して、白烏賊とシャリを合わせたもの。シャリの酸味と塩味がより肝ソースの旨味を引き出しており、サクッとした食感でねっとりとした白烏賊が美味しい。

鰯の海苔巻き♡
鰯を沢庵・ガリ・芽葱・胡麻と共に海苔で巻いた有名な肴。他店でも同じものがありますが、中にある沢庵の甘味がより一層の美味しさの高みへと昇華しています。

肴三点盛り♡
今回は白海老の唐墨和え、筋子の味噌漬け、鮎のペースト。どれも絶妙な味わいで、お酒がすすみます。

海鰻の白焼き♡
炭火で確りと脂を落とした鰻は皮がパリパリで、肉厚な身は旨味がグッとくる味わい。添えてある酢橘の塩揉みに苦味と爽やかさがあり、いい仕事をしています。

新子♡
何気に「鮨 はしもと」で初となる新子。塩と酢で数分単位で〆られた新子は3枚付けで、皮も儚いほどに柔らかく旨味が残っており、美味しい。

本アラ♡
シャリの塩味でより際立つ旨味と甘味が秀逸。

北寄貝♡
ザクザクとした食感の後に広がる強烈な甘味。トロリとしたワタもびっしりとついており、最高の一貫。

血合いぎし♡
青森県大間産釣りの60キロ。赤身の代わりに供された一貫で、脂が抜けており確りと香りが鼻から抜けます。

蛇腹♡
同じ魚体。夏らしい脂の爽やかがあり、かなり寝かせたようなトロトロの口溶けの良さがあります。

新烏賊♡
私的にこれぞ夏の楽しみである新烏賊。サクッと歯切れの良さはそのままに、最後はとろけるよう。

新烏賊の下足♡
下足まで出していただけるとは嬉しい。しかも煮つめというどストライクな好みの仕立て。柔らかく、仄かな食感があって美味しい。

新いくら♡
皮も柔らかく、口の中でプチプチと弾ける美味しさ。フレッシュな味わいで、旨味がジュースのように溢れてきます。

縞鯵♡
トロリととろけるような口溶けで、強い旨味がシャリの酸味・塩味でより押し上げられているかのよう。

鯵♡
肉厚で爽やかな旨味が駆け走るようで、口の中での存在感が素晴らしい。

霜降り♡
宮城県塩竈産。口溶けの良さは今夜で1番。食べ終えた後に感じる甘味とほんのりとした酸味が心地よい。

車海老♡
一縷のブレもない車海老は大きさ、温度、甘味、香り全てがパーフェクトな味わい。

赤雲丹♡♡
北九州の藍島産。強烈な甘味の後に苦味や酸味が広がり、濃縮したような旨味があります。

穴子♡
ふわりととろけて舌に絡みつくような穴子は香りもあり、実に美味しい。

蜆汁♡
素晴らしい濃度。願わくば、家に常備しておきたい。

小鰭♡♡
間に芝海老のおぼろを入れたクラシックな仕立て。ガツンとくる小鰭の旨味、その後に芝海老のおぼろの甘味、そしてシャリの酸味が広がります。

北紫雲丹♡
北海道焼尻島産。北紫雲丹は甘味もありますが、やはり香りが強く、後味もあっさりとしています。

塩水雲丹♡
愛媛県産の塩水雲丹。甘味や香りよりも複雑な苦味が魅力的。

煮蛤♡
柔らかく、噛めば噛むほどに旨味が溢れてきて、こんな味わいのガムがあればいいのに…と思ってしまうほどに美味しい。

玉♡
今夜のは握れるそうなので、また握っていただきました。シャリの酸味と塩味で際立つ玉の甘味が素晴らしい。

新富町にある「鮨 はしもと」に再訪。店主の橋本 裕幸さんは物腰柔らかく、それでいて揺るがない芯を感じさせる私の好きな職人さんの1人。(茶碗蒸しは個性的ですが)肴は王道を絵に描いたようで、握りはシャリの大きな男鮨。そして、どの鮨も口の中で感じる魚の主役感が素晴らしい。
特に今夜は新子・新烏賊・新いくらの出逢いが夏を感じさせ、橋本親方の名刺代わりの一貫である小鰭も同時にいただけたのが嬉しかったです。毎度、コース外で供されていない種を全て食べようと思っているのですが、いつも想像以上に多くあって断念してしまいます。次回こそは全ての種を食べ尽くしてみたいです。

橋本親方、いつもありがとうございます！また宜しくお願いします！

2022.5.
口に入れた瞬間に感じる魚の存在感／「鮨はしもと」

蚕豆
初夏の味わい。

真子鰈 & 鶏魚♡
ガラスのように美しい真子鰈はモチモチとした食感で咀嚼の度に旨味が溢れ、特に皮目を炭火で炙って大きく切り付けた鶏魚は香ばしさと滴るような旨味が美味しい。

鰹♡
藁で燻した後、仕上げに皮目を炭火で炙ってザクっと切り付けた鰹は、うるいと新玉ねぎの赤酢ソースでいただきます。酸味のあるシャクシャクとしたソースの中で、鰹のモチモチ感が映え、酸味で旨味の輪郭がハッキリとします。

蛤の茶碗蒸し♡
いつも一捻りしてくる「鮨はしもと」の今回の茶碗蒸しは蛤。上から蛤の出汁と豆乳を合わせたソースをかけており、まるでクラムチャウダーのような蛤の味わいが濃厚です。

蛍烏賊ご飯♡
毎年恒例の蛍烏賊を細かく刻んで、シャリと混ぜて合わせて供する蛍烏賊ご飯。しかし今年は蛍烏賊が小さい中でより濃厚にしたいということから、刻む前に炭火で炙るというひと手間が加わっていました。炭火で炙ることで水分を飛ばし、更には香ばしさもつけられており、実に美味しい。

〆鯖巻き♡♡
〆鯖を沢庵・芽葱・ガリ・胡麻と共に海苔で巻いたもの。ポイントはこの沢庵の甘味。非常に美味しい。

肴三品♡
今回は鮟肝・蛍烏賊味噌漬け・真加治木生ハム。お酒がすすんでしまい、魔性の肴盛り合わせです。

赤むつの焼き物
赤むつ=喉黒ですが、ここでも炭火の力が映えます。口に入れると、すぐに液体に変わるような口溶け。

小鰭♡♡
橋本親方の名詞代わりの一貫で、今回は中に芝海老のおぼろを入れるクラシックなスタイル。シャリの塩味と小鰭の酸味の中で、このおぼろの甘味がバシッと2つをつなぎ合わせるようで、実に美味しい。

