[馬車道常盤町]幼少期から通い続けている極私的ソウルフード : 勝烈庵 馬車道総本店

今も昔も横濱馬車道と云えば文明開花の地、ガス灯やアイスクリーム発祥の街として親しまれていますが、私にとっては物心つくかつかないかの頃から両親と祖父母と一緒に買物や食事に連れてきてもらったホームタウンです。

私が子供の頃の馬車道や伊勢佐木町は、それはそれは華やかで、見るもの聞くものが全て素敵に思えて、食事もカフェも手土産を買うのも、毎月祖父母に数台ずつ買ってもらっていたミニカーを今日は何にしようかなとおもちゃ売り場で探し回るのも本当に楽しかったです。
幼い頃の思い出、今から50年以上前の話ですけどｗ

今は既にありませんが、毎月通った床屋や横濱東宝会館（初めて観た映画はバンビですｗ）があったのも、初めて食べたステーキ屋（当時はビフテキと言っていましたｗ）があったのも、高校の授業をサボって悪友と珈琲を飲んで食事をしたのも、そしてワイフと初デートをしたのもｗここ馬車道です。

あ、そう言えば初めてたらこスパゲティを食べたのも＆その作り方を教わったのも馬車道のカフェでしたし、高校生の時に書いた研究論文で表彰されたのも（授業サボってた割にはｗ）馬車道の関内ホールでした。

ということで、馬車道には今でも実家に寄った帰りがけに立ち寄ることがあります。
今日はワイフが珍しくとんかつが食べたいと云うので、それなら馬車道の勝烈庵だよねということで寄り道です（横浜駅西口のダイヤモンド地下街ｗの店とは全然違います）。
思えば馬車道の景色も随分と変わりましたが、半どんや十番館（両店とも勝烈庵の系列店です）、ライブハウスのエアジン、グリル・エスや生香園などは健在です。

今日は馬車道の入口までタクシーで来て、ちょっとわかなにも後ろ髪を惹かれつつｗ勝烈庵の前に行くと、数名の行列ができていました。
入口の脇にあるウェイティング・リストに名前と人数を書いて、炎天下＆灼熱地獄で待つこと15分ほど（永遠に感じました＆ワイフは日蔭に避難させました）名前を呼ばれて店内へ。
お、ラッキー！揚げ鍋前のカウンター席に陣取ることができました。
ここ何回かはいつもテーブル席か2階席だったので久しぶりです。

では、席につくなりビール！
馬車道では、というか横浜ではビールと云ったらキリンです。
実家の近くにはキリンビール発祥の地、キリン園公園がありますし。
この公園はもともと天沼という池で、そこから汲み上げた水でビール製造を開始したのがキリンビールの始まりと聞いています。

キンキンに冷えたキリンラガーの中瓶と同じく冷えたグラス（ここはキリンのロゴ入りのコップが良かったけどｗ）とお摘み代わり？の細切り昆布の佃煮が置かれました。
先ずは身体を冷やすべく、ゴキュゴキュゴキュと2杯ほど呑んでビールを即お代わりしｗ漸くメニューの検討に入りました。
喉カラカラなので、細切り昆布の佃煮は後ほどいただきますね。

久しぶりにキリンラガーを呑んだので、ビールのアテになる物が欲しくて旬の野菜揚げとグリーンアスパラガスの肉巻き、食事はワイフが大勝烈定食、私は散々迷って一口ひれかつを2つと串かつ、それに数量限定と書かれているやまゆり大定食にしました。
あ、ビールもお代わりください。

すると、私の目の前に立っている白衣の太っちょ（失礼）から、野菜揚げにもグリーンアスパラが入りますが肉巻きはどうされますか？それとお客様のご注文は一皿に乗り切らないので別皿で提供しても宜しいですか？との丁寧な確認の問いかけがありました。
グリーンアスパラガスの揚げ物は10本くらい食べたいから注文が重なっても問題ないですし、無理矢理一皿に盛って落としたら一大事ですから、別皿で全然結構ですよ。
さすが総本店、細かい配慮＆社員教育が行き届いていますね。

