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お料理の進化が止まらない、評点上げます
2週間遅れの私の誕生日ディナー。地元で行くお店はほぼ決まっているので(だから新店レビュー
が増えない泣)ローテーションなんだけど考えてみれば昨年も同じ時期にうかがっている。ご縁な
のかもしれない。
暖冬ということもあって天候が不順で寒い日や雪混じりの日が予想されているので月曜日の夜に。
鎌倉・湘南は週末は観光客が中心なので地元の人のために月曜日は営業して火曜日に休み所が多い。
當店もその一つ。当日は私たち夫婦と会社のグループらしい団体の2組。
本日のアミューズはヤリイカのタルタルのキャビア載せ。上にはイカ墨のデコレーション。根三つ
葉のソースとヤリイカの相性は抜群。大変うれしいスタート。
合わせるシャンパンはエチケットがモダンなデザインのピノノワール主体の香りの強いタイプ。冬
らしくて美味しかった。
続いてこちらの名物のパテアンクルート。これだけのために訪店したくなるほどの絶品。聞けばフ
ァンが多いらしく追加料金を払って1枚そのまま食べるお客さんも。次回は私もそうしよう。
合わせるのはこれも定番のプロヴァンスの白。甘口でフォアグラのパテにベストマッチ。
もう一つの前菜は帆立とホワイトアスパラ。上に何とかいう野菜(名前を聞いたけれど覚えられな
い)と白魚のから揚げが。ホタテの殻の上に盛られて登場。これもソースと炙ったホタテの貝柱の
相性が大変いい。文句ない一品。
合わせるのはボルドーの白。すっきりした風味がお料理とよく合う。
メインの一品目はヒラメのブイヤベース仕立て。お皿が運ばれると最後にビスクを注いでくれて完
成。マルセイユで働いていたフィエルテのシェフのスペシャリテを思い起こさせる。ホタルイカを使
ったところがアイデアで黄色いアイオリもいい感じだ。これはちょっと今夜の白眉かと思わせる。
合わせるのはブイヤベースの故郷のロゼ。私も自分で買ってくるけど最近よく出回るようになった
と思う。美味しい。
メインの2皿目は子牛のソテー。いかにも子牛らしいピンクが目にも鮮やか。そして野菜とモリー
ユ茸が下に敷かれている。ブイヤベースが今宵の白眉かと思ったらまたそれを上回る素晴らしいお
皿。子牛の焼き加減、合わせるソース(すいません説明をすぐ忘れちゃうんで)付け合わせの野菜
とモリーユ茸。すべてが素晴らしい。大満足でした。
合わせるワインはボルドーの赤。私が来ると南仏の赤中心なので目先を変えて下さった。
デザートはグランマルニエのパルフェ。そして柑橘類のコンフィチュールとチュロスが添えられて
いる。パルフェはアイスクリーム風でグランマルニエの香りも相まって美味しい。見た目も味も満
足でした。
最後のプティフールは名物の羊羹ショコラの入ったいつもの3品。
これでコース料金は11,000円。安っぽい言葉で言えばCPが非常に高い。そして訪店するたびにお
料理のレベルが上がっていると思う。鎌倉もフレンチやイタリアンのお店がどんどん出来て競争が
厳しい。有名店であってもうかうかしていられない。その結果がお料理の美味しさに表れているん
のだろう。お店の方は大変だろうけどお客にとってはありがたいことだ。
ごちそうさまでした。次回はパテアンクルートマシマシ(笑)でうかがいます。
名物のパテアンクルート以外もすべて絶品のお料理をお茶室の設えの中でいただく
私は個人的にパテなど内臓料理が大好きなのだがもちろんそれも痛風の大敵。4か月近く我慢して
来た。そろそろ解禁でもよかろうと考えて2月以来久しぶりに當店にうかがう。こちらは名物と言
うか看板料理がオードブルで出されるパテアンクルート。フォアグラなどを使ったパテをパイ生地
で包んで焼いたものを薄切りにして提供するお料理だ。
私はパテアンクルートは大好物なんだけどデリを含めあまり他店ではお目にかかれない。今宵尋ね
たら作るのに大変手間がかかるとのことで、おそらくそれもあって提供されにくいのだろう。こち
らは常にオードブルの一皿目として提供してくださる。
そして今宵はお客さんが我々一組のみということで特別に別室で饗していただいた。本当は別料金
なんだけど今日はサービスと言うことで。ありがとうございます。別室はお茶室の設え。こちらの
お店は元懐石料理のお店なのでお茶室もあるのだろう。水屋や躙り口その他諸々が完全にお茶室の