春子鯛♡
昆布〆で程よく脱水されて旨味が凝縮した春子鯛は仕上げの塩と酢橘で、とても爽やかな一貫になっています。

海松貝♡
先程の春子鯛の酸味の後に、より甘味を感じさせるこの海松貝という流れも素晴らしい。ザクザクとした小気味よい食感で、香りと甘味が華やぎます。

赤身♡
今回は宮城県塩竈産で、背中の尻尾に近い部位だそう。口に入れた瞬間に立ち上る香りと酸味が素晴らしい。

中トロ♡
ガツンとくるシャリの酸味、それを追いかける中トロの旨味が口の中を駆け巡ります。

真鯛♡
そして、ここで白身を供してくる橋本親方。モチっとした中で旨味が凄い。濃厚でありながらも、切れ味のある感じ。

大トロ♡
意外にもあっさりとしながらも旨味が濃厚で濃密。あまり出逢えない感じの大トロ。美味しい。

鯵♡
口に入れた時に感じる鯵の存在感が素晴らしく、濃厚でありながらも爽やかな香りがあります。

鱒♡
皮目に藁の薫香を付けており、濃厚な味わいの中で香りが鼻から抜けます。

車海老♡
綺麗なだんだら模様が浮かぶ車海老は、いつもながらにブレのない美味しさ。

金目鯛♡
暖かいシャリと種の濃厚さが実によく合い、辛子の風味も心地よい。

北紫雲丹♡
青森県産。甘味よりも香りの方が印象的で、海苔と雲丹の2つの香りが口の中いっぱいに広がります。

穴子♡
舌に絡みつくような口溶けに旨味の濃厚さが実に美味しい。

蜆汁
濃度も塩気も絶妙で身体に沁み込む味わい。

玉♡
きっちりと握れる玉は実に貴重な存在で、シャリの塩味と酸味がより玉の甘味を引き出していて美味しい。

子持ち槍烏賊(追加)♡♡
初めての種。干瓢とガリを刻んで間に入れて握っており、烏賊の印籠詰めをイメージした一貫だそう。トロリととろける卵に、確りとした煮物の味わい。美味しい！

煮蛤(追加)♡
最後も煮物系の一貫。色合いはライトですが、味わいは確りとしており、シャリにつけた柚子の香りがふわりとします。

トロたく巻(追加)♡
やはりここでも光るのは、濃厚な鮪の旨味の中にある沢庵の甘塩っぱさ。

久しぶりの新富町にある「鮨 はしもと」。店主の橋本 裕幸さんが握る鮨は、いつもながらに一片のブレもない確固たる美味しさがあります。口に入れた時に感じる種の厚みや大きさが魚の存在感を感じさせ、大きなシャリの男鮨は「鮨を食べてる！」という実感が湧く力強さがあります。近々、旧店舗も屋号を変えて始動するらしく、福岡で握る野口和暉さんの「枯淡」同様に人気になること間違いなし。肴でお酒を飲みたい方、ガッツリと鮨を食べたい方のどちらでもオススメな鮨店です。

2021.12.

艶やかな所作から生まれる男鮨

カウンター越しに相対するバーや鮨店などの場合、私はバーテンダーや鮨職人の所作を見ているのが好きです。個性的な所作もいいですが、やはり優雅な所作はついつい見惚れてしまいます。
今回、再訪した新富町にある「鮨はしもと」の店主・橋本 裕幸さんの鮨は種もシャリも存在感のある男前な感じですが、握る姿はとても艶やかで優雅。今回もそんな橋本親方の所作を見ながら、楽しませていただきます。

今回の献立

海老芋
ねっとりとした口当たりの中で甘味が映えます。

鮃と帆立♡
鮃は極上のモッチモチ加減で、甘味が咀嚼の度に引き出されてきます。北海道野付産の帆立は繊維に対して噛む歯の角度によって変わる強靭な筋肉のような食感があり、口の中に広がる甘味が素晴らしい。

迷い鰹♡
富山県氷見産。舌に張り付くような食感があり、鼻から抜ける薫香と爽やかな旨味が美味しい。

白子の茶碗蒸し♡
いつも楽しみにしている「鮨はしもと」の茶碗蒸し。今回は白子。卵のコクと白子の甘味が上にかけられたポン酢の酸味でより際立つかのよう。

セイコ蟹の小丼♡♡
セイコ蟹の身と内子と外子を少量のシャリと混ぜ合わせて、上からいくらをかけた小丼。プチプチと弾ける外子といくらの食感、固めに炊かれたシャリの食感が合わさり、この時期ならではの極上の肴。

蛸の桜煮♡
やはり鮨店の蛸は侮れない。蛸は確かに柔らかい。しかしながら咀嚼できる固さもあり、噛む度に旨味が迸ります。

〆鯖巻♡♡
〆鯖を大葉・ガリ・浅葱・胡麻・沢庵と共に海苔で巻いた名物の肴。「日本橋蛎殻町すぎた」でも同様の肴がありますが、「鮨はしもと」の決め手は沢庵。この沢庵の食感と甘味が私は好きです。

肴3品盛り♡
今回は真加治木の生ハム・牡蠣の味噌漬け・鮟肝。いつもながらにお酒がすすむ珍味の盛り合わせ。塩辛いのではなく、ほんのりとした甘味がお酒を呼びます。

穴子の白焼き♡
向かって左側にある炭場で焼かれた穴子の白焼きは、香りから既にご馳走。たっぷりと山葵をつけても負けない穴子の確りとした旨味が素晴らしい。

小鰭♡♡
初手は変わらずに小鰭。ガツンとくる酸味、そしてそれを追いかけるような小鰭の旨味と甘味が素晴らしい。見た目と同様に美しい味わい。

春子鯛
ふんわりと昆布の味わいを感じ、シャリの酸味と仕上げに搾った酢橘の酸味の2種が爽やかに駆け抜けます。

黄肌鮪♡
新潟県佐渡産15キロという珍しい種。味わいを重ねるように30秒ほど出汁醤油に漬けてから握られます。舌に吸い付くような舌触りで、さらりとした旨味があり、何貫でも食べられそう。

