この日もこの店にすくわれる : 食美人

　何時頃だったか、まあ行く店行く店が閉まってる閉まっている。
　そしてそういう状況のときにはかなりの確率でわたしを迎えてくれるこのお店。
　入ったら「お久しぶりです」と言われました。
　ここの店主、＜ラーメン藤枚方店＞のオッサンに似ている気がする（先日ちょっといやな思いをさせられたのでオッサン呼ばわり）。

　平アジの造りを注文すると「1人前出すだけの量がない」とのことでいろいろ盛り合わせてくれるそうです。
　待っている間の突き出しは釜揚げしらす。ポン酢かけただけと思います。でも鮮度のよさは感じられ、酒も悪くはありませんが、どちらかというとごはんのお供の方が向いている感じ。

　やがて出てきたお造りはかなりの種類が盛り合わされています。だいぶ盛り付けに苦労されていますね（笑）。
　味はよろしいです。マグロも本マグロですし。

　次に鮎の天ぷらをたのんだら、またしても売り切れ。
　そこでまたしてもその他を盛り合わせてくださいました。
　ただ今度は「盛り付けに苦慮」というよりなげやりな(^^;)、平たく盛ってある。
　でもまあ、おいしいです。


　いつも間に合わせで使っているのが申し訳ないお店です。
　そろそろ＜えん満＞亡き後の、川原町の拠点してもいいような気がしました。

　＜四万十寺田屋＞を出て川原町を歩きます。
　最初に＜なんとか＞が目にとまりました。このお店もご無沙汰です（そういえば「勿忘草」シリーズは中断したまま）。
　非常によいお店なのですが、この店に入ると派手に散財してしまうのが目に見えておりあえてスルー。もうちょっと財布に余裕のあるときに。

　次に＜PEKE＞。
　久しぶりに明かりが見え、ドアに手を伸ばすと開きます。
　店内のマスターに「いける？」と聞くと、手でPEKEを作りました。
　ずいぶん長い間休業していたので、気になりちょっと尋ねた「ずっと入院していた」という返事が帰ってきました。
　お大事に、と言って店を出ました。
　行きつけの<えん満＞はお休みです。
　すごいな、＜春木家＞は完全に三密だよ。お店の歴史もさることながら、常連のバイタリティもすごいね、このお店。
　おお、テイクセブンビルは、少なくとも外観はもう完成してますね。

　と、森西ビルに立っていた呼び込み風の男性に声をかけられました。
　目的を聞かれ食事だ、というと＜心美人＞をおすすめされました。
　呼び込みではなく案内係なのでしょうか？
　
　あそこなら不満なくいただけそうです。行ってみましょう。
　まだ閉まっている店が多く、薄暗い中、このお店の明かりが目を引きます。


　店内は先客一人。
　「本日の焼魚」を聞くと鮎、塩鯖、タイかぶと。希少性の高いかぶとを注文。

　突き出しはポテトサラダ。
　底に大葉を敷き、エビ、枝豆をあしらっています。見た目ばかりではなく、きちんと冷やされ、ポテトサラダから連想される濃厚さっはなく爽やかです。
　
　ビールをちびちび飲みながら待っていますが、なかなか焼き上がりません。
　ビールも残り1/3ほどになったところ、焼き上がって到着。
　焼きたらこが添えられていますが、別にまぶすとかそんなんではなく別に食べてくださいとのこと。
　
　カマの下の引き締まった味、目玉のゼラチン質。
　塩のシンプルな味付けなれど力強く、決してくどくなく。

　
　よいお店なのですが、毎回、時間を埋めるような使い方しかしていません。そのうちじっくり堪能したいです。
　誠に申し訳ないと思いながらも、またもや一品で失礼し、しばらく休業していた行きつけのバーへ向かい、結局財布は軽くなりましたとさ。

　ほかのお店が開くまでの時間滞在させていただきました。

　突き出しはホタルイカの酢味噌。
　天ぷら盛り合わせも上手に揚げられていておいしいです。　

　長居してもいいお店ですが、今回は訳ありでこれだけで退散。
　ごちそうさま。

　1週間ほどで再訪しました。
　
　今回は刺身盛り合わせと日本酒でスタート。
　
　
　一杯目の日本酒は大吟醸雪下香梅。
　
　突き出しは菜の花のおひたし。辛子がきいています。
　
　盛り合わせはヒラマサ、あぶり貝柱、タコ、ヒラメ、カツオ。
　カツオは単品メニューとしてはのっていませんでした。
　
　どれもなかなかです。
　身は活かっていて鮮度のよさを感じさせます。
　特にあぶり貝柱の香ばしさはよかったですね。
　
　
　二杯目は土佐鶴。
　
　次は出し巻。
　すだれのあとをうっすらと残した出し巻が出てきました。
　両端が切り落とされています。形を整えるためなのでしょうが、自分は好きじゃないですね、もったいない。
　それはさておいても形よく、色合いも鮮やかな出し巻です。
　見た目はしっかりしているのにだしがきいていて、ふわふわでおいしいです。
　
　
　少し値段高めな気がしますが、ときどき訪れたいお店です。

　行きつけのバーで食前酒としてマティーニをいただいたあとは、こちらへ。
　
　通常は刺身と日本酒から始めるわたしですが、あまり食べたいと思う魚が入っておらず
日本酒もあまり揃ってなかったので、ビールと天ぷら盛り合わせを注文。

　天ぷらには天つゆと塩の両方が出てきます。
　
　エビ、茄子、ししとう、しいたけ、えーとあとなんだっけメモ忘れた、野菜を中心に10種類ほど入っています。
　
　サクッとした衣に天ぷららしい旨味の凝縮した感じがあり、よくできています。
　全ネタを天つゆと塩の両方でいただきましたが、すべてにおいて天つゆの方がおいしかったですね。
　
　この日はこれだけで店を出ましたが、お店の雰囲気も店主、スタッフ共々穏やかで居心地のよい雰囲気でした。
　
　また、来ると思います。