造りで茶道をやっていたウチの奥さんは大変興奮していた。
お料理はアミューズから。お茶室の設えに合わせたかのように上生菓子のように仕上げられたお料
理をいただく。酢漬けの鰯とジャガイモを重ねて上にお花が散らされてゼリーが被せてある。見た
目も味も申し分ない。合わせるシャンパンは秋らしく(外の気候はそうでもないけど)ピノノアー
ル主体のしっかりした飲み口のもの。香りが芳醇で文句ない。
続いてこちらの名物のパテアンクルート。正直これだけを食べに當店にうかがいたいくらいだ。こ
れは本当に美味しい。崩すのがもったいないくらいの見た目ももちろんだが。パテの色々な味と共
にいただくのはランドックの白。フォアグラに合わせクレレットダディサンという地のブドウを使
った甘口。これもいいワインでした。
オードブルの2品目は秋らしくサンマと秋ナス。サンマのスモークと秋ナスを組み合わせてサワー
クリーム主体のソースでいただく。これもため息が出るほど見事なお皿。スモークすることで脂の
乗ったサンマの生臭さが抑えられ秋ナスの食感とマッチする。合わせるワインはプロヴァンスのロ
ゼ。すごく硬質でちょっと生臭いサンマとの相性がいい。個人的には今宵最も気に入ったワイン。
続いてメインの1品目が贅沢に金目鯛とオマール海老。遊び心でイカ墨を使った魚の骨に見立てた
ビスケットを添えてある。ソースは白ワインを使った酸味の効いたソースとオマールの殻を使った
濃厚なソース。金目鯛のほろりとした食感とオマールの濃厚な風味が何とも贅沢な一品。合わせる
ワインはオーソドックスにブルゴーニュの白。ため息が出るようなお皿でした。
メインの2品目はウズラのファルシ。お店としてはウズラを出すのに若干躊躇があった模様だけど
私実はウズラが大好物。ルマンジュトゥーでも何度かいただいたことがあり今宵も大満足。そして
最近の鎌倉のトレンドなのか(笑)まず調理しているお鍋ごとウズラを見せてくれる。殻付きの落
花生と共に調理をしている。
中にピラフを詰めて落花生の香りを付けて焼いたウズラを濃厚なフォアグラのソースと共に提供し
てくださる。もちろん殻から外した落花生も一緒に。そして上にはトリュフのスライス。絶品とし
か言いようのない一皿でした。合わせるワインはオーソドックスにボルドーの赤。金目鯛とオマー
ルの後にこのお料理。今宵は何とも筆舌に尽くしがたい一夜でした。
デザートの前に食後酒としてソーテルヌをいただき、デザートはあっさりとしたフルーツ主体の爽
やかなもの。懐石料理のようでこれもまた文句無し。
そしてプティフールは名物のカルバの羊羹ショコラ他。コースの構成は予め分かっているんだけど
そういう楽しみ方もあるんだと納得した一夜でした。最後に今宵の一番のお皿を聞かれ奥さんはメ
インの2つで迷っていた。私は定番のパテアンクルートを除くとサンマと秋ナスかウズラで大いに
迷う。
イルノードのご主人が話していたけれど鎌倉界隈にある高いレベルのお料理を出すレストランが増
えて切磋琢磨が激しくなっていると。そのおかげもあってかどこのお店に行っても(と言っても私
は3軒くらいだけど)印象に残るお皿ばかりに出会う。外れが無いのだ。
かつては夜になると本当に寂しかった鎌倉も今や群雄割拠だ。引っ越してきたばかりの11年前、某
有名フレンチレストランに予約の電話をするとお昼かどうかをまず聞かれ(お昼は1ヶ月先くらい
まで予約で埋まっていた)夜だというと予約は前の日でも十分と言われたことを思い出す。今は昔だ。
こちらはもはや鎌倉フレンチの草分けのような存在だがうかうかはしていられないようだ。訪れる
お客である我々にはありがたいことなんだけど。
ごちそうさまでした。またうかがいます。
美味しいお料理とワイン、洗練された雰囲気を堪能する
英語(米語)の俗語で"White(table)Cloth Restaurant"と言う言葉がある。白いテーブルクロス
がかかったちょっといいレストランの総称だ。
大人と子供をはっきりと分ける欧米の人達。その流れを汲んでかそういうレストランに行く時はち
ょっとおしゃれをして子供は連れずに夫婦だけとかその友達の夫婦みたいな組み合わせで出かける。
子供はベビーシッターに頼んでお留守番だったりもっと大きくなると子供だけで出かけているんだ
ろう。
じゃあ子供を含んだ家族全員でご飯を食べる時はどうするか。そういう時に利用するのがつまりは