赤身♡
青森県大間産。口に入れた瞬間と食べ終えてからも続く香りが秀逸で、酸味が心地よい。

真羽太♡
千葉県鴨川産。モチモチとした食感を楽しんでいると、真羽太の甘味が溢れてきてシャリと混ざり合い、更に際立つ甘味が美味しい。

間八♡
10日ほど寝かせたという間八はねっとりと舌に絡みつくようで、旨味の塊のバターみたいな感じ。

海松貝♡
愛知県師崎産。小気味よいザクザクとした食感よりも溢れ出る甘味の方がより素晴らしい。

中トロ♡
別の魚体の青森県大間産。かなり寝かせているようで、全く筋などは当たらなく酸味を感じながらとろけます。

大トロ♡
カマトロの隣の霜降りの部位。まるで濃密な液体のようで、シャリの酸味で甘味がより華やぎます。

鰆
薫香が鼻を擽り、トロリととろけて瞬でシャリと混ざり合います。鰆らしいふんわりとした甘味もあり、旨味も強い。

車海老♡
香り・甘味・温度・大きさなど全てがパーフェクトな車海老。いつもながらにブレがない仕上がり。

馬糞雲丹♡
香り立ちながら海苔と同時にとろけて、濃密な甘味が脳を揺らすよう。

穴子♡
シャリの一粒一粒にとろける穴子の旨味と甘味が絡むような感じで、実に至福。

蜆汁
濃度も味わいもまさに丁度良い。水筒に入れて、常備したい。

〆鯖(追加)♡
あるならば、絶対に食べたい種の〆鯖。口の温度でとろける鯖は濃密な旨味と官能的な甘味があり、青魚の香りもふわりとして美味。

赤貝(追加)♡
ヒモの部位も一緒に握っているので、香り高くてザクザクとした食感もいい。

金目鯛(追加)♡
皮目を炙ることで、皮と身の間にある旨味と甘味が確りとしており、山葵と辛子を両方使うことで香りとキレもいい。

玉♡
私が通わせていただいてる鮨店の中で数少ない握れる玉の1つ。シャリの塩味と酸味で甘味が際立ちますが、中におぼろを入れることで更なる甘味のコクが生まれています。

久しぶりの「鮨はしもと」でしたが、物腰柔らかな橋本親方の雰囲気と気概ある姿勢は相変わらずに素晴らしく、供される料理は実直であり美味しい。優雅な所作から生まれる鮨は固めに炊かれたシャリが口の中ではらりと飛散し、それをくるりと被うような種の存在感があって、見た目・味わいと共に美しい。いつ訪れても、約束された口福がある鮨店です。

橋本親方、今年もありがとうございました。来年もまた宜しくお願い致します。


今夜出逢ったお酒

雨後の月 元平

ゆきの美人 純米吟醸 愛山6号酵母

加茂錦 荷札酒 純米大吟醸 亀の尾

2021.4.

春の鮨を味わいにやってきたのは、新富町にある「鮨 はしもと」。通わせていただいている鮨店の中で日曜日も昼から営業してらっしゃり、土日しか動けない私にとっては貴重なお店です。店主は緩やかな雰囲気を持ちつつも、芯の強さを感じさせる橋本 裕幸さん。鮨の味わいだけでなく、「親方に会いたい！」「女将さんもあの雰囲気がいい」と私の周りには親方と女将さんのファンも多く、人物としても人を惹きつける魅力を持った方です。今回は昼鮨。最高の時間を過ごさせていただきます。

今回の献立

そら豆
ホクホクとした甘味のある空豆は初夏の訪れを感じさせてくれます。

真蛸♡
皮はとろけるようで、身はシコシコと旨味が溢れます。鮨店の蛸はやはり好き。供されるだけで気分があがりますね。

鳥貝♡
京都府室津産の天然もの。数が少ないそうで、なかなか欲しい数が手に入らないそう。それをあえて切らずに大きいままで頬張るという仕立て。ザグっとした食感の後にワタの甘味、そして香りが立ちます。素晴らしい鳥貝でした。

海松貝
他の方には青柳でしたが、握りで食べたいことを伝えてあったので代わりに供されたのは海松貝です。小気味良い食感に溢れる甘味と香り、やはり貝は素晴らしい。

蛤の茶碗蒸し
蛤と豆乳でクラムチャウダーのような感じで作って、中に百合根と菜の花を入れた茶碗蒸し。橋本さんの茶碗蒸しはいつも一捻りしてあって、今回は何だろうと楽しみな一品です。今回もひと匙掬うと蛤の香りがぶわっと広がり、実に美味しい。

蛍烏賊ご飯♡
細かく刻んだ蛍烏賊をシャリと混ぜ込んだこの時期ならでは逸品。濃厚な味わいと香ばしさが素晴らしい。

桜鱒♡
炭火で皮目だけを炙ってから分厚く切りつけて。新玉葱とウルイを入れた醤油と赤酢タレで。甘味と酸味のあるタレの味わいが先に来ますが、後から桜鱒の旨味がグッと押し寄せて、余韻も長く続きます。

〆鯖巻き♡
〆鯖を大葉・ガリ・浅葱・胡麻・沢庵と共に海苔で巻いた名物の肴。たっぷりの山葵で負けない〆鯖の旨味が沢庵のアクセントで更に映えます。沢庵、いい仕事してます。

肴♡
「鮨はしもと」の酒盗な肴3種。今回は鮟肝・蛍烏賊の味噌漬け・真加治木の生ハム。どれも実に美味しい♡

赤むつの塩焼き
炭火で焼かれていたのは、赤むつ。トロリととろける身は甘味もあり、美味しい。

小鰭♡
優しくシャリが飛散して、酢の酸が立ち、小鰭の旨味が広がります。今回も素晴らしい味わい。

墨烏賊
肉厚でもサクサクとした食感が楽しめ、酢橘の酸味でより墨烏賊の甘味がハッキリとします。

春子鯛♡
酢橘がふわりとして、フワフワとした食感の後に昆布の旨味と春子鯛の甘味が走ります。

赤身♡
静岡県下田産。薄く切りつけて折り畳んで握るスタイル。口に入れると酸が立ち、その後に香りがぶわっと広がります。素晴らしい鮪です。

中トロ♡
千葉県勝浦産。濃厚な旨味が舌に絡みつくようで、余韻も長く続きます。

青柳♡
事前にリクエストしていた握り。シャリとの間に海苔を挟んで握る仕立て。花のような香りと海苔の香りが混在となって鼻から抜けます。なかなか見る機会がないですが、この時期は是非とも食べたい江戸前の華です。

鶏魚♡
シャリの塩味で一気に鶏魚の甘味が際立ち、旨味も溢れます。夏を告げる魚の鶏魚も実に美味しくなってきました。

鯵♡
青魚の香りが華やぎ、脂は控えめで旨味が強く、口のなかでの存在感が素晴らしい。

大トロ
冷凍してた10月の静岡県下田産。冷凍といえど侮り難し。口当たりはちょい筋張る感じですが、濃厚な旨味が広がります。

車海老♡
相変わらずにブレのない完璧な仕上がりの車海老。美味しい。

金目鯛♡
軽く皮目を炙ってあるので、脂が蘇ったかのよう。口にすると、ふわりとした食感に金目鯛の甘い脂が迸ります。　

〆鯖(追加)♡
あれば絶対に食べたい種です。鮪をも凌駕するような濃密な旨味が口いっぱいに広がり、香りが立ち込めます。

紫海胆♡
色がやや綺麗ですが、青森県の大千のもの。口溶けも素晴らしいですが、香りが別格です。

穴子♡
フカフカの布団のような穴子は、煮ツメで。いつもながらに間違いのない味わい。

蜆汁
まさにいい塩梅の濃度と味わい。

玉♡
少なくなってきましたが、握れる玉のお店は握っていただいています。シャリの塩味が玉の甘味の輪郭をはっきりとさせ、実に美味しい。

いつ訪れても満足感が高めの鮨店ですが、特に今回は貝類をはじめとして好きな種が多かったので、私的に最高の昼鮨となりました。歩いて数分の所にある旧店舗も稼働予定だそうで、橋本親方の手腕が試される年になりそうです。機会があれば、私も久しぶりに旧店舗でも食べてみたいです。

