貸切風呂でのんびりできる宿 : 上越館

　毎年恒例の冬の温泉旅。今年も1月に予約していましたが、緊急事態宣言によりキャンセル。解除された4月に行くことにしました。宿は水上温泉郷の一つでうのせ温泉の上越館。以前から行きたい宿の一つで、5部屋しかなく（現在は3室で運用）3つある風呂は全て貸切で楽しめるという、まさに今のご時世にピッタリの宿です。

　昼食後、ふれあい交流館で日帰り入浴。電話をし迎えに来て頂きました。部屋は2階の和室10畳＋洋室（ベッドルーム）8畳の「美女柳」というお部屋。公式HPから予約し、土曜日泊で＠29700円（税込）＋150円（入湯税）＝＠29850円となります。風呂は1階に24時間入れる貸切内風呂が2つと予約制で15時～21時、7時30分～10時30分まで利用できる貸切露天風呂が1つ。アルカリ性の単純温泉。加温、加水なしのかけ流しで肌当りの優しいいいお湯で、久しぶりの温泉を満喫しました。

　夕食は個室の食事処で。18時 or 18時半が選べ18時からお願いしました。当日の献立は…。

夕食

●食前酒　梅酒　　梅のエキスがしっかり出ており、コクのある梅酒。

●前菜　　つぶ貝と菜の花のお浸し・フキノトウと鱒のキッシュ・焼き湯葉柚子味噌かけ・和牛手毬寿司・若竹煮・空豆
　春らしい味わいのものが並ぶ中、フキノトウと鱒のキッシュはほろ苦さもあり美味しかったです。

●ほうれん草のポタージュ　　鮮やかな緑色が目を惹きます。塩分控えめながらも生クリームのコクがあるポタージュに、美味しい出汁を吸った大根、平目のソテー、牛蒡素揚げが美しく盛られており、味と食感の変化があり楽しい。そして今回頂いた中では一番印象に残る一品です。

●岩魚塩焼き　　カリフラワー酢漬け、山葵クリームチーズとフルーツトマト　　焼き立てを提供され、炭で焼かれた香りが良くホックホク。普通に旨いですが、身はほっそりしているように感じました。

●お造り　　イワナのコリコリした歯ごたえと淡泊ながらもねっとりした旨味を感じるスズキ。そして湯葉という取り合わせの上手さを感じます。魚はどちらも鮮度の良さを感じ旨いです。

●ロール白菜　　美味しい出汁が効いていますが、ちょっと家庭料理っぽいかな。

●和牛もも肉陶板焼き　　もも肉と言っても霜降りのよう。鰹の出汁が効いた自家製ポン酢がさっぱりしており、くどさを感じずに美味しく頂けました。

●天婦羅　　やまと芋磯辺揚げ、クレソン、フキノトウ
●ホタルイカとセリの酢味噌かけ　　この2品は普通に美味しいが、もう一工夫欲しい。ちょっと尻すぼみな印象も。

●筍ご飯　海苔お吸い物　香物　　筍が生姜の千切りかと見間違えるほどのものしか入っていない。見つけるのに一苦労。これは少なすぎて残念。

●デザート　　桜葉のチーズケーキとりんご（フジ）　　桜葉の塩味と香りが新鮮な味わい。引き締まります。

　お腹は一杯になり苦しいぐらい。食事終わりに朝食をご飯食かパン食どちらにするか聞かれたので、（二人合わせる必要ななく）両方を頂く事に。

和朝食　
●炊合せ（車麩・里芋・ほうれん草）
●出汁巻き卵
●イカ刺しと胡麻豆腐
●カンパチ塩焼き、お揚げ、昆布佃煮
●湯豆腐　　鱈、エノキ、長葱など
●土鍋ご飯　香物　味噌汁（ナメコと玉葱）

洋朝食
●ミモザ風サラダ（生ハム、リーフレタス、ベビーリーフ、トマト、ブラックオリーブ他）
●メインプレート（ローストポーク、イタリアのウォッシュと黒ビールのチーズ、キャロットラペ、茄子トマト煮、コチのマリネ、スクランブルエッグ）
●ポトフ（鶏肉、人参、玉葱、ブロッコリー）
●パン2種（ナッツ・胚芽を練り込んだパン）
●甘夏のジャム　
●ピクルス（マッシュルーム・赤オニオン）

共通メニュー
●昆布茶　野菜ジュース　ヨーグルト
●デザート（イチゴと白玉）　コーヒー（相方はホットミルク）

　たぶん今まで食べた宿の朝食の中では一番充実しており丁寧に作られています。和食では土鍋で炊いたご飯が嬉しい。出汁巻き卵や湯豆腐なども旨く、意外なところでは自家製を思われる昆布の佃煮やフキノトウのぬか漬けが自然な美味しさで良かったです。洋食は、普通にビストロで出るランチでしょう。（いやそれ以上！）ローストポークに美味しいチーズ2種も付き、朝からワインが欲しくなります。

　夕食ではもう一工夫欲しいものが数点ありましたが、概ね満足。朝食は申し分なかったです。何より久しぶりの温泉旅行で現在のような状況でも貸切風呂で気兼ねせずゆったりできたのが良かったです。ただこの金額ではそう簡単に伺えないので、一番リーズナブルな「山吹」の部屋が使われるようになればまた伺いたいですね。