ファミリーレストランだ。日本ではイマイチ定義がはっきりせず郊外型の駐車場併設のレストラン
の総称になっているけどアメリカではそれなりにちゃんとした定義がある。アメリカで暮らし始め
た頃、初めてこのことを聞いた時は「へぇ」と思ったことを覚えている。
つまらないうんちくはこの辺でと言いたいところですが、更に個人的な話が続きます(笑)
今は食べログを引退されたけど私より少し年配のこだわりのレビュワーさんがおられた。イタリア
に娘さんが嫁いでおられて年に数か月そちらに行くことから海外のレビューが多く、更に写真がご
趣味のようで現地の空気感が感じられる見事な写真を上げていらした。例えば夕方を過ぎると急に
人通りが無くなる街の写真とかそういうのが好きでした。
そのレビュワーさんは食や飲食店にもこだわりが強く能天気な私にはやはり「へぇ」が多かった。
フランス料理は白いテーブルクロスのきちんとしたテーブルセッティングでいただきたいというこ
とで、お気に入りは帝国ホテルのレ セゾン、そしてテーブルクロスが無くカウンター形式などカジ
ュアルなセッティングで高級料理や創作料理が食べられるイノベイティブフュージョンなどは毛嫌
いされていた。
私は美味しいものを食べられればその食事環境はあんまり気にしない方なんだけど、最近はイノベ
イティブフュージョン的佇まいのお店の訪問が多くなっていたせいか、久しぶりに白いテーブルク
ロスのかかったきちんとした雰囲気でフランス料理を食べたくなった。
私のレパートリーでそういうWhite Cloth Restaurantとなると谷シェフのお店かこちらしかない。
最近は都内で飲食して家に帰るのが大変億劫になってしまっているので、1年ちょっとぶりにこち
らに予約を入れた。私の誕生日のディナーだ。
ここからようやくお店のレビューです(笑)
6時半にうかがうと以前は仕切られていた部屋のセッティングが変わり仕切りが無くなっていた。
その代わりお金持ちの家によくある炎が出るモダンな暖炉風のストーブが置いてあった。スタッフ
も変わっていて英国人のソムリエールさんは家庭の事情で英国に帰っているとのことで不在。
コースはアミューズからスタート。アミューズは冷製タイプが多いが寒い冬を意識してか暖かい牛
蒡のフラン。熱を通した白子にトリュフがかかっている贅沢なもの。これがトリュフと牛蒡の香り
が良くて体が温まりそうな一品。高級な茶わん蒸しのような風情で文句なく美味しい。
合わせるペアリングの1杯目はシャンパンでクリスチャンブザン。香りが強めで味もしっかりした
牛蒡とトリュフに負けないシャンパンでした。
続いて前菜の1品目はこちらの名物のパテアンクルート。私もそうだがこれを目当てにくるお客さ
んも多いと思われる。今日は肉感を前面に出して構成しているのでということで合わせるワインは
ブルゴーニュのラドワ。何となく私の好きなアロース・コルトンと似ていると思ったら隣の村。ワ
イン共々大変満足のお皿でした。
前菜の2品目は本鮪と椎茸のラビゴット。これが大変凝ったお料理で低温で少し熱を通した本マグ
ロの上に薄い生ハムを乗せて少し油を溶かしたものを、椎茸や野菜類を混ぜたラビゴットソースで
いただく。今宵の料理はすべて良かったけれど、これはその中でも頭抜けている。美味しかった。
合わせるワインはコルシカのロゼ。口当たりはやや甘味があるけれど後味すっきりで本鮪の脂を洗
い流してくれる見事な味わいのロゼでした。
メインの1品目は旬の鰤。ミキュイ仕立てとファルシの2種。ミキュイは想像の範囲なんだけどファ
ルシが網油と縮みキャベツに包んで調理していてこれがミンチ状の鰤と相まって抜群の美味しさ。
それを引き立てるニンジンとパプリカのソースがまた秀逸で文句ない1品でした。サントネイの白
のミネラル感との相性も抜群。
お肉のメインは子羊のロースト。子羊は俺の嫁だ(笑)合わせるのはホワイトアスパラ(まだちょ
っと早い感じ)とモリーユ茸。つけわせのパースニップのマッシュが絶妙でこれも今宵の白眉。堪
能しました。
合わせる赤ワインは今宵はコートゥドゥローヌではなくボルドー。これまでの記録が残っていて今
までと違うワインを出してくれている。子羊に合うようにフルボディーではなく軽めのサンテミリ
オンを選んでくれるところがうれしい。
デザートはクレープシュゼット。お店の構造からして流石にテーブル脇でフランベはしてくれない
