専門的な経理業務へどうステップアップさせる?
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- 作者: 小島孝子
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2014/03/25
- メディア: Kindle版
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経理業務は、「日々の記帳ができる」からはじまります。
日々の現金出納から、固定資産の取得や減価償却、税金の納付など。
これは簿記ができず、会計の理論がわからなくてもある程度引き継ぎを受けて、前の処理を見ながら見よう見まねで取り組めば誰でもできるようになるでしょう。
そして、ある程度経験を積んでいって、会計ソフトの助けを借りれば、本書では第3章の「決算にチャレンジ」まではいくでしょう。
そこからステップアップして・・
「財務諸表が作れる」
「税務申告ができる」
「計数面の経営管理ができる」
まで、本書でいいますと、第4章以降で解説されている業務までの距離が非常に大きいです。
これらの専門的な経理業務をこなすためには、それなりに財務会計の理論、税法や通達、事例集、あるいは管理会計や経営管理の知識を身につけなきゃなりません。
ごく普通のスタッフにとって、そのような専門知識をあえて自発的に勉強して習得する動機は無いものと思われます。
組織としては、ある程度能力とやる気がある方を選抜したうえで、体系的に教育・研修を行い、組織的に育成していく必要があるものと思います。
しかし、ごく一部の優良企業を除けば、多くの企業では急激に複雑化した経理業務・会計税務業務にそのような専門知識が必要であることすら気付かず、自己啓発*1に期待しているのが現状であると思われます。
偶然にもスタッフが自発的に自学自習して専門知識を身につけることができなければ、その先に待っているのは決算訂正や国税当局による誤りの指摘です。
世の中の大部分の人間は、なんの見返りも無いのに自発的に学習したりはしません。
組織として、ごく普通の人を、どのような手立てを用いて、専門的な業務へステップアップさせたりよいのか。
それが私のような立場の者に課せられた、次の課題なのかもしれません。
*1:個人的にこの言葉は大嫌いです。組織の責任放棄だと感じています。