雨と木の影になった景色は残念であったが、味は大満足 : ソリスアグリトゥーリズモ

ソリス アグリトゥーリズモ (Solis Agriturismo)

■2012/1
葉山の湘南国際村にある自家農園のあるイタリアンレストラン
逗子駅からバスで20分程度と少し不便な場所にある

営業時間は以下
平日12:00〜15:00 (スタート12:00or12:30)
土日祝12:00〜15:00(スタート12:00or12:30)、17:00〜20:00(スタート17:00or17:30)
定休日は月曜、第2火曜

2015年6月オープン
渋谷にあるタロス馬場圭太郎オーナーシェフの店
「自然との融合」をテーマとした葉山イタリア料理
自家農園や葉山・三浦・横須賀(佐島港、長井)などから毎朝仕入れている食材を活かしたイタリア料理
そして、草木の息づかい、吹き抜ける風の声、広い空と豊かな大地、雄大なサンセットを味わう事が出来るらしい
恐らくこの辺りで一番人気の店だろう

店名にある「ソリス」(Solis)はラテン語で「太陽」、そして「アグリトゥーリズモ」(Agriturismo)は「農業」と「ツーリズム」を合わせた言葉で「農村民泊」とも訳されており、農村で宿泊しながら体験農業や食事、自然を楽しむ事のようだ
実際、こちらでは食事だけでなく、料理教室、牧場訪問、ワイナリーツアー、などを隣のホテル「湘南OVA」で泊まりながら体験できるらしい
庭には、ハーブ園、野菜、レモン、梅、柚子の木がある自家農園があり、採れたものは料理に使っているらしい
蜂蜜も作っているそうだ

自然に囲まれた灰色モノトーンな2階建一軒家
外見は洒落たと言う程ではない
道路沿いの細長い500坪位の広い敷地
自家農園、ハーブ園などあるはずだが、冬季なので殆ど何も植えてない
更に海側の森は「宇宙の森」と呼んでいるようだ
1階はエントランス、BBQ広場
畑の肥料などが置かれている
レストラン(座席、オープンキッチン)は螺旋階段をのぼった2階となる
階段にはピカソのような絵画などが飾られている
リゾート感溢れる空間だ
窓は全面ガラスで、晴れていると陽光に包まれる
窓は海側(西側)に向いているため、相模湾、葉山の山々が目に飛び込んでくるとの事であったが、実際は木の枝の隙間から辛うじて海が見える感じ
螺旋階段で屋上に昇ればもう少し見えるのかも知れないが、少し期待外れ
比較的右側の方が海は見えるそうだ
そのうち木は切るらしい
また夜になると夕日が綺麗らしく、部屋の中全体が夕日色に染まるそうだ
葉山の花火大会も見えるらしい
テラスからも景色が楽しめる
だが今日はあいにくの雨で残念無念
中央に背の高い半円形ソファで仕切られた2名用丸テーブルが3個
半円形なのは、より景色を広角に眺められるように工夫されたもの
各テーブルの間隔は広くゆったり
左端に4名個室、右端に6名個室
今回は4名個室を利用したが、景色を独り占めしている気分
窓は2個ある
卓上に冷水用ワイングラスと、透明な小さいカップに入った丸めた紙
店員さんが小さなカップお湯を注ぐと、膨らんでオシボリに変わった
BGMはフランス風の軽く心地良い洋楽
駐車場は10台分(青空駐車場)
店内禁煙

土曜12:00に伺ったが、12:30でも3組6名の予約客のみと比較的空いていた
客層は若いカップルが多い
1組みは誕生日祝いをしているようだ

店員さんは、若い男性シェフ1、若い女性1の合計2名
2020/9/16から新体制となったらしいが、シェフはタロス出身なのかな
コースとなっており、女性店員さんが一品ずつ持ってくるのだがタイミングが良い
料理の説明もしっかりしてくれる
なかなか良い接客だ


主なメニュー(税別)は以下
【ランチコース】
4品コース3800円
ベーシックコース(5品)5000円
葉山料理コース(7品)8000円
【ディナーコース】
4品コース5000円
7品コース8000円
葉山牛ステーキコース(7品)12000円
【BBQ】
BBQ6500円
仔牛丸焼き(約15kg)50000円〜
スペイン産仔豚の丸焼き(3〜4kg)3000円〜
豪華食材(伊勢海老、アワビ、サザエ、牡蠣、葉山牛など) 時価
お祝いケーキ 3500/4500/5500円
【テイクアウト】
自家製フォカッチャ ハーフ750円 ホール1500円
【その他】
コペルト (席料、パン)500円