けど(笑)十分美味しい。こういうデザートが食べたかったんだよなぁと思わせてくれる1品。
最後に私はお茶で奥さんはコーヒー。お茶はベルベットと言う名前でチョコレートの香りがする。
プティフールはやはり名物のCALVAの羊羹ショコラ。
久し振りにうかがって美味しいお料理とワイン、洗練された雰囲気を堪能する。ごちそうさまでし
た。またうかがいます。
英国人ソムリエールが加わり進化するシェ ケンタロウ
緊急事態宣言が終わり馴染みのお店巡りも漸く最終回、クリスマス(前)も兼ねてこちらに伺う。
HPからネット予約なのだがその手の事が大の苦手な私は案の定うまく行かない。別に複雑なシステ
ムでは無いので単に私の問題だろうけど。土曜日が空いていたので予約したのだがうまく行った気
がせずその後電話をしたらやはり取れていなかった。金曜日も満席で開いている木曜の晩に。それ
にしてもどうして世の中の人はネット予約とかできるのだろう。私には奇跡としか思えないのだが(笑)
6時半に行ってテーブルに案内される。こちらは大きなスペースに一組しか入れないのでコロナ対
策は万全だ。フロアの方が女性2名になっていた。1名は前回の方、もう1名はマスク越しだが何と
なく外国の方のような。
ワインは5種類のペアリングをお願いする。ネット予約だとすんなりいくはずなのだが電話で予約
をしているので口頭で。とは言えご用意くださっていたようでまずはシャンパンから。
シャンパンの銘柄他の発音が素晴らしいのでフランスの方かと思って尋ねると鎌倉在住の英国人女
性だった。ご主人は日本人なので英語はもちろん、フランス語も日本語も堪能。10月からお店に加
わったとのこと。彼女のセレクションのワイン(シャンパン)がお料理と素晴らしい相性で今宵は
堪能させてもらいました。
シャンパンはレモンやグレープフルーツのフレーバーがあり、それがアミューズの柿のソースやズ
ワイガニと根セロリの風味とも見事にマッチする。これは絶品でした。
続いてこちらで定番のパテアンクルート。フォアグラやイチジクを使ったパテに合わせるのはアル
ザスのゲヴェルツトラミネール。このワインはライチのような香りとわずかな甘さがあるが、これ
がパテのフォアグラとドライフルーツと絶妙に調和する。
オードブルの2品目は白子のムニエル。ブランタードも添えてある。個人的にはこれが今日の白眉。
絶妙な焼き加減の白子に焦がしバターのソース。上に振ってあるハーブも絶妙。更に南仏料理のブ
ランタードがよかった。塩ダラは日本ではなかなかいいものが手に入らないから手作りかもしれな
いけどいい風味を出していました。合わせるのはブルゴーニュの白。これも柑橘系のニュアンスが
あってお料理との相性は素晴らしかったです。
今宵のメインは割と野心的なお皿。
一皿目のお魚はヒラメのヴィエノワーズ。それにベルモットソースを合わせる。お料理自体はオー
ソドックスだけどソースはベルモットだけに甘さが表にでる。奥さんは気に入ったようだったけど
私は若干?まぁ悪くはないんだけど。合わせるワインはプロバンスのロゼ。バラの香りがソースを
引き立てていました。
お肉は短角牛のサーロイン。下に敷いてあるのは短角牛と同じ岩手の牡蠣と九条ネギ。ステーキと
牡蠣が合うのかと勘繰ったけど杞憂に終わる。どちらも結構味が濃くてそれが意外とマッチする。
合わせるワインはコート・デュ・ローヌ。最初に来た時に私がグルナッシュの風味が好きだと言っ
たのをいつも憶えていて下さる。
デザートは1種類。何となくだけどフロアのスタッフが充実した分、調理場は減っているようでそ
のせいかもしれない。とはいえピスタチオのビスキュイとミルクアイスは大変美味しかった。
最後に名物のCALVAの羊羹ショコラ他をプティフールでいただいて本日のディナーは終了。手際よ
くお料理が出されるので約2時間ちょっとで終了。年を取るとどんどんせっかちになるのでこのく
らいのペースはありがたい。
6時前に家を出て3時間半ほどで家に戻って来てDoctor Xの最終回に間に合う。年寄りにはこういう
のは大変ありがたい。また伺います。
酒類提供自粛が解けたので待望の訪問
私はあんまり熱心な食べロガーじゃないから先の方まで予約を取ったり酒類自粛期間でもお店に行
くことは無い。でも一応記念日にはちゃんとしたお店に行きたいと考えてはいるので、酒類自粛が