さてゆっくり呑んでいるつもりの3本目のビールがなくなりかけた頃、目の前の白衣の太っちょ（失礼）が、前から失礼します野菜揚げです、と手渡してくれました。
おお、結構なポーションだね。
串に刺した獅子唐に茄子、確認してくれたグリーンアスパラガスが中央に聳えていて、椎茸やインカの目覚め、長葱もお皿に乗っています。
どれも揚げたてアツアツ、旬の野菜の滋味と甘味が強調されて大変美味しいですね。
塩、ポン酢、ソースでいただきましたが、椎茸とポン酢のコンビがブロディ＝ハンセン並みでしたｗ
目の前の白衣の太っちょ（失礼）にビールのお代わりお願いしないと。

続いてグリーンアスパラガスの肉巻き。
野菜揚げに入っていたアスパラの2倍は長くて太い立派なサイズで、豚バラ肉が巻きつけてあるので食べ応え満点です。
これはソースで美味しくいただきました。
付け添えのキャベセンがまた美味しいよね〜。

ビールと揚げもんをたっぷり楽しんで（しかもベジタブル・ファーストでヘルシーな気すらｗ）お食事タイムです。
ホールの男性がご飯と御御御付け、千六本の大根のお新香をセットしてくれて、ワイフの大勝烈が先に登場です。
大勝烈はひれ肉の180gで、叩いてあるようで厚さはなく、その代わり結構な大きさです。
一つ貰いましたが、大変柔らかくてサクサク、軽いなぁというのが第一印象です。
でも肉の旨味がしっかりしているので、噛むごとに旨味が湧き出してくる感じ。
ガツガツ食べずにゆっくり噛み締めていただくのが正解かと思います。

私の一口ひれかつと串かつもほぼ同時に出てきました。
あれ、一口ひれかつが1つしか・・・と思って白衣の太っちょ（失礼）に目を向けると、心配するなと言わんばかりにｗ1つ召し上がったら揚げたてをお出しします、とのことでした。
細かいご配慮ありがとうございます！

一口ひれかつは棒状のひれ肉を輪切りにして揚げてあり、揚げてから2つに切って出してくれます。
ワイフの大勝烈と違って厚みがあり、食感はこちらのほうが数段好みです。
やっぱりかつは厚みが欲しいよねぇｗ
ワイフと半分ずついただいて食べ比べもできましたからこれで正解です。

串かつは意外なことに（記憶になかった）串を外して提供されます。
まあそのほうが食べやすいことは間違いないですけど、串かつの串を抜いたらただのかつｗ
串ごと豪快に齧りつきたいよねぇやっぱり。
以前は串を打ったまま提供していたと記憶していますが、白衣の太っちょ（失礼）に聞いてもなぁ。
さらに別皿で提供された一口ひれかつをガブリと齧りつつ、何となくもやもやしたのでしたｗ
まあいいか、ビールください。

そしてメインのやまゆり大かつ登場。
うーむ、肉の味が濃い＆強い。
これだけロースの脂が主張してくると、林SPFも鹿児島の黒豚もあぐー豚もTOKYO Xも良いけど、地元神奈川のやまゆりポークも素晴らしい味わいです。
しかもご飯にものすごく合いますどんぴしゃですぴったり密着です。
目の前にいる白衣の太っちょ（失礼）に何で山百合なのか聞いたら、脂身の白さが山百合を連想させるからだそうですよなるほど（それは違うと思うｗ）。

ビール6本呑んで揚げもんガツガツいってますから、ご飯はお代わりしないように少しずつ口に運んでいた（つもりな）んですけど、結局2杯お代わりする羽目になりました。
私に責任はありませんやまゆりポークと御御御付けの所為です。
美味しいものは白いご飯がどんどんなくなるし、しかもいくら食べてもお腹いっぱいにならない気がするものですよねｗ

お店に入った時は満席だったのに、いつの間にかお昼のピークもとっくに過ぎて、カウンター席は我々夫婦だけになっていました。
あら、結構長っ尻しちゃったのねｗもう14時過ぎてる。

お腹をさすりながら席でお会計してｗ店を出ると、入口までホールの男性と白衣の太っちょ（失礼）が見送ってくれました。
たくさん召し上がっていただいて有り難うございますと言われ、実は子供の頃からこちらには伺っているんですと言ったら、有難いことにそう云うお客様がたくさんいらして、お子様やお孫さんを連れてお越し下さっています、とのことでした。
やはり良い店は客も受け継がれていくものなんですね・・・納得。

さあ、お腹熟しに伊勢ブラｗでもして崎陽軒のシウマイ買って帰りますか。
この店にはきっと死ぬまで（正確には死ぬ少し前までｗ）通うんでしょうね。
ご馳走様でした！！