いつかの夜に持ち越し。 : バーン・タム

都内、無数に存在するタイ料理店の中でも群を抜いて本国の大衆レストランに近いと思っているお店。
東新宿と新大久保の中間くらいに位置し、怪しげなビルというかマンション？の地下一階です。

前回はディナータイムでの訪問でしたので今回はランチタイムに潜入。
ＧＷプラス人気店ということもあり、ピークタイムは待ちも出ることを予想し1130すぎに到着しましたが先客1名でした。
ところが、わたしが到着した時間を皮切りにどんどんゲストが押し寄せあっという間に満席。自分で言うのもあれですがこれ系は毎度星の巡り合わせがよい。

ランチメニューは8つの中から選ぶ形で、おひとつ無料ドリンクとサラダとスープが付きます。ちなみに全品990円。
わたしはグリーンカレー辛さマシと烏龍茶で。

最初にサラダとドリンクが提供されますがこのサラダはダメぽよ。切り置きして何時間下手したら丸一日放置したような水気のなさで砂漠化しています。
あれば食べるというレベルではないのでこんなキャベツならはなから提供しない方が潔いのではないのか。

ドリンクは一般的にサービスで出されるお水のグラスに注がれます。わたしはあまりにこの烏龍茶が薄いので、まさかこれがセットドリンクだとは露知らず。がぶ飲みしてしまい後に後悔することになります。
スープは優しく澄み切ったお味で結構美味しい。エスニックのようなナンプラーの独特な香りのお料理にはこういったマイルドな味付けのが合うのかもしれません。

主役のグリーンカレー、こちらは水煮のタケノコにあるあるの細切りではなく薄切りタイプ。
単調なシャキシャキではなく、見た目のらしさや輪郭を味わえるので好感度が上がります。
一方で、タイカレーというのはお砂糖とナンプラーでコクを出してゆくのが基本なのですが、ちょっと今回のカレーはお砂糖強めかなという認識を持ちました。
もちろんココナッツミルクもよく香り濃厚で美味しいのですが、個人的にはもうちょいスッキリとした後味のがストライク。お肉はもちろん脂のある鶏もも(多分親鳥)で、弾力をじゅうぶんに感じると共にルーのまとわりつきがよいのでジャスミンライスが進みました。


今回感じたのはランチでは良さが伝わりにくいということ。当店の魅力を知る者からすると、店側はおそらくおまけでやっているような感覚なのでゆるーく営業しているのでしょう。

何がともあれ、当店の本番はディナーです。
何人かで訪問して何品も頼んでワイワイするのがベスト。

ご馳走様でした。

たまにはみんなでタイ料理女子会をとわたしが選出させて頂いたのが新大久保"バーンタム"。
食べログ100名店にも選出されている激戦区きってのエスニック名店です。
新大久保から徒歩5分、、じゃ効かないでしょう7分くらい？東新宿からも同等の距離でちょうど中間地点に位置します。
ビルというかマンションというか地下一階に入っているのですがどんよりとした雰囲気でココでホントに大ジョブかしらと不安になりましたがとりあえず入店。
飾りっけのない質素な店内でおまけに電波がありません。
WiFiが完備されているのでスマホを弄りたい方はパスワードを聞くと良いでしょう。

各ページから1つで行こうかという話でまずはパップラークンチャイ。これは白身魚とセロリの炒め物。
日本で言う南蛮漬けのような立ち位置の料理に感じました。
鬼地味ですが我が国の人々に必ずや好かれるだろう味です。醤油ベース(ナンプラー)の味付けで遠い昔に食べたような気すら感じる懐かしさ漂うマイルド系。
魚もホワホワしてとても美味しいです。3人初っ端から大絶賛でした。

これはガイヤーン。つまりグリルチキンてきなやつです。
1羽で1500円と大変リーズナブル。
このつけダレみたいなやつがどちゃくそ美味しい。日本人にも馴染み深い味です。下味がついているのでシンプルにそのまま食べてもOK。
コテコテとした脂のしたたる鶏でないためこのつけダレがジューシーさに加点してくれます。
今回は3人なので1羽にしましたが2人ならば確実に多いのでペアなら半身でいくとよいかもしれません。

野菜も食べたいねとヤムタクライ。
これはレモングラスのスパイシーサラダ。
大抵は王道でいうソムタムやヤムウンセン、空芯菜あたりを選抜するのが関の山ですが今回はスパイス＆ハーブ大好き女子の集まりなので冒険です。
レモングラスの香りがブワアと口の中いっぱいに広がり、生姜をたっぷり食べた時のように体の芯まで温まるような、もはや健康食の域。初めてのタイ料理でしたらちょいとハードルが高い料理かもしれません。

揚げ物もと、クントードカディアム。
エビニンニクの黒胡椒揚げと書かれていますがいわゆるタイ版エビフライ。
黒胡椒がまるで存在しないかのようなマイルドな味わい。とはいえこれもまた本場さながらの本格的な味付け。

締めのひとつはトムヤムラーメン、なんとこんなにたっぷりの量で1280円です。
3人で分けても一人前の量が給食のソフト麺かそれ以上あります。
シーフードたっぷりでとても嬉しい。エビの味噌的な味がベースにあり卓上にあるナンプラーや唐辛子などで味変すると、また違った顔つきのスープになりそれもまた美味。それはそうと麺が米粉なのでフォー的な要素があり割かしおなかいっぱいでもスルスルと食べられます。

最後の締めはオースワン、これは牡蠣のタイ風お好み焼き。
何気なしに牡蠣が食べたくて頼んだのですがこれは今日イチのヒット。
牡蠣の旨みがジュワーワズ。
至ってシンプルな味付け、塩コショウのみと感じました。
牡蠣自体が濃厚なのでしっかり卵やもやしにもウマ汁が行き渡りヤミツキ味。予想外に牡蠣がゴロゴロ入っておりこれもまた嬉しいポイント。
お腹パンパンでも不思議と箸が止まらなくなる逸品でした。

これだけ食べて飲んで1人3000円ちょっと。
ソムオーもよかったけれど、あそこでガンガン飲み食いしたらこんな奇跡は生まれなかったでしょう。
怪しい雰囲気だとか電波がないだとか100パーセントのジュースがないだとか、どうでもいいとすら思えるほど刺激的な味でした。
池袋のプリックに並ぶ名店と思います。
とにかく全部美味しい。

ご馳走様でした。