解けたら外に行けなかった奥さんの誕生日ディナーの代わりにここに伺いたいと思っていた。漸く
自粛が解けたので早速予約をして訪問。
こちらは普段からディナーはテーブルが6台くらいある一スペースに一組しか入れないから、こう
いうコロナ対策がしっかりしているお店は酒類自粛を免除してもいいんじゃないかと思う。
今宵のお料理は以下の通り。
アミューズ:初カツオ、ビーツ、キャビア
オードブル1:パテアンクルート
オードブル2:鰻とヤングコーン
メイン魚:イサキと花ズッキーニ
メイン肉:葉山牛のローストと短角牛のレバー
デザート:紫陽花(アイスクリーム)
食後のお茶(コーヒー)とプティフール
ワインのペアリングは
シャンパン⇒コルシカの白⇒プロヴァンスのロゼ⇒ブルゴーニュ白⇒ローヌの赤
フロアの女性が加わったのでお料理とワインは今迄に増して効率よく出される。
個人的に今夜の白眉は名物のパテアンクルートと鰻。
パテアンクルートはこちらの名物で毎回出されるが今日はフォアグラの香りとコンソメジュレの相
性がとても良くて、合わせるコルシカの白(フォアグラだから甘口)もよかった。
鰻は香ばしくローストした上にあっさり目ながら香りのいいキュウリとエシャロット、生ハムのソ
ースと焼いたとうもろこし。付け合わせが最近ご縁の多い皮つきのヤングコーン。鰻の香ばしさ、
食感と控えめに主張するソースの相性が最高で、個人的には今日一でした。合わせるプロバンスの
ロゼも大好きなグルナッシュのもので、言うことなしでした。
メインはもちろん美味しかったけれど、若干ソースの味が勝っちゃっていたかなぁという感じ。肉
料理はレバーの臭みを消すためにアンチョビバターを使っているけど、もう少し弱くてもとレバー
好きの感想でした。
デザートはこの時期らしく紫陽花をイメージしたアイスクリーム。周りのメレンゲが焦がしてあっ
てなかなか凝った一品。最後に名物の羊羹のショコラを楽しみました。
フロアには新しく女性スタッフが。普通の高級店でも出されないような凝った食材と面白いワイン
を出すこちらのお店。説明が大変そう。慣れるまで大変だけど勉強になるんだろうなと思います。
ケンタロウさんは私がグルナッシュが好きなことを知っていてワインを選んでくれているようだけど、
日本人でグルナッシュが好きですなんて言う人が一体何人いるのだろうか。
ご迷惑を掛けます(笑)
2020年に出会ったずっと通い続けたいお店 その3
個人的には今年最大の発見だと思う。次に出てくるお料理やワインにドキドキして、そしてそれが
更に期待を上回るという体験は久し振りだ。特にワインのセレクションが群を抜いている。今宵も
予約をして再訪。夜は基本2組なので贅沢な雰囲気を味わうことができる。
今宵いただいたのは以下の6品プラスプティフール。
アミューズ:三陸帆立のロワイヤル
オードブル①:パテアンクルート
オードブル②:勘八・茄子・パプリカ
魚料理:鰆・アンディーブ・シャルトリューズ
肉料理:蝦夷鹿のロースト・腿肉のエフィロッシュ
デザート:マロンタルト
オードブルはこちらの定番のようでスタイルは前回と同じだが内容は変わっている。パテアンクル
ートの色見は見事。2品目のオードブルは前回はタコだったが今回は勘八。
お料理はすべて口に含んだ途端に「あー美味しい」という言葉が出る。その中でも今宵の個人的白
眉は蝦夷鹿のロースト、火入れが見事で付け合わせのエフィロッシュも美味しかった。
こちらの魅力はワインのセレクションにも表れる。
最初の泡はシャンパーニュで、シャルドネ100%のタイプ。シャルドネ100%のシャンパーニュ自
体久し振りだが、きりっとしたシャープな味が、アミューズの帆立とマッシュルームのスープを引
き立てる。
パテアンクルートにはユニークなボトルのアール・ ドゥ・ ヴィーヴル 。クレレット・ダディサン
という口当たりの甘いぶどうを使っている。これがパテのフォアグラとベストマッチ。マリアージ
ュという言葉が頭に浮かぶ。
次に勘八に合わせるのはサンセールのロゼ。サンセールにロゼがあることは初めて知ったけど、風
味はもちろんその色が本当に素晴らしい。いつまでも愛でていたいようなみごとなロゼピンク。
メインの魚に合わせるのはブルゴーニュのリューリー。本日のコースでは一番オーソドックスなペ
アリング。いただいたリューリーは樽香があって、古い造りの日本酒のような後味が残るいい感じ
でした。
