一度来店すればファンになること必至の神店ならぬ女神店 : SPICY CURRY 魯珈

【お店紹介】
大久保にある有名なカレー店。店主は「スパイスカレーの女神」とも呼ばれる「えりつぃん」さんこと「齋藤絵理」氏。学生時代からカレー店を志し、八重洲の名店「エリックサウス」での修行を経て独立後、瞬く間に有名店の仲間入りを果たした方である。大手メーカーとのコラボレーションから書籍の出版まで幅広く活躍しながらも、お店の営業中は必ず厨房に立って調理から接客まで自らワンオペで対応し続ける。カレーの味はもちろん、店主の気さくな人柄や来店客を大切にする姿勢もこのお店の大きな魅力になっている。店名の由来ともなっている「魯肉飯」と「カレー（咖喱）」をワンプレートにした「魯咖プレート」が看板メニューだが、週替わりで登場する限定カレーも人気である。入店は記帳制で、記帳開始時刻には行列になる人気店である。

【混雑】
平日月曜9:00頃（記帳開始30分前）、1名で訪問。18名待ち。記帳は前倒しの9:15開始、この時点で26名待ち。無事13:00の枠を確保。記帳開始後程なくランチ分は満席御礼となった模様。記帳枠を確保するためには早めの来店が必要だが、予約さえ取れればゆっくりと食事を楽しむことができる。限定カレーが2種揃う水曜日は記帳難易度が若干高いという噂もある。

【料理・味】
魯咖プレート
魯肉飯とカレー1種（選択制）にアチャールや副菜とサラダがセットになった1プレート。ライスはこだわりの「あきたこまち」を使ったイエローライスで、カレーをつけずにそのまま食べても美味しい。アチャールや副菜は最初はそのまま、後半はカレーと混ぜて頂くと食感と風味にアクセントが加わって美味しい。魯肉飯とカレーの相性のよさを教えてくれたメニューである。
★4.1 魯咖チキンカレー
スパイス使いが素晴らし過ぎる。口に入れた瞬間にスパイスの鮮烈な風味を感じ、その後に芳醇な香りが鼻腔を抜けていく。タマネギとトマトの旨みもよく出ていて、非常に味わい深い。ゴロゴロ入っているチキンもジューシーで完璧な仕上がり。辛さは一般的な辛口よりもさらに辛いが、このカレーを最も引き立たせる程よい辛さと言える。
★4.0 ラムカレー（ビンダル風）
マリネされて柔らかくなったラム肉は、クセもなく旨みに溢れており食べ応え抜群。こちらもスパイス使いが素晴らしく、チキンカレーとは表情の異なる爽やかな味わい。ビンダル風だが酸味が主張し過ぎることはなく、スパイスとのバランスが絶妙である。辛さは一般的な辛口レベル。
★3.9 魯肉飯
八角の甘い香りが魅惑的な台湾グルメ。「えりつぃん」さんがアルバイトしていたという「髭鬚張魯肉飯」の味を思い出す。とても美味しいので「肉ダブル」にしてもよかったかも。ゆで卵も半熟具合が絶妙で、ネットリした卵黄が魯肉飯とカレーによく合う。

【サービス】
接客は親切丁寧で気配りも素晴らしい。オペレーションもスムーズで、記帳した順番に料理が提供されるのも公平感がある。記帳については9:30頃と16:00頃がそれぞれランチ分とディナー分の記帳開始時刻とされているが、行列が長くなって前倒しとなることが多い。記帳はいくつか設定されている時間枠を予約する方式で、入店は総入れ替え制というシステム。SNSで営業情報や記帳状況の他に限定カレーやイベント等の情報も発信されるので、要チェックである。

【雰囲気】
飲食店が集まる雑居ビルの地下1階にあるカウンター席のみの小さなお店は、シンプルな内装で清潔感のあるカジュアルな雰囲気。訪問時の客層は男女比5:5ぐらいで、お一人様と2人組が多い。

【CP】
価格設定は良心的でCPはよい。「ぷちカレー」で何種類でもあいがけに出来るのも嬉しい。

【総評】
大手メーカーとコラボしたレトルトカレーや大手コンビニエンスストアとコラボしたお弁当も十分美味しいが、やはりお店で頂く出来立てはスパイスの香りや刺激が全く異なるので、是非お店を訪れてその真価を体験したい。初めてなら「魯咖プレート」に定番カレーの組み合わせがオススメだが、自由な発想で作り出される「限定カレー」こそこのお店の真価が発揮されるという意見もあるので、何度も訪れて様々な「限定カレー」を是非試したい。各カレーは「ぷちカレー」として追加することができるので、一度に全種類味わうことも可能である。「えりつぃん」さんの親切で柔らかな接客と入店から退店に至るまでの気遣いも素晴らしく、退店後は本当に幸せな気分になる。記帳開始後間もなく締切となることも多く訪問難易度は高いが、それを乗り越えても通いたくなる魅力に溢れた素晴らしいお店である。