橋本親方、女将さん。今回もありがとうございました！またどうぞ宜しくお願いします。37900

今回出逢ったお酒

羽根屋 純米吟醸 煌火

黒龍 純吟 三十八号

あべ 一本〆 純米吟醸 おりがらみ

みむろ杉 特別純米辛口 露葉風

加茂錦・荷札酒 備前雄町 純米大吟醸 槽場汲み 無濾過原酒

2020.12.

親方と鮨の存在感

激動の年となった2020年の鮨納めも近づいていく中で、まずやってきたのは新富町にある「鮨 はしもと」です。新店舗に移ってから一年とちょっと、明らかに店主の橋本 裕幸さんの親方としての貫禄と鮨の美味しさのレベルアップがひしひしと感じられる鮨店です。今夜も親方の目の前に座らせていただき、楽しみます。

今夜の献立

甘鯛と鯛の出汁
まずは出汁でお腹を温めます。濃度は丁度良く、旨味も強い。でも私的には塩味が強いかな。

天然帆立 ＆ ヤイトガツオ♡
北海道野付産のジャンボ帆立は非常に食べ応えもあり、ザクザクとした食感の中で甘味が映えます。ヤイトガツオは脂も確りとしており、酸味もないので塩でも美味しい。

墨烏賊の皮剥肝和え♡
角切りにした墨烏賊をシャリと共に皮剥の肝で和えたもの。濃厚な肝の旨味にねっとりサクサクな墨烏賊が実に良く合い、シャリの酸味で味わいの輪郭が確りとします。

白子の茶碗蒸し♡
前回もいただいた茶碗蒸し。美味しいものは何度でも食べたい！クリーミーな白子に卵のコクがよく合い、仄かな酸味のポン酢がより甘味を引き出しています。

せいこ蟹♡
コレも前回いただいた小丼。せいこ蟹だけでなく、シャリと生いくらも入っており、甘味だけてなく酸味も合わさることで素晴らしい味わいになっています。

〆鯖巻き♡
実に美味しい！〆鯖を芽葱・沢庵・胡麻などと共に海苔で巻き、たっぷりの山葵でいただきます。

肴三種
鮟肝・牡蠣の味噌漬け・筋子の味噌漬け。甘味のある味わいがお酒を呼びます。私にとってはお酒よりもご飯かなー。

赤むつの焼物
まるで液体のようなトゥルトゥル感。定番な焼物なれど、炭の香りを纏うことでより美味しい。

小鰭♡
肉厚で口の中での存在感が素晴らしい小鰭。爽やかな酸味と旨味が駆け抜け、グッとくる旨味が後に残ります。

真鯛♡
3.5キロの兵庫県明石産の真鯛を5日間寝かせたもの。口に入れた瞬間に旨味がガツンときて、余韻も実に長い。

鰤
山葵の他に辛子も忍ばせた石川県能登産の鰤。上品で綺麗な味わい。

背トロ♡
千葉県銚子産の背びれ下のトロ。変色していたので、かなり熟成ものなのかと思ったら4日前のものだそう。巻網や引縄だとこんな感じになってしまうらしいですが、味わいも濃くて香りも素晴らしい。

赤貝
中国産ということですが、侮れない美味しさ。香りは強烈でもないですか、味わいが濃い。ヒモと一緒に握る仕立ても好み。

白甘鯛♡
珍しい赤みを帯びた鹿児島県出水産の白甘鯛。咀嚼した瞬間から旨味が溢れて、食べ終えても尚、残る香りが愛しい。

中トロ♡
先程と同じ魚体。旨味のアタックが素晴らしく香りも強くて、実に美味しい。

大トロ♡
青森県三厩産。まるで濃厚な旨味の液体！瞬間にとろけるのではなく、舌の上で留まるようにとけます。

鰆
皮目を藁で燻した鰆はとろける、とろける。

車海老
いつもながらにブレのない車海老は鮮やかなだんだら模様が浮かび、たっぷりと残された味噌が更に旨味を累乗させます。

馬糞海胆
北海道落石産。瞬時にとける海苔の中で激烈な甘味があり、仄かに酸味も感じられます。

穴子♡
「飲み物になりますよ」との橋本親方の言葉通りに、舌に絡みつくように口に入れたら飲み物になりましたww

帆立(追加)♡
肴でいただいた帆立を握りで。切るのではなく、包丁で繊維を潰すようにしてから握られます。そうすることで食感が劇的に変わり、シャリの酸味で際立った帆立の甘味が映えます。

〆鯖(追加)♡
鮪をも凌駕するような脂と旨味、そして香り。毎度毎度、侮れない鮨種です。

煮蛤(追加)
ライトな色合いながらも、旨味は抜群。咀嚼の度に溢れる旨味と香りが美味しい。

玉♡
今回は確りと握っていただきました。中におぼろを忍ばせ、シャリの酸味で際立った2種の甘味が実に美味しい。

今夜も口に入れた瞬間に感じるシャリの酸味によって存在感が増した鮨が最高でした。そして、緩やかな雰囲気の中で感じる橋本親方の安定感が実に心地よく、素晴らしい時間を過ごすことができました。

橋本親方、スタッフの方々。いつもありがとうございます。また2021年も宜しくお願いします。31000

2020.11.

