1月7日、特定非営利活動法人東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会及び東京都は、2020年オリンピック・パラリンピックの詳細な開催計画を記載した立候補ファイルをIOCに提出した。同ファイルには、大会のビジョンや競技会場など全14項目が記載されているという。
そのなかでも大きなトピックとしてあげられているのが、メインスタジアムとして予定されている新国立競技場の存在だ。なんでも現在ある国立競技場を解体し、その場所に新たなスタジアムを建設するというのだ。2019年完成予定という新スタジアムは、去年の11月に最終審査が発表され、最優秀賞にイギリスの女性建築家ザハ・ハディド氏が代表を務めるザハ・ハディド アーキテクトの作品が選ばれた。
どこかSFの世界を思わせる未来的なデザインだが、新国立競技場基本構想国際デザイン競技審査委員会はどのような評価を出しているのだろうか。新国立競技場 国際デザイン・コンクールのサイトから講評の一部を抜粋して紹介しよう。
「Zaha Hadid Architectsの提案は、スポーツの躍動感を思わせるような、流線型の斬新なデザインである。極めてシンボリックな形態だが、背後には構造と内部の空間表現の見事な一致があり、都市空間とのつながりにおいても、シンプルで力強いアイデアが示されている可動屋根も実現可能なアイデアで、文化利用時には祝祭性に富んだ空間演出が可能だ。とりわけ大胆な建築構造がそのまま表れたダイナミックなアリーナ空間の高揚感、臨場感、一体感は際立ったものがあった。この強靭な論理に裏付けられた圧倒的な造形性が最大のアピールポイントだった」
このように日本の先進性発信できるデザインであることが評価につながったようだ。
ちなみに、優秀賞にはオーストラリアの建築家アラステル・レイ・リチャードソンが代表を務めるコックス・アーキテクチャー ピーティーワイ エルティディの作品が選ばれ、入選作には日本から有限会社SANAAと株式会社日建設計のユニットによる作品が選ばれた。
■優秀賞 「コックス・アーキテクチャー ピーティーワイ エルティディ」の作品
■入選「有限会社SANAA+株式会社日建設計のユニット」による作品
もし予定通り新国立競技場が建設されるとすれば、実際にお目にかかれるのは今から6年後。その日が来るまで期待して待つとしよう。