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店名 |
花月(かげつ)
|
---|---|
ジャンル | 郷土料理、日本料理 |
予約・ お問い合わせ |
095-822-0191 |
予約可否 |
完全予約制 |
住所 | |
交通手段 |
JR長崎駅から長崎電鉄 崇福寺駅から260m |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算(口コミ集計) |
¥20,000~¥29,999
¥10,000~¥14,999
|
支払い方法 |
カード可 (VISA、Master、JCB、AMEX、Diners) 電子マネー不可 |
席数 |
300席 |
---|---|
個室 |
有 個室12部屋 |
貸切 |
可 |
禁煙・喫煙 | 全席禁煙 |
駐車場 |
有 6台分 |
空間・設備 | 落ち着いた空間、席が広い、座敷あり |
利用シーン |
|
---|---|
ロケーション | 景色がきれい、一軒家レストラン |
サービス | お祝い・サプライズ可 |
ホームページ | |
オープン日 |
1642年 |
備考 |
寛永19年(1642)に引田屋として創業 |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
|
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ホテルをチェックアウトし タクシーを呼んでもらい亀山社中と出島を観て廻り、今日の昼飯はあの料亭花月です。
今回の旅の一番の目的と言っても過言ではありません。
予約も含めて愚妻に任せていましたが、14,000円くらいの卓袱料理のコースをお願いしてあるとのことです。
出島から歩いて15分ほどで花月に着きましたが、門構えからして この重厚さは なかなかに敷居が高い感じですねぇ。
外の門を潜り、入り口に向かうと仲居さんが3人でお出迎えです。
靴を脱ぎ、コートを預け、今日の席に荷物を置き、暫し準備の間、館内の資料室をご覧くださいとのことで、竜馬の書簡の写しなどを見ながら待ちますが、愚妻は龍馬伝のポスターの方が気になるようです。
5分ほどで食事の間に再び案内されると、大広間の座敷でしたが、丸い卓袱台に低い椅子合わせたモノがゆったりと6卓だけ置かれていて、窓からは手入れされた庭園が望め、雰囲気は最高ですね。
卓袱台の上にはお吸い物、黒豆煮、八寸、お造り、鯨のベーコン3種とクエの湯引きが用意されていますが、先ずはビールよりも お吸い物を頂くところからスタートするのが決まり事の様です。
このお吸い物は鰹節と昆布の1番出汁で、鯛の身と小さな丸餅、ピンクのすり身等が入っていて、良い出汁でしみじみ美味いです。
この碗を空にして漸く瓶ビールを1本頼めます。
ビールで喉を潤したら、これはもう日本酒ですね。長崎の地酒、六十余州を熱燗で2本づつ頼みます。
黒豆煮は丹波黒で、正月のお節以外で食べるのは初めてですねぇ。
ふっくら艶々に炊かれていて、ほの甘さが良いですねぇ。
八寸は相鴨のロースト、くわいの揚げ煮、海老蒸し、チーズ玉子、穴子の煮凝り、菜の花のお浸しです。
相鴨のローストは脂の着き具合が素晴らしい良質な合鴨の胸肉を低温でじっくり焼き上げ、身の柔らかさとシットリ感が絶妙で赤身にもほんのり甘みがあって美味いです。
くわいの揚げ煮は皮を剥いて素揚げにしてから、味を入れるために少し煮付けていて、ほくっとした独特の食感と味も良いです。
海老蒸しはむきエビの丸まった背中を少し開いてすり身を挟んであり、海老の甘みが良い感じです。
チーズ玉子は滑らかな玉子焼きにマスカルポーネチーズが練り込んであるようで、まるでちょっと塩味の効いたチーズケーキの様です。
穴子の煮凝りは煮穴子を細かく切って、出汁で割って型に入れて冷やすことで、穴子の皮のゼラチンでゼリー状になるように固めたもので、口内の温度で溶ける感じが良いですねぇ。