物腰の柔らかに供される雄弁な握り

銀座からほんの少しだけ離れるだけで、こんなにも閑静になる新富町にお店を構える「鮨はしもと」へ再訪。元々、物腰の柔らかくてふんわりとした雰囲気を醸し出しておられましたが、最近は親方としての貫禄もグッと感じられる橋本 裕幸さんの鮨店です。今回も存分に堪能させていただきましょう。

本日の献立

海老芋
ホクホクとして、ねっとりと。

皮剥
肝醤油で。肝の臭みをグッと抑えた肝醤油が濃厚でしかなく、旨味が強烈。

九絵♡
素晴らしい旨味と甘味。塩と醤油の好きな方で食べられますが、塩の方がより甘味を感じられて○

鰹♡
長崎県壱岐産。塩も勧められたので食べてみると、酸味が少ない分、塩でも十分に甘味と旨味を引き出されて実に美味しい♡

墨烏賊
先程の肝醤油を使って。サクサク食感に肝醤油の旨味が合わさり、実に美味しい。もっと肝醤油を残しておけば良かったーっ！

白子の茶碗蒸し♡
卵の優しいコクと白子の濃厚な甘味が温かいポン酢の仄かな酸味でより際立ち、実に素晴らしい。

香箱蟹といくら♡
シャリも入っていますが、ほぼ蟹という小丼。プチプチとした香箱蟹にいくらの濃厚な旨味が加わり、倍加累乗する旨味の爆弾のよう。

〆鯖巻♡
〆た青森県産の鯖をガリ・沢庵・芽ネギと共に海苔で巻いたもの。鯖はまだまだと仰いますが、それでも十分に素晴らしい。沢庵の甘味がこの〆鯖巻に絶妙なアクセントを与えており、美味しい♡

肴3種♡
鮟肝・蝦蛄・牡蠣の味噌漬け。全てが甲乙付け難い味わい。全体的に甘めの味付けなので、ご飯よりもお酒が飲みたくなります。

赤むつの焼物
定番なものではありますが、やはり炭の力は偉大です。

小鰭♡
素晴らしい。口に入れると酸が駆け抜けて、シャリがふわっと飛散して、小鰭の旨味が迸ります。

春子鯛
口に入れた瞬間の魚の存在感が素晴らしい。瑞々しく、爽やかな酢橘の酸味の中で旨味が溢れてきます。

真鯛♡
兵庫県淡路産。繊細な旨味ではなく、実に濃厚な旨味と甘味。魚の王者と言われるのも頷ける一貫。

赤身
青森県大間産の197キロ。舌に吸い付くようなビロードな舌触りで、食べ終えて鼻から抜ける香りが愛しい。

中トロ♡
同じ魚体。舌の上で香りも奏でながらゆっくりととろけていき、濃厚な旨味が華やぎます。

秋刀魚♡
前回ははしりの時期にいただきましたが、今回のは香りはやや弱いながらも、やはりこの時期の方が味わいは濃厚。

煮蛤
煮つめは少量で、蛤本来の旨味を存分に味わうことができます。咀嚼する度に溢れる旨味に溺れそう。

鰆
身は口に入れた瞬間に崩れるほどに柔らかく、薫香と甘味が渾然となって口の中を支配します。

大トロ
口いっぱいの幸せが広がるよう。シャリの温度もちょい高めで、大トロとバッチリと合います。

車海老
変わらずに一分のブレもない完璧な味わい。温い中に香りと甘味と旨味が映えます。

馬糞海胆
北海道浜中産。香りも立ち込めて、甘味も濃密。

穴子♡
ふわりととろけて、舌に絡みつくようで甘味と旨味が素晴らしい。

蜆汁
濃度も塩味も絶妙。

北寄貝(追加)♡
ワタもびっしりとついており、それが舌にダイレクトに当たるように握られているので、感じる甘味が素晴らしい。

海松貝(追加)♡
先程の北寄貝に比べると、多少なり甘味は劣る分、極上のザクザク食感が味わえて香りが立ち込めます。

鰤
なんとも美しい鰤。旨味も見た目同様に綺麗な味わい。

玉
いつも握っていただいてましたが、今回は少し玉が柔らかいそうで握ることができないらしい。残念…。

聞けば何でも答えて下さいますが、基本的に供される一貫に余計な説明はありません。しかしながら、口にするとその一貫は圧倒的な存在感を示してくれます。鮨としての味わいは勿論ですが、橋本親方の人柄と鮨職人としてのスタンスがまたここに来たいと思う大きな要因であることは間違いありません。今回もDNAを刺激するような王道の鮨、実に美味しかったです。

橋本親方、スタッフの皆様。今回もご馳走さまでした！次回も楽しみにしています。

今夜出逢ったお酒

加茂錦 荷札酒 美山錦 純米大吟醸

津島屋 外伝 四十四才の春 純米大吟醸

澤屋まつもと 守破離 Ultra

2020.8.

柔らかな雰囲気に親方の貫禄

そんなふうに感じるのは、新富町にある「鮨 はしもと」の店主である橋本 裕幸さん。旧店舗から通わせていただいていますが、銀座寄りの新店舗になって1年となりました。最早、東京を代表する鮨職人のお一人ですが、人当たりの良さと柔らかな雰囲気はずっと変わらない素晴らしい職人さんです。

今回の献立

茶豆
このくらい量が私にはちょうどいい。

星鰈 & 海松貝
食感と甘味のコントラストが楽しめます。小気味良い歯応えの中で、溢れ出る甘味の饗宴。

鰤♡
北海道産羅臼産の初物の鰤。どちらも腹の部位ですが、鮪に例えると中トロと大トロだそう。どちらも漬けにしていますが、右の中トロ的な部位は湯霜で、左は炙ってから漬けにしています。まだ冬の時期のような濃厚さはないですが、旨味があって実に美味しい。

海胆と海苔の茶碗蒸し♡
上に馬糞海胆と軽く味をつけた海苔、底には塩のみで味付けたトウモロコシが入っており、卵のコクの中で海胆・トウモロコシ・海苔の甘味が広がり、海苔の香りのアクセントがいい。茶碗蒸しはいつも個性的で美味しい。

蒸し鮑♡
香りもあり、噛み締める度に旨味もドッパーンと溢れる鮑。肉厚なので、元々はかなりの大きさだったはず。

泥障烏賊
賽の目に切った泥障烏賊に蒸し鮑の肝ソースをかけたもの。この肝ソースも甘めの中で、泥障烏賊の甘味と混ざり合い、シャリの酸味で際立たせるという計算された逸品。

鰯巻き♡
鰯を沢庵・ガリ・芽葱と共に海苔で巻いたもの。この沢庵がいい仕事をしており、この甘味のアクセントが素晴らしく響きます。

肴三種
筋子の味噌漬け・鮎のペースト・白海老の唐墨和え。どれもお酒がすすみますが、特に岐阜県長良川産の鮎を骨もワタも丸ごと使ったペーストが実に美味しい。

新烏賊の下足
儚い。けれども、美味しい。

赤むつの焼物
定番の魚ではありますが、炭を使って焼き上げるので他店とは違った味わいがあります。

小鰭♡♡
熊本県天草産。珍しい鮗サイズに近い大きなサイズのもの。なので、あまり見られない格子状に包丁を入れています。いつも以上に素晴らしい味わい。肉厚且つジューシーで旨味も凄い。