メインの蝦夷鹿のローストに合わせるのはローヌのジコンダス。前回私がシラーとグルナッシュの
組み合わせが好きだと言ったのを覚えていて選んでくれたようだ。ローヌのワインはコート・デュ
・ローヌを始め飲みやすい、飲み口が優しいワインが多いんだけど、これはツンデレというかちょ
っと硬質でスパイシーな飲み口で、多分一番好きなタイプ。すごく美味しかった。ジコンダスのワ
インは初めてだったけれど、こんどお店で探してみようと思う。
デザートのマロンのタルトも、開放すると中からソースが溢れてすごく美味しそう。そして美味し
い。ケンタローさんはコースの中でデザートが一番美味しいというお客さんが多くて困ると謙遜さ
れていたけど、それくらい見事なデザートでした。
ごちそうさまでした。来年もまた伺います。
久し振りに再訪したい高級フレンチに出会いました
ちょっとした記念日で事前に予約して訪問。タイトルにグランメゾンと書こうとして念のために調
べたらフランス語じゃなくて日本語(和製フランス語)だそうなので高級フレンチにしました(笑)
私もたまにそういう高級店に行くが、評判を確かめてから行くのであまりお料理で失望したことは
無いんだけど、その後通うかどうかはプラスアルファの要素が必要になる。10年以上通っている牛
込神楽坂のル・マンジュ・トゥーは、居心地の良さというか相性の良さがプラスアルファの要素だ。
プラスアルファの要素はそこのお店の人とかサービスのスタイルに依存する傾向が強い。地元では
昨年まで佛蘭西料理 名古屋に通っていたが、支配人の川井さんがお家の事情でお店を離れてしまっ
たので少し間が空き、最近ではシェフが代わられたという話を聞いて益々足が遠のいてしまった。
名古屋の料理のレベルは特筆すべきレベルだったし、川井さんのサービスはすごく相性が良かった。
鎌倉は世田谷区と並んで高額所得者の比率が多いエリアだそうなので高級レストランも多い。ただ
高額所得者が多いだけではなく高齢者の比率も全国有数の鎌倉では、都内ではあまりない独特のス
タイルのサービスが見うけられる。よく言えばホスピタリティーに溢れた、悪く言えば老人ホーム
みたいなサービスだ。都内でよくある(というほど都内の店には行っていないけど)洗練されてい
るというか、ちょっとクールなサービスを提供するお店は少ないのだ。
こちらのお店は鎌倉にしては珍しく後者のタイプのサービススタイルのお店だった。大船に在った
時はビストロ風のお店だったが、北鎌倉に移ってオーナーのポリシーが前面に出る高級フレンチ店
を目指しているとのこと。予約の時にうかがうと、コロナの事もあって現在ディナーはは3組(実
質的には2組)のお客さんしか受けていないとのこと。
6時半にお店に伺う。古民家をリノベ―トしたらしい店内は和モダンのテイスト。フロアの半分を
仕切ってそこに1つずつテーブルをセットしてあるので、個室で食事を楽しむ趣となる。BGMはジ
ャズのピアノトリオが演奏するクラシック。窓の外は綺麗にライティングされた和風の庭。雰囲気
は申し分ない。バブルの頃によくあった青山あたりで洋服屋さんがやっているコンセプト先行型の
レストランのようだ。これ一応褒めてますんで(笑)
お客さんは2組と言うことで、お店のスタッフもフロアと厨房に一人ずつ。シャンパンをグラスで
いただいて、置かれているメニューを眺める。コースは、アミューズ、オードブル2品、メイン2品
の構成。シャンパンはナポレオン。コクがある美味しいシャンパンでした。テーブルセッティング
にお箸があるのは高齢者が多い鎌倉ならではか。
アミューズはパテアンクルートから。アミューズにしてはボリューミーだが、色彩と言い味わいと
言い素晴らしいものだった。そしてパテだけではなく付け合わせの野菜やハーブの香りと味わいが
見事なことと言ったら。先制パンチで完全にケンタロウさんのペースにはまってしまう。
ワインはペアリングでお願いする。
オードブルの1品目は佐島の蛸。低温調理で絶妙な食感に仕上げてある。下に敷いてあるナスのソ
ースや彩のパプリカのソースもいい。合わせるワインはコルシカの白。海辺のワイナリーなので
少々塩味が感じられる味わいという説明だが、正にその通りで、タコにすごくよく合うワインでし
た。お皿を下げてもらう時に奥さんが蛸の食感を褒めると、いろいろやってみて低温で1時間が一
番しっくりくる食感だったとのこと。
