色んな味のラーメンがある鞍手の良店 : ラーメンハウス　味良

つい先日、直方感田の『千成や』さんの口コミにも書いたように、筑豊地方の主に味噌ラーメンを扱うラーメン屋さんは辛ねぎラーメンが人気なよう。

理由は定かじゃないんだけど、まあ、どこか繁盛店の人気メニューを他店がこぞって真似をした、いや、言い方が悪いな、インスパイアされた可能性が高いんじゃないでしょうか？

いくらなんでも同時多発的に同じメニューが人気になるなんて有りえませんからね？

ってなことで、今回の同店『ラーメンハウス 味良』さんなんですけど、実は以前この辺りで用があり、立て続けに行ったことがあったんで、一番人気の

『ネギみそラーメン（辛） 840円』

の味は知ってました。

って、この10年近く伺ってないから、果たして以前と変わらない美味しさか定かではなかったんで、再確認の意味も込め、ハンドルを切った次第です。

で、その同店『ラーメンハウス 味良』さん、最大の問題点は場所で、鞍手町室木地区の県道55号宮田遠賀線と、その旧道（だったと憶う）の真ん中にあり、かといって、行けば分かるとは思いますが、特に南下してくる場合は通り過ぎないよう注意してください。

『うどん屋 仁』さんまで行ったら行き過ぎです。

逆に宮若市（旧.宮田町）方面から行かれる場合は店舗正面が向いてるんで、たぶん分かるんじゃないでしょうか？

近くには看板もあり、ナビも今の車は付いてるでしょうから、まあ、分かるとは思いますけどね。

そして当日は正午前に着き、駐車場もまだ空きがあったから余裕をかまして暖簾をくぐると、どうやら直前で満席になったようで、名前を記入して待つ羽目に。

けれども以前もそんな感じだったし、近隣に住まわれてる方には失礼ながらハッキリ言って世間から見捨てられたような片田舎なのに、満席になること自体が美味いお店の証拠ですからね。

ですが、そこは勝負の早い麺類だけに２〜３分で店内へ招ばれ、相変わらずお一人様なのにテーブル席を独り占めできましたが、さすがに10年振りともなると、多少リニューアルされたような気もする？

って、あくまで感覚的な物なんで定かじゃないし、外観よりは店内ちゃんとしてるとは思いますが、どっちか言うと旧いタイプのラーメン屋さんです。

その店内はカウンター６席、４人掛けテーブル席が３卓、小上がり６人掛けテーブル席が２卓で、厨房にご主人と男性が後一人おられるのか、ホールは女将さんと息子さんか若めな男性アルバイトさんかの、計４名でしょうか？

で、予めオーダーは決まってたから、お冷を持ってこられた女将さんに上記の品をお願いしたんだけど、すぐ後に席案内された後客さんが

『スーパーネギみそラーメン（大辛） ￥840』

を頼まれてて、普通の辛ねぎラーメンはそこまで辛くはないから、そっちにしときゃ良かったと後悔しました。

それって、ここかどこかか憶えてないんですが、前もあったような気がするんだけど、まあ、俗に言う『覆水盆に返らず』なんで、いくら悔やんだからってどうにもならないんですけどね。

それに、もし辛すぎた場合には今回の個人的な特集、味噌ラーメンの枠から逸脱、激辛のフィールドに入っちゃいますし。

〝なんか昔よっかシャレとーやん？〟

さすがに満席でしたから、提供されたのは７〜８分後でしたが、まず見た目からして昔より垢抜けた感じがする？

まあ、あくまで拙い記憶なんで話半分だとしても、多少ブラッシュ・アップしてるような感も？

とはいえ、お店の雰囲気を含め全体的に昭和な感は残っており、それは写真からお分かりか、味噌ラーメンなのに
キクラゲが入ってるところに現れてるような気がします。

〝うむ、うむうむ〟

で、味の方は変わらないようで静かな変化をしてるのか中々で、辛ネギ自体は辛いっちゃ辛いんだけどピリ辛程度で、食欲を刺激する役目に過ぎない。

歯応えを含め、アクセントに過ぎず、決して出しゃばりません。

結局、なにが言いたいのかと言えば、基本の味噌ラーメンそのものは昭和の奥深さもない、といって令和の面白みもない、ある意味で平坦な味なんですが、だからこそ辛ネギが活き、効果を存分に発揮できてるというわけです。

昭和の『どさん子』ブームによる濃さも程々に、それから今日、令和に至るまで、あまねく知られた本場たる札幌っぽさもない、あくまでご当地、筑豊で生まれた独自性が垣間見えるんですよね。

となると、特に九州は福岡県、しかも筑豊ともなると薄めに感じられる方もいらっしゃるでしょうが、その全てをブチ壊すのが辛ネギってことなんじゃないでしょうか？

この味付けが絶妙で、ちょっと後出のお店とは違う。

それが前出した直方感田の『千成や』さんにもあるから、個人的な感想ですが今回の同店『ラーメンハウス 味良』さんと並んで、この２店は別格なような気がします。

シャキシャキした軽い歯応えも愉しいし、だからこそ麺と一体化しやすく、元の味噌スープの軽さも加わり、気がついたら食べちゃってるような感じ。

といって、その麺は黄味がかった強いちぢれ具合の中太で、さすがに個人的に好きな範疇を軽く越えちゃってるんだけど、それで最終的には纏まってるんだから、なんだか大したもんです。

そんな麺だから流石に喉ごしは悪く、モタつきもするから決して良い印象はないんだけど、辛ネギの歯応えが軽いから辻褄が合ってるような感じがするのかもしれません。

いや、それを超越して密かに美味さのフィールドにまで入り込んでるのは、まあ、天晴れと評するしかないんじゃないでしょうか？

味変は胡椒はもちろん、意外とお酢が合い、よりサッパリさせることで食欲が増すのが、実は同店の秘密なのかもしれません。


● 個人的 食べログ 評価点・・・3.8