安定感のある美味さの継続 @新百合ヶ丘 : Hacci 8

（新型コロナウィルス感染拡大に伴う緊急事態宣言より前の訪問です）
「継続は力なり」という言葉あり。
このお店のにはそんな姿勢が見える。初めて伺ったのは4年ほど前かな。ホールのスタッフは代わってしまっているけれど、料理の個性やクオリティ、親身な接客は変わらない。
そんな継続により、いつしかドカンと名物なグランドメニューを生んでくれる。
それを楽しみに訪問を継続するのだ。
当日も家族客やカップル客で満席だ。
さてさて、

◆前菜盛り合わせ
・エノキのポタージュ
・甘いさつまいものブルスケッタ【絶品】
・青唐辛子のオムレット
・鳥のパテ
・生ハムと洋
・ノルウェー産サーモンのカルパッチ　

◆真鱈の白子のオーブン焼き

◆ポークのスペアリブ白インゲン豆煮込み【絶品】
スペアリブはほぐして骨を抜いてくれている。コリッと軟骨、美味し楽し。

◆焦がしバターと明太子のパスタ
腰が強いパスタ。

◆ふじリンゴのタルト・タタンとエスプレッソ

地元にしっかりと定着したフレンチバル。
満席になることが多いので、事前に電話をするようにしている。
通りに対して開放的なので店内の様子が伺える。席数は約40席でしっぽりと料理を味わうと言うよりはワイワイ楽しく食べる感じだ。
当日もカウンター以外はほぼ満席。若いカップルから大人家族、２～8名のグループで盛り上がっている。各テーブルのタイミングが重なっているのか、店員さんは珍しくあたふたしたムードだ。
さて、

■自家製しっとりポークハム【名物】
ここに来たらならまず、これを頼まねば。非常に上品に熟成されたハム。塩分控えめで柔らかく、噛まずに飲み込めそうだ。自家製とのことだが、熟練の味に思える。
■ホワグラのクレームブリュレ
ペースト状のホワグラクリームにカラメルをトッピング。カラメルの苦甘さがホワグラの芳醇な感覚と合う。バゲットに乗せると赤ワインととてもよく合う。
■地野菜のバーニャカウダ
グランドメニューで人気の高い料理。アンチョビを効かせた温かいソースをたっぷりと活きの良い野菜に着けて食べる。結構、ボリュームがあるのでヘルシーながら満たされた感じにんる。
■秋鮭の白子焼き【絶品】
エスカルゴ鍋に小分けにした白子がお行儀良く入っている。ハーブを利かせた油で焼かれているがミディアムレア。タラや鯛の白子と違ってドロリとせず、身が崩れない。しっかりした歯ごたえだ。臭みも無く上品なコク。
■ピザ マルゲリータ
小ぶりだが、かなり耳が厚めのピザ。シンプル故にセンスが問われるところだが、チーズとトマトソース、ピザ生地のバランスが絶妙。みずみずしくフワッとしてチーズのコクと生地の香ばしさが追いかけてくる印象。幅広の耳は後に残して、他の料理と一緒に摘むのが好きだ。
■スパゲティ ナポリタン【絶品】
邪道に正面から立ち向かったような一品。硬めに茹でられた太いスパゲティに強いタバスコと爽やかなトマトソース。舐めてかかるとガツンとパンチを食らう印象だ。軽く汗をかきながら顎の力をたくさん使って食べきる充実感。
■孔羊のグリル
南半球では旬の終わり。子羊独特の臭みは無くプリッと熟成させた食感だ。
■栗のカラメルプリン/エスプレッソ
シックな色合いが綺麗な、秋の深まりを感じるドルチェ。甘さ控えめ、ビターなカラメルが大人。

40席、ほぼ満席状態を一気にサービスしきる様子は迫力がある。この数をアラカルトで応じきるのだからたいしたものだ。厨房には若いシェフ、ホールを仕切る女性スタッフ。そして、彼らをアシストするスタッフが3人くらいか。額に汗してチームワークで働く姿は美しくもある。

この4月にオープンしたばかりのフレンチバル。初々しい緊張感が漂う店内だが、食べ始めると飲み始めると、独特の楽しさと力強さを発揮してくる。
こういうお店、個人的には待ちに待ってました。
メニューは豊富。しかもアラカルトで頼める。

■フォアグラのテリーヌ
フォアグラの豪華で濃厚な味を上品にアレンジしたテリーヌ。皿の上にさりげなく撒かれた胡椒を拾い、カリッとしたパンに乗せて。
これは絶対に頼むべき一品。
■24ヶ月熟成の生ハム
薄くスライスされた明るい色のハム。味は控え目だが後に香が口の中でドンと広がる。ビールと一緒だとコクと言うより臭みとして感じられるのが残念。
■バーニャカウダ
■エイヒレのグリル
今日一の料理！肉厚の特大エイヒレをグリル。味付けは至ってシンプル。芳醇な脂身と軟骨の歯応えがたまらない。聞いたところ、生のヒレをグリルしているとのこと。参りました！
■津軽鶏もも肉の串焼き
これもシンプルな味付けで鳥の味を引き出してる。パリッとジューシー、更に旨味が口の中いっぱいに広がる一品。
■自家製ハム
若いハム。香りは深いが新緑のようなフレッシュさが上等！
■チーズ盛り合わせ
■グリーンオリーブとドライトマト
グリーンオリーブは塩水漬けでパリパリとした食感が残る。
ドライトマトはセミドライ。濃厚な果肉とオリーブオイルが絶妙なマッッチングだ。
■ワイン
好みを伝えると紹介してくれる。割とリーズナブルな価格帯のものを多く揃えている。

40席をホール2名、キッチン2名で回している。
若い家族や三世代家族、カップルとそれぞれ雰囲気や味に期待してそうな人達が集まっている。
シェフのは30代半ばの誠実そうな男性だ。
フレンチと言いつつ素材の味勝負。
好みや価値観が合いそう。地元の名店ボキャブラリーがまた１つ増えたと確信。