オードブル2品目はフォアグラのソテー。ビーツのソースを合わせるのがちょっと冒険。白ニンジ
ン(パースニプス)をパウダー状にしたものが振りかけてある。目にもきれいな一皿。合わせるワ
インはカプマルタンというフランス西南部の甘口の白ワイン。ソーテルヌよりも複雑で味わい深い
ものでした。
メインの1皿目は鱸。ミキュイ風に仕上げて、パスタ状に切ったズッキーニの上に乗せて、全体に
人参のソースをかけたもの。鱸とズッキーニの食感もさることながら人参のソースが面白い。甘み
と酸味があるのでラぺのようにオレンジジュースを使っているかと思って尋ねると、人参だけで作
っているとのこと、素材に拘わっているんだろう。
合わせるワインはグルナッシュのロゼ。グルナッシュは大好きなブドウだけどロゼは飲んだことが
無かった。グルナッシュの力強さは残しながらも複雑な味わい。素直な鱸のお料理だとちょっとワ
インが勝っちゃうかもしれない。
メインの2皿目は仔羊。ちょっと辛い青唐辛子のソースを周りに塗っている。付け合わせはメルバ
トーストを生ハム風にした豚の脂で包んだもの。仔羊は見た目からはオーソドックスな味わいを想
像するけど、唐辛子の辛みを生かしたちょっと和風を思わせる、けれども甘みを抑えたユニークな
味付けで驚かされる。付け合わせ共々絶品でした。
合わせるワインは南フランスのシラーとグルナッシュの赤。コート・デュ・ローヌによくある組み
合わせだけど、よりスパイシーな味わいで青唐辛子の仔羊といいコンビネーションでした。
デザートはエキゾチックシブースト。マンゴーと焼きバナナを使ったシブーストにマンゴーのソル
ベ。シブーストはちゃんと甘くて香ばしいフレンチらしいデザートでした。マンゴーな苦手な奥さ
んに手伝うかどうか尋ねると、こういうちゃんとしたマンゴーソルベは問題ないとのこと。この人
炭酸は苦手と言いながらシャンパンとビールは好きって言うし、かなり滅茶苦茶な人です(笑)
そしてデザートにはお抹茶を合わせてくれる。
最後にプティフールとお茶。プティフールは予想通りCALVAのショコラ3種。お店で売っていて気
になった羊羹ショコラも。これは好き嫌いが分かれるかもしれない。
ここから家まで近いんでエスプレッソを貰おうかと思ったけど(東京で飲み食いした後にエスプレ
ッソだと帰宅途中に胸やけがしてくる、年ですねぇ)お茶のセレクション見せてくれたので、折角
だからとジンジャーティーをいただく。
舌だけじゃなくて心持も満足した高級フレンチでした。次に出てくるお料理やそれに合わせるワイ
ンにドキドキしたのも久しぶりの事。最初ケンタロウさんは厨房に居るのかと思ったけど、フロア
の方のお料理とワインの説明は只者では無いので恐らくそうかと思っていたら、名刺をいただいた
らやはりケンタロウさんがフロアに出ていました。恐らく仕込みから調理の大半まで彼が主体で行
って、後は最後の仕上げだけにしてフロアに出ているんだと思います。それだけお店に思い入れが
あるんでしょう。
現在はコースは9,000円の1コースのみ。ワインのペアリング4杯とシャンパン2杯を入れて36,000
円(税込み)ほどのお会計。これだけのレベルのお食事をいただいた後では満足度は高いです。久
し振りに再訪したい高級フレンチに出会いました。
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店名 |
シェ ケンタロウ
|
---|---|
ジャンル | フレンチ、創作料理 |
予約・ お問い合わせ |
050-5597-7862 |
予約可否 |
予約可 |
住所 |
このお店は「鎌倉市大船1-12-18」から移転しています。 |
交通手段 |
JR北鎌倉駅から徒歩1分 北鎌倉駅から245m |
営業時間 |
|
予算 |
¥15,000~¥19,999 ¥5,000~¥5,999 |
予算(口コミ集計) |
¥15,000~¥19,999
¥8,000~¥9,999
|
支払い方法 |
カード可 (VISA、Master、JCB、AMEX、Diners) 電子マネー不可 |
サービス料・ チャージ |
サービス料なし |
席数 |
30席 (テーブル20席、個室4席、カウンター6席) |
---|---|
最大予約可能人数 |
着席時 30人、立食時 50人 |
個室 |
有 (2人可、4人可) 半個室あり(12名様まで) |
貸切 |