新烏賊
ねっとりでもなく、サクサク食感でもない。この時期だけの儚い食感。

北寄貝♡
ビッシリとワタもついており、甘味が秀逸。

赤身♡
青森県三厩産の釣り。口の中に入れた瞬間に感じるその存在感。そして、香りが素晴らしい。

中トロ
宮城県塩釜産の巻網。アタックの強い脂ですが、濃厚でもなく爽やかな感じ。

春子鯛
昆布〆された春子鯛は、ジューシーでとろけるよう。最後にふわりと昆布の香りが舞うように香ります。

鯵♡
千葉県産。存在感のある肉厚で、脂も爽やかで美味しい。

中トロ♡♡
先程の赤身と同じ青森県三厩産。身がとろけるように柔らかく酸味もあり、シャリともとてもよく合います。

青箭魚
鰆の小さいもの。皮目を藁で炙っているので、薫香が鼻から抜けて身はとろけるよう。

車海老♡
変わらずにブレのない美味しさ。完全に火が通るギリギリの仕上がりで、香りも甘味もあって美味しい。

赤海胆
長崎県壱岐産。濃厚ですが、その中にただ甘いだけなくて苦味もあって、複雑な味わい。

穴子♡
もう香りから美味しい。ホクホクとしてとろりととろけるのは、穴子好きにはたまらないはず。

秋刀魚
今年の秋刀魚はどうかしら？と言う話をしたら、「実は今、あります」とのことで追加。この時期の初物なので脂のりはまだまだですが、香りは確りと楽しめました。

北紫海胆(追加)
利尻産で、有名な「はだて水産」のもの。やはり赤海胆の後だと旨味は霞みますが、あるならば食べ比べておきたい。

穴椎巻き(追加)
橋本親方も巻くのが初という組み合わせ。どちらも味わいの濃い食材で、親方的にはここに胡瓜を入れたいという気持ちを抑えて巻いていただきました。胡瓜がないので、ふわりとした食感の中で穴子の香りが鼻から抜けます。個人的には椎茸がもっと主張してもいいかも。

玉♡
定番化した握りの玉。シャリの酸味で玉の甘味が際立ち、実に美味しい。

いつも訪れても何をいただいても美味しく、全てが安定した素晴らしい鮨店です。鮨は勿論ですが、「親方と女将さんに会いたい！」という人柄に惹かれる方も私の周りには多いです。これから稼働するであろう旧店舗も含めて、これから楽しみでなりません。

橋本親方、スタッフの方々。今回もご馳走さまでした！次回の冬も宜しくお願いします。34500

今夜出逢えたお酒

森嶋 ひたち錦 辛口 純米吟醸

十四代 超特撰 純米大吟醸 播州山田錦

2020.6.

前回いただいた『ばらちらし』とは違い、上にある生の海鮮とシャリを別々にした『ばらちらし・オルタ』があると先日の訪問時に知って、早速お願いした新富町にある「鮨はしもと」。

今回の『ばらちらし』は折が2つになっています。生ものが入った小さな折には、鮪・トロ・鱒の介・小鰭・春子鯛・子持ち昆布・蛍烏賊味噌漬け・いくら・墨烏賊・鮃・沢庵が煌びやかに彩ります。

そして、ズシッとする大きなシャリの折は、一面ピンク色の海老おぼろで覆われており、小鰭・穴子・煮蛸・煮椎茸・玉・胡瓜が箸を進める度にザクザクと出てくるようなクラシックなもの。どストライクな好みの味わいで、実に美味しい♡
このばらちらしの良いところは、とても自由に食べることができます。生ものはそのままお酒の肴として食べてもいいし、シャリにドバッとかけてもいい。クラシックタイプと海鮮タイプ、両方とも食べたいという欲望を叶える1つの答えですね。

親方、女将さん。今回はありがとうございました。確かにスプーンの方が食べやすかったですw7700

2020.5.

春風駘蕩

緊急事態宣言状態なので、営業はどうなるのか心配していましたが、解除と共に席数を減らして営業し始めた新富町にある「鮨 はしもと」へ再訪。営業自粛中に販売していた『ばらちらし』も大好評なようで、このまま通常営業と並行して継続を願う方もきっと多いはず。
店主の橋本 裕幸さんの醸し出す雰囲気は穏やかでゆったりとしており、握る鮨もギラついた感じはありません。しかしながら、いつ行ってもブレのない確りとした芯のある鮨をいただけます。

今回の献立

真子鰈
宮城県気仙沼産。モチモチとした食感を楽しんでいると溢れる甘味は塩で際立たせても良し、醤油の香りをのせても良し。

鳥貝
石川県七尾産。ワタはない分、肉厚な鳥貝。香りは確りとあり、磯の香りがフワッとします。

蝦蛄♡
温かい雄の蝦蛄。温かいので、香りが非常に立っていて美味しい。

鰹♡
モチモチ食感の中、薫香が鼻を擽り、繊細な旨味が駆け抜けていきます。

蛍烏賊♡
いつもの刻んだ蛍烏賊にシャリを混ぜ込んだもの。今回はその中に刻んだセロリも入れてあり、その香りと食感が実に新しい。

毛蟹の茶碗蒸し♡
上に少量のブルーチーズを入れてあり、毛蟹と卵で甘くなりがちな茶碗蒸しに良いアクセントを与えてます。

〆鯖巻き♡
見た時から絶対に美味しいと思っていた〆鯖は、沢庵などと共に巻物に。想像通りに素晴らしい味わい！

肴三種
今回は蛍烏賊の味噌漬け・鮟肝・白海老の唐墨和え。

メヒカリ♡
非常に大きなメヒカリなので、脂ノリも素晴らしくて美味しい。軽い食感でありながらも、ジューシー。何匹でも食べれそう。

小鰭♡
柔らかい〆方なれど、旨味が素晴らしい。後味に残る小鰭の甘味すらも愛おしい。

真鯛
塩〆されてモチモチ感の真鯛は咀嚼する度に旨味と甘味が溢れて、シャリの塩気がその甘味を際立たせます。

間八♡
三重県尾鷲産。2週間寝かせた季節外れのもの。舌に吸い付くような舌触りで極濃厚な味わいではないですが、あっさりとしながらも旨味は確りとしています。

赤身
あまり聞き慣れない青森県尻労産。滑らかでしっとりとした舌触りの中、香りが華やぎます。

中トロ♡
同じ魚体。血合いぎしの部位かな？香りもあって口溶けもよく、実に美味しい。

北寄貝♡
北海道網走産。素晴らしいワタの付き方で、このトロリとしたワタが舌に当たるように握られているので、ダイレクトにその甘味を感じられます。

鯵♡
鳥取県境港産。肉厚なので、口の中での存在感が素晴らしい。口に入れた瞬間に感じる甘味が非常に印象的。

大トロ♡
甘味をたたえながら溶けていく様は素晴らしく、シャリの塩気がその甘味を引き出しています。

鱒の介♡
薫香が鼻を抜けていき、口溶けは鮪のようですが、もっとさらりとして美味しい。

車海老
温度は人肌、咀嚼すると甘味も確りとしていて、いつもブレのない美味しさ。

北紫海胆♡
青森県のダイセンのもの。独特の色黒な海胆ですが、甘味と香りがあり、旨味が濃縮したような味わいが広がります。

穴子♡
トロトロな穴子は炙って温めていない分、香りもあって実に好みの味わい。いつも安定した美味しさです。

海松貝(追加)
貝好きとしてはあるならば、絶対に食べたいもの。サックサクの食感の中、引き出される甘味が素晴らしい。

〆鯖(追加)♡
肴でいただいた〆鯖ですが、やはり握りでもいただきたい種です。鮪をも凌駕するような濃厚な脂が実に素晴らしく、スパッとした後味も心地よい。

穴玉巻き(追加)♡
たまには巻物もと思って、即興で注文したら、同じものをよく注文される超常連の方がいらっしゃるらしい。
シャリの塩気で最初は玉の甘味が際立ちますが、最後に穴子の味わいが立ち込めます。