コース内容は季節の味覚を楽しむため、毎月変わるようだ

完全予約制


ランチタイムだが、ディナーメニューである葉山牛ステーキコース、オリジナルビールを注文した

オリジナルビール
新潟県産の2015年製造
こちらのオープン年の同じ2015年産のクラフトビール
フラミンゴビールと書いてある
ホップだけを使用して自然発酵させた100%ナチュラルビールで少し甘い

付き出し「福袋」
生ハムと三浦大根
味が濃い
ミルフィーユのように生ハムに包まれ、中心に三浦大根
ご飯が欲しい

前菜「海山土」
カブとルッコラを三浦のカジキマグロでらまいたもの
三浦のキンカンをスライス
ドライトマト
ソースは、オリーブを潰したものとルッコラ

スープ「春の芽吹き」
赤いジャガイモ 「ノーザンルビー」を使用したもの
青色した殻の鶏卵の半熟卵
菜の花
トリュフ

パン
もちもちで柔らかく、少し温かいのフォカッチャ
お代わり無料
思わず6個も食べてしまった

パスタ「墨と墨」
イカ墨を練り込んだ黒い麺にカラスミを混ぜている
トマト、カラスミのソース
なかなか美味しい

墨と言っても、タコの墨は粘度が弱くサラサラで敵を錯乱させる煙幕てして使われる
成分は「アスパラギン酸」「グルタミン酸」というアミノ酸で旨味成分
一方、イカ墨は粘度があり「分身の術」のように敵を撹乱させるもの
成分は、食材の旨味成分でもある「アスパラギン酸」や「グルタミン酸」などのアミノ酸を多く含んでいる
では両方とも旨味成分なのに、なぜタコ墨は料理に使用されないかというと、イカに比べタコの1匹あたりの墨量は1/2と少ないため単価が高いという事のようだ
またタコ墨の入った袋は、プロの料理人でも見つけ難いらしく調理が面倒らしい
これらの事から、昔からイカ墨が料理に利用されているそうだ

閑話休題


お魚「海の七福神」
石鯛、さわら、天使の海老、ホタテ、アオリイカ、ニンジン、タコ
ソースが海老の旨味
皮がカリッと揚げられて味はフンワリ
美味しい

肉は「幻の牛」葉山牛
石板皿にレア仕上げな葉山牛ステーキがのっている
葉山牛とは、豊かな環境が育んだ葉山のブランド肉だ
農林水産大臣賞を5年連続で受賞、出荷は年間200頭(肥育頭数 250頭)程度の希少価値の高い高価な黒毛和牛
「幻の牛」とも呼ばれている
大麦、トウモロコシ、米、ビール粕、おから(豆腐粕)、等を加熱発酵させたものを中心に、ご飯等を添加し、自家配合した独特の飼料で育て上げることで、肉と脂肪に独特の甘味と旨味を加えている
脂は常温で溶け出すような、トロける甘味と濃厚なコクのある美味しさ
松坂牛のようなきめ細かいサシたん霜降り)や柔らかさを売りにしているわけではなく、しっかりした肉らしい噛みごたえもある
これは美味しい

上にチーズをのせて焼いた、太いネギとこしたジャガイモが添えられている
ソースはバルサミコ酢とビルドベリー
なかなか美味しい

デザート「初釜」
シェフがロウソクのついたサプライズなケーキとオルゴールを持ってきてくれた
抹茶ケーキにピスタチオがのる
比較的甘さ控えめな大人の味
アーモンドのお菓子、洋梨のアイス、柚子も添えられている
普通に美味しい


満腹満足
豊かな自然をゆったり？と堪能しながら、葉山の味覚を満喫できた
雨と木の影になった景色は残念であったが、味は大満足
食べログでも「TOP5000」に入っているようだが、神奈川県内でもトップレベルの店だと感じた
今回は誕生日祝いであったため、特別に1番高いコースとしたが、次回は分相応の安いコースも頂いてみたい
また、真正面の海に沈む夕日が綺麗らしく、夕方にも伺ってみたい