可 (20人以下可) |
禁煙・喫煙 | 全席禁煙 |
駐車場 |
無 近隣にコインパーキングあり |
空間・設備 | オシャレな空間、落ち着いた空間、席が広い、カウンター席あり、車椅子で入店可 |
ドリンク | 日本酒あり、焼酎あり、ワインあり、カクテルあり、ワインにこだわる |
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利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
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ロケーション | 隠れ家レストラン |
サービス | 2時間半以上の宴会可、お祝い・サプライズ可、ドリンク持込可、ソムリエがいる、テイクアウト |
お子様連れ |
子供可(乳児可、未就学児可、小学生可)、お子様メニューあり、ベビーカー入店可 |
ホームページ | |
公式アカウント | |
オープン日 |
2017年12月12日 |
電話番号 |
0467-33-5020 |
初投稿者 |
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2週間遅れの結婚記念日で。先々週にうかがう予定が夫婦二人して高熱を出したので。折角のディ
ナーなので食欲が戻ってからと大事を取って今日に。この時期は夕方でもとんでもなく暑いので出
来るだけ駅から歩かないお店はありがたい。
6時半過ぎにうかがう。今宵は平日と言うこともあってか貸し切り。というかこう暑いと出かけよ
うという気にならないのだろう。飲食店は大変だと思う。
いつものようにシャンパンをいただきながらコースの開始を待つ。シャンパンはPierre Roman。
シャルドネ主体で夏らしく切れのいいシャンパンでした。
アミューズは帆立のクレープ、キャビア載せ。ソースはシャンパンのソース。とにかくソースが美
味しくてと言ってアミューズなのでスプーンやパンが無く。お皿を下げてもらう時に後ろ髪を引か
れる(後ろ髪は無いんですが笑)一皿でした。
続いてこちらの名物のパテアンクルート。前回学習したので本日は私は一切れ付けで。大変美味し
くいただきました。ずっと食べていたいお皿です。
合わせるワインは當店の定番、甘口のジュラ―ルベルトン。パテにぴったりです。
オードブルの2品目はウナギとフォアグラ。それに甘味が強い玉蜀黍を添えてある。ソースはウナ
ギの骨と赤ワインで作ったもの。つまり蒲焼風。ウナギの皮が香ばしく焼いてあってフォアグラと
意外と相性が良くて大満足。和食でも出せるお皿だと思いました。
合わせるのはプロヴァンスのロゼ。きりっとして美味しい。最近はこの手のプロヴァンスのロゼが
すっかり定着した感がある。
メインの一品目はイサキ。旬の後期のお魚だ。これも他店を意識してかお鍋でまず見せてくれる。
アクアパッツァとブイヤベースの中間ような感じ。ポルトガル風というのはそういうことか。見た
目からわかる通り不味い訳が無い。滋味豊かで美味しくいただきました。
合わせるワインはオーソドックスにブルゴーニュの白。わざわざブルゴーニュで日本向けに作った
ワインとのこと。ブルゴーニュワインは高いし昨今の円安で益々値段が上がっているので日本向け
にアピールしようということか。フルーティーさよりきりっとした白ワインでした。
メインの2品目は赤牛のサーロイン。これがもう脂の乗りも最高でとろけるような味わいでした。
超満足。
合わせるのは割と珍しい(あくまで私にはです)オーソドックスなボルドーの赤。マルゴーエリア
の物。私も良く買うけど(もちろんシャトーマルゴーではありません笑)このエリアのワインは外
れが無いと思う。美味しくいただきました。
デザートは夏らしく爽やかなもの。事前に奥さんにマンゴーの断りを入れてくれる。奥さんがマン
ゴーがあまり得意でないこともご存じ。こういうお気遣いはありがたい。
上に乗った細工の名前は聞いたんだけど忘れてしまいました。ただこれもすごく美味しい。爽やか
で涼し気で。
最後にミニャルディーズ。こちらはいつもCALVAの羊羹ショコラが付く。
ごちそうさまでした。期待を裏切らない美味しいお料理でした。特に今夜は豪華食材のオンパレー
ド。ため息が出るほど美味しかったです。
またうかがいます。