玉♡
定番となった伝統的な鞍懸の玉の握りバージョン。最近は間に海老おぼろを入れるのが常になったようです。やはり玉はシャリと一緒に食べる方が、シャリの塩気で玉の甘味をより感じられて好みです。

蜆汁
細胞に仕込んでいくようなじんわりとした味わい。

今回も実に美味しく、そして寛げるような鮨で胃も心も癒されました。肴ではセロリやブルーチーズなどあまり鮨店では使わないような食材を取り入れていて、更なる進化を感じられました。握りはやはり口の中に入れた瞬間の魚の存在感が素晴らしく、色々な種を柔軟に握ったり巻いたりして下さるので、自分なりの〆を見つけてみたいです。

今回もありがとうございました！旧店舗の稼働も楽しみです。次回は8月？9月？くらいにまた食べせて下さい。32900

今夜出逢ったお酒

自然郷 SEVEN 純米吟醸 中取り

醸し人九平次 human 純米大吟醸

酔鯨 純米酒 中取り

2020.5.

3月の終わりに食べさせていただいた「鮨 はしもと」も現在は休業中。ひっそりと『ばらちらし』のテイクアウトを始めていたそうで、橋本親方にお願いして注文したのは当たり前です。今はネットで注文を取っているようで、お店の予約と同じようにかなりの予約困難さになっています。

ズシっとした8寸折の蓋を開けると、「わー！」と嬉しい歓声が上がります。赤身・トロ・酢〆鯵・真鯛・鰆・墨烏賊・煮蛸・いくら・蛍烏賊・穴子・朧・玉が実に煌びやかで、シャリには干瓢・椎茸・沢庵・胡瓜・海苔が混ぜ込まれていて、上に木の芽が飾っています。穴子と朧と玉の甘味がいいアクセントになっていて、プチっと弾けるいくらのコクが他の具材に混ざりあって、なるほど美味しい。

無事に買うことができて、良かったです。

橋本親方、奥様。
今回はありがとうございました！会計、私の間違いで申し訳ありませんでした。
お身体には十分に気をつけてください。無事に再開して、また食べさせていただける日を楽しみにしています。

2020.3.

ゆったりと流れる
それは親方の人柄そのもの

鮨店のようにカウンター越しに店主とやり取りするお店は味わいを大前提として、お店の方の人柄が私にとっては重要なことです。勿論、その日の客層によって大きく変わる時もありますが、橋本 裕幸さんが店主を務める「鮨 はしもと」は常にゆったりとした時間が流れているように思います。その時間に身を委ねて、供される料理を楽しむことは至福の時間となります。今夜も楽しみましょう。

今夜の献立

空豆
さほど豆類が好きではないので、先付で供されるくらいの量が私にはちょうどいいです。

鮃と平貝
モチモチとサクサクという食感が奏でる二重奏のよう。甘味の引き出し方も素晴らしい。

蛍烏賊ご飯♡
蛍烏賊の時期になると供される定番料理。パンパンに張った蛍烏賊を細かく刻み、花山椒とシャリを混ぜて作られる蛍烏賊ご飯。蛍烏賊独特の香ばしい香りと味わいに花山椒の辛味が爽やかに駆け抜けていきます。

鰹
軽く漬けにされており、モチモチ食感の中に鰹の旨味が凝縮されています。

蛤の茶碗蒸し♡
春らしく上には菜の花があり、旨味の強い蛤の出汁が素晴らしく、いつもの茶碗蒸しの美味しさを底上げしています。

子持ち槍烏賊♡
旬の子持ち槍烏賊はただ柔らかいだけでなく、身のプツンとした歯切れの中に卵のねっとり感があり、食感のコントラストが映えます。

肴三種♡
内容は1ヶ月熟成後に燻製した真梶木・蛍烏賊味噌漬け・甘く焚いた鮟肝。お酒がすすむ肴ですが、個人的には塩辛ものよりも甘味のある肴が好きなので、どストライクな好みです。

赤むつの焼物
今夜は赤むつ。炭火で焼かれることで、炭の香りを纏い、皮目はパリッとしていて身はフワフワ。脂の旨味の濃い。

小鰭♡
皮目も柔らかく、心地よい酸味の後に感じる旨味もバッチリな小鰭。

春子鯛
見た目が素晴らしく美しい。柔らかく、ジューシーな春子鯛もふわりと感じる酸味がいい。

真羽太♡
部位的に背びれの下だそうで、白身ながらも脂の旨味があり、後から追いかけてくるような甘味が実に美味しい。

赤身漬け
今夜の鮪は、鳥取県境港産の112キロのもの。鮪の断面を沿うように大きく切りつけられてから煮切りを塗り、折りたたんで握られる「日本橋蛎殻町すぎた」を彷彿とさせる仕立て。鮪の旨味も濃く、喉を過ぎて鼻から抜ける香りがいい。

中トロ♡
同じ魚体で、脂で誤魔化してない濃厚な旨味が素晴らしい。食べ終えた後に確りと香りも楽しめます。

真鯵♡
口に入れた瞬間に感じる身の厚みや旨味などの存在感が特に素晴らしい。

大トロ♡
魚体が変わって、京都府舞鶴産37キロの定着。とても37キロとは思えないほどの脂で誤魔化していない濃厚な旨味がグッときます。香りは弱いですが、喉の奥でも感じられる旨味がとても印象的。

