ビジュアル系！ : 牡蠣貝鮮かいり

　この日は、いつもお世話になっているのに全然取引のない社長さんと、いつもの後輩の商社マン君の３人で牡蠣を食おうと渋谷のハチ公前に17時に落ち合い、こちらの店に17時15分に予約を入れておきました。
道玄坂を歩いて少し登り始めた映画館を過ぎた辺りの細いビルの2階です。
狭い階段を駆け上がり、小さな入り口を入ると直ぐに店員さんが迎えてくれます。
予約の旨を告げると、手前側の一番奥の座敷の個室に案内されました。
靴を脱いで下駄箱に入れて上がりますが、狭い空間にちょっと楕円っぽいテーブルの掘り炬燵席になっていて、丁度3人で一杯って感じの部屋です。
　直ぐにメニューを提示され、2時間制との説明を受けましたが、最近2時間制の店って増えましたねぇ。
長っ尻な身としては、どうにも2時間では不完全燃焼なんですけどね。

　早速、ウーロン茶、生ビール、緑茶ハイを注文しましたが、2時間飲み放題1,980円のスタートです。
早々にメニューを確認し、前もって頼んでおいた牡蠣鍋2人前とは別に、生牡蠣どさ盛り、カキフライ６個、蛸の唐揚げ、炙り銀杏２つを注文します。
　タコの唐揚げはイイダコの様な細めの足をぶつ切りにしてコロモを付けて揚げたモノで。コロモに結構香ばしい濃い味が付いていてスナック菓子のようです。
コロモのカリカリ感とタコ足の弾力が良い感じで、分かり易い大衆的なビールに合いそうな味で美味いです。
　銀杏の塩炙りは、ヒビを入れた銀杏を塩炒りしたモノですが、ちょっと時期的にもう終わりですかね。
味も香りも新鮮さが少し落ちてきた感じですねぇ。
　牡蛎鍋2人前は、先ずそのビジュアルに驚きです！
鍋には具材が詰め込まれてちょっと小山の様に盛り上がった状態で、しかもこの小山の表面が全て牡蠣で覆われていて、店員さんがこの鍋を持ってきてカセットコンロにセットした際に、思わず皆の口から「おおお～！」っと歓声が上がったほどです。
コンロに火を点け、確り煮えるまでちょっと時間が掛かりますが、牡蠣の咽るような香りの中で待つのは悪くない時間です。
牡蠣以外の具材は全て白菜で、これはせめて豆腐くらいは入れて欲しいですけどね。
この鍋は基本的には水炊きで、ポン酢と紅葉おろし、青葱の薬味で頂きます。
牡蠣が煮える頃には、白菜もクタクタに煮え牡蠣から出た出汁が浸みて美味くなってます。
しかしこの量は、２人前でしたが男３人でも多いと思われるほどで、人数分通り頼んだら大変な事になりますねぇ。
　生牡蠣どさ盛りは、この時期にしてはかなり大振りの生牡蠣が6個皿に盛られてカットレモンと共に出されます。
これだけ大振りの牡蠣が殻ごと６個も１皿に盛られると、これもなかなかのビジュアルですねぇ。
この牡蠣はレモンを絞っただけで頂きましたが、大振りの割にアッサリした味で 牡蠣の風味も薄く凄いサッパリした感じです。
うーん、これは多分、良くあることですが UV除菌処理時間の所為ですかね。
一般的にUV照射しながら ろ過した低温海水を循環させ、普通は２，３日で除菌できるようですが、その際 栄養分や有機物の極めて少ない状態で代謝させるので、牡蠣特有の磯の香りや濃厚な味が薄れることも有るようですね。
まあ、この時期にこれだけ大きな牡蠣を提供するんですから、仕方のないことなのかも知れませんねぇ。
　カキフライも凄い大きくて、こんな大粒のカキフライもなかなか見られるもんじゃないです。
揚げ具合もレア感を残す絶妙な感じで良いですが、やっぱり牡蠣の香りや味が薄く、アッサリした感じでしたね。
　2杯目以降は日本酒に切り替え、黒龍、貴、盾野川、日高見、南部美人と頂きましたがどれも純米の吟醸酒レベルの良い酒ですが、これらが飲み放題ですからねぇ、まあ元は取れましたね。
　〆に鍋に出た牡蛎出汁で雑炊にしてもらいましたが、今日はこれが一番美味かったです。

　2時間で会計でしたが一人7,500円ちょいでしたので、久し振りに酒代より料理の方が高かったですね。
　ここの料理は まあ牡蠣が中心ですが、牡蠣鍋にしても鍋を覆い尽くす牡蠣の姿や、大振りな生牡蠣の盛りっぷり、大きなカキフライの姿等 ビジュアル的には興奮を覚えるほど素晴らしいです。
しかし決して不味い訳では無いのですが、味的には正直言って普通の域を出るモノはなく、見た目優先は否めませんねぇ。
　それにやっぱり２時間制とゆう事で、かなり急かされるように会計して店を出ましたが、店内は寧ろガラガラで まだまだ飲みたい感じだったので店的にも得にならないと思いますけどねぇ！