菜の花のお浸しは、まだ年も明けないこの時期に菜の花が有るだけでも驚きですね。
お造りは鮪赤身、鰤、ヒラスの盛はり合わせで、一切れを小さくして3切れづつにしてボリューム感をだす盛り付けも良いですが、酒飲むときはこのくらい1切れを小さくした方が肴になって良いんですよね。
鮪赤身はねっとりとして、爽やかな青臭さのする綺麗な身で、品質の良さを感じます。
鰤は切り口が直角の角が立っていて、物凄い歯応えの強さです。
ヒラスは薄切りにしていますが、同じように強い弾力で新鮮さがわかりますね。
これはどちらが良いとかの問題ではなく 飽くまでも好みの問題ですが、こちらでは 白身は熟成させるよりも新鮮さを好むようですね。
鯨のベーコン3種は赤身、皮、さえずりかな、どれも結構一切れが大きく厚みも有って質の良さが覗えますねぇ。
更にこの皿にはクエの湯引きが付いていましたが、小口切りしたクエの身を4切れ湯引きにしてあり、白身の美味さと脂の甘みが同居した良い魚ですね。
フトシは長崎の郷土料理で、本来は海老のすり身を食パンに挟んでそのまま揚げたモノですが、こちらでは鰻を玉子焼きで包んで食パンで挟んで揚げたオリジナルのフトシと2種類出されます。
都内でも極稀に中華屋でエビトーストの名称で出されるので何度か食べたことは有りましたが、ここのは海老のすり身の厚さが食パンの厚みより厚いくらいで、形もキッチリしていて凄く綺麗に作られています。
海老の旨味と揚げパンのカリッとした感じが良いですねぇ。
うまきのフトシもタレの甘みがアクセントになっていて、美味かったです。
煮物は碗を開けると紅ズワイ蟹の剥き身、里芋、生麩、銀杏饅頭が入っていて、炊き合わせてトロミのを付けた出汁を掛けているようです。
全体として素材も良く、味付けも上品で良いですが、特に銀杏を粗挽きして丸めたのが美味いですねぇ。
豚の角煮も卓袱では欠かせない料理ですが、ちょっと大き目の皿に醤油の効いた濃い目の出汁をたっぷり張って、真ん中に確り煮込んで飴色になった豚バラの角煮が盛られています。
この角煮は確り調味料が味むらなく浸みていて、脂も向けてコラーゲン質だけが残っている感じで、肉もホロホロなんですが煮崩れることなく確りエッジの立った感じを残しています。
これは相当弱火でコトコトと時間を掛けて煮込んでいますねぇ、究極の豚の角煮ですね!
隠元の天ぷらが何故か1本だけ出されましたが、この皿は何でしょうねぇ。何か意味が有るんでしょうか。
そして漸くご飯ですが、最初に出したお吸い物の2番出汁でダイス状に切った大根、人参、それに椎茸とキクラゲ等を煮たスープと白いご飯が一緒に出されます。
このスープをご飯に掛けて食べるのが決まりの様で、たっぷりぶっ掛けて茶漬けのようにして頂きました。
漬物は胡瓜の浅漬け、大根の麹漬け、それに昆布の佃煮が付いていましたが、この茶漬けの様なご飯のお茶請けにはぴったりです。
デザートがヨーグルトをゼラチンで固めた上に苺、シャインマスカット、梨のコンポートをのせて出されます。
これで終わりだと思いスッカリ油断していたら、最後に白玉のお汁粉が出されます。
卓袱は碗に始まり碗に終わるんだそうです。
もう最後は満腹でしたが、必死にかき込んで完食でした。
この卓袱とゆう料理は、江戸時代の鎖国政策を取っていた時代にあって、この長崎が唯一オランダや中国との貿易が許されていた港だったので、和洋中の折衷料理がこうゆう形で発展して今日に至るその歴史をも頂く感じがしました。
ましてやこの花月は坂本龍馬や高杉晋作などの幕末の志士たちが議論を戦わせたり、人脈を作ったりする上でも欠かせない場所だったんでしょうねぇ。
その為にもこの上座も下座も無い円卓とゆうのが、未だに使われ続けられているのも良いじゃないですか。
料理も勿論、素材が良くて、どれも凄く丁寧に手間暇かけて作られているのも良かったですし、この日は日本酒を6合ほど頂いで、2人分全部で34,000円くらいなら内容的には大満足でした。
最後は窓から見えている庭園を散策させて頂き、料亭花月を確り堪能させてもらいました!