北寄貝
表面にワタもビッシリとついていて、甘味と香りも感じられる見た目も美しい北寄貝。

鱒の介♡
薫香を感じながら感じる身のとろけ方が尋常じゃなく、その中でシャリの食感が映えます。

車海老
ちょっとシャリの温度は高めですが、車海老の温度と甘味は素晴らしい。

北紫海胆
今夜は青森県のダイセン。圧倒的な甘味があり、フルーティーな香りが広がります。

穴子
ふわりと香ばしい香りが鼻から抜け、舌に絡みつくような穴子は相変わらずに美味しい。

海松貝
美しい包丁が入れられた海松貝で、ザクザクと小気味よく歯切れて甘味が溢れます。

〆鯖♡
シャリを包み込むような大きな切りつけで、口に入れれば鮪以上の究極の口溶け。まるで液体のようになり、濃厚な脂の旨味が広がります。

金目鯛
皮目をサッと炙ることで皮の下の脂が蘇るようで、金目鯛の旨味がシャリと混ざり合います。

玉♡
定番となっている伝統的な鞍懸けスタイルですが、更にシャリとの間におぼろを入れるようにしたそうで、シャリの塩気で際立つ甘味が秀逸。

今夜も素晴らしい内容でした。物腰柔らかな橋本親方の鮨はどれも確りとした芯の強さを感じられ、親方の代わりに鮨自体が雄弁に語りかけるような感じ。今夜も私の世界に感動をありがとうございました。次回は晩春、今から楽しみです。36200


今夜出逢ったお酒

みむろ杉 Dio Abita

常山 純米吟醸 霞

加茂錦 荷札酒 純米大吟醸 無濾過生原酒 備前雄町

澤屋まつもと 守破離 Ultra 2014

伯楽星 純米吟醸

出雲富士 純米吟醸 超辛口 青ラベル

自然郷 芳醇純米 無濾過原酒

2019.12.

個人的にたまに行くと迷う新富町から、より銀座に近い新富町へと移転し、先日発表されたミシュラン＊に輝き、店先に胡蝶蘭が舞う鮨店「鮨 はしもと」に再訪。旧店舗のＬ字カウンターから一本カウンターになり、新たに調理場には炭場やスチコンなどを導入して、更なる美味を追求してらっしゃるのは橋本 裕幸さん。

穏やかな雰囲気で、握る鮨は凛としている。

親方自身はあまり言葉では語らずに、供される肴や握りで語るのは私の好みの鮨店です。今夜も確りと堪能させていただきます。

本日の献立

鯛と九絵の出汁
薄らと白濁しているので、確りと炊いているのでしょう。旨味が強くて飲み終えると、唇に膜が張る濃度。

鮃
塩〆して２日目。ねっとりとモチモチ感が合わさり、旨味が凝縮した鮃。

鰹♡
佐渡産の迷い鰹。上は辛子、下は山葵をたっぷりとつけていただきます。酸味をあまり感じない鰹らしくない脂の乗ったもので、実に美味しい。

蛸の桜煮
皮はトロトロですが、芯の部位は蛸らしい噛み応えがあり、蛸の旨味がギュッと濃縮した桜煮です。

白子の茶碗蒸し
上にポン酢がかけられていて、軽い酸味のある茶碗蒸し。無垢な白子の旨味と卵のコクがよく合います。

香箱蟹♡
香箱蟹の身と内子と外子を全て混ぜて、少量のシャリを加えたものの上からいくらを乗せた贅沢な逸品。身の甘さといくらのプチプチと弾ける食感、外子の心地よい歯応えがたまらない。

鯖巻き♡
大好きな〆鯖を沢庵とガリと芽葱と共に海苔で巻いたもの。濃厚な〆鯖の旨味に、この沢庵が絶妙な甘味を与えており、実に素晴らしい味わい。

鮟肝＆筋子の味噌漬け
お酒が進む肴の盛り合わせ。今回は2種で、甘く炊いた鮟肝と筋子の味噌漬け。どちらもお酒よりもご飯と食べたい！

穴子の白焼き♡
新店舗の新兵器である炭場を使い、炭の香りを纏わせて、皮目はパリッとして身はジューシーに仕上げています。脂も確りとあり、煮穴子とはまた違う美味しさがあります。

小鰭♡
口に入れるとはらりと崩れるシャリの中で、旨味が溢れる小鰭。いつもながらに美味しい♡

真鯛
淡路島産の真鯛を塩〆して4日目。モチモチした食感の中に旨味と甘味が溢れ出てきます。

北寄貝
ワタが舌に当たるように裏返しして握られる北寄貝は、とろりとした食感の中にワタの甘味が強く感じられます。

赤身
青森県三厩産。天身の部位で、食べ終えた後に鼻から抜ける赤身の香りが素晴らしい。

鰤♡
素晴らしい口溶け。脂の甘味とシャリの酸味の絶妙なマリアージュが最高です。

鯵
サッと酢に潜らせてから握られる鯵は、身が厚く食べ応え抜群。脂もありながら、爽やかさが駆け抜けます。

突先の剥がし♡♡
魚体が変わって、青森県大間産。素晴らしいの一言。香りもあり、筋が全くないのでスルッとした舌触りの中、とろけます。

中トロ♡
香りは先程の突先に比べて劣りますが、口溶けはややこちらの方が上。両方とも切りつけも厚く、口の中での存在感が素晴らしい。

鰆
薫香が鼻を擽り、ほわんとした甘味が溢れてきます。

車海老
大きさ・温度・香りなど完璧です。

煮蛤
色合いはライトですが、旨味がギュッと詰まった味わい。

馬糞海胆♡
やま幸系列の仲卸「希海」で特注している馬糞海胆。甘味も強く、海苔と同時に溶け合う様が素晴らしい。

穴子♡
いつも間違いのない美味しさのトロトロの穴子。

帆立(追加)♡
包丁の背で帆立を潰すようなイメージで繊維を崩して、酢橘と塩でいただく天然の殻付き帆立はこの時期だけの種だそう。口に入れた瞬間に帆立の甘味が広がり、繊維の異なる食感が楽しい。

赤貝(追加)♡
宮城県閖上産。ヒモも一緒に握るスタイルで、やはりこの方が食感と香りが一段と華やぐ感じがして、大好きなスタイルです。

〆鯖♡
素晴らしい！やはりこの時期の〆鯖は肴でも握りでも絶対に食べたい種。

金目鯛
皮目を軽く炙ってから握られるので、金目鯛の脂の甘味が確りと感じられます。この皮目が大きいとちょっと嬉しい。

椀物
蜆汁。濃度もちょうどいい。

玉♡
通っている鮨店で玉の握りを食べれるのは2軒しかないので、貴重なお店。玉の甘味がシャリの塩気でより際立ち、実に素晴らしい味わいになります。

ミシュラン＊でお店の雰囲気は変わったかな？と思いましたが、物腰柔らかな橋本親方達の雰囲気はそのままで、しかしながら供されるのは確りと芯の通ったものばかりで、今夜も素晴らしい味わいでした。

早いもので、私的に2019年の鮨納めとなりました。来年もまた宜しくお願いします。32900

本日出逢えたお酒

東一 純米大吟醸

而今 特別純米 無濾過生

楽器正宗 本醸造 中取り