平成最後の伝統の一戦は後半2ゴールで逆転のマリノスに軍配 J1第9節 横浜Fマリノス VS 鹿島アントラーズ

J1

ともにJリーグ開幕からJ1で戦い続けて伝統の一戦と表現されることもあるマリノスとアントラーズのゲーム。
平成最後となった今節は前半に安西のゴールで鹿島が先制しますが、後半ポゼッションで上回るマリノスが運動量が落ちた相手に対し、仲川、
マルコスジュニオールのゴールで見事逆転を収めました。
 この勝利でマリノスがアントラーズを抜き8位浮上。アントラーズは9位転落となりました。

魅力的な攻撃サッカーで逆転勝利も、まだまだ課題の残るマリノス

 立ち上がりの失点にも、前半その後は天野・三好の中盤がリズムよくボールを動かし好機を演出できていました。しかし時間が経つにつれ、ビハインドの状況からか手数を余計にかけてしまう場面が
目立ちだし、鹿島守備陣に余裕を持って対応されてしまう場面が見受けられました。後半に入ると逆にカウンターからアントラーズにチャンスをつくられる場面もあり追加点のピンチを迎えます。
 アントラーズがチャンスを生かせないなか次第にアンカーの喜田のボール奪取から盛り返す場面ができてきた後半24分その喜田から三好とつなぎPA内でボールを受けた仲川がDFを交わし同点ゴールを奪います。
 同点ゴール後さらに勢いずくマリノスは後半37分広瀬の浮き球のパスに裏へ飛び出したマルコスジュニオールがDFを背負いながらうまくニアサイドを打ち抜きゴールを奪い逆転に成功。
逆転後三好に代えて扇原を入れ守備のテコ入れを行い、そのまま逃げ切り勝ち点3を得たゲームとなりました。

 逆転勝ちを収めたマリノスですがその試合内容を見てみると失点シーンではチアゴのカバーが遅くGKと1対1の状況を容易に作らせてしまっていたり、特に前半終盤あたりには選手間の距離のバランスが悪くボールを
失う場面もあり最少失点で進めれたところはアントラーズの攻撃のクオリティー不足によるところが多い印象。ビハインドを背負った状況のときによりシンプルかつスムーズな攻撃を繰り出すことが出きれば
もっと90分を通してポゼッションだけでなく試合全体を支配することが出きるでしょう。
 そして抜群の存在感を示したマルコスジュニオールについて、この試合ではセンターに入り逆転ゴールを決めたのですが、それ以上にゲームを通して攻守の切り替えの早さや前線、中盤の選手との
コンビネーションからの崩しなど従来の左サイドでの起用でないなかでもハイレベルなプレーができていて、ビハインドの状況でもチームメイト鼓舞する姿勢も見られ今後さらにチームの中心として
存在感を増すことができれば他チームにとっては脅威となるでしょう。

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波に乗れないアントラーズ

 開始早々安西の素晴らしいオバーラップから先制に成功したときは、鹿島のゲームになると思われましたが前述の通りカウンターから白崎、土居、安部の三人がいまひとつ乗り切れずトーンダウンしてしまう
ことが繰り返され、それに加え、後半に入りそれまでうまくバランスをとっていたレオシルバがの飛び出しが増え、結果としてはそれによって崩れた守備体系がマリノス中盤の餌食となってしまうかたちになりました。
 2失点目に関しては完全に本職でない右SBに入った永木のラインコントロールミスから裏を取られた場面は決定的なミスであるものの、同点にされた後も試合の主導権を握られるなかでコンパクト
さを保てなくなったところも大きく影響しているように見え、先行逃げ切りを得意とし試合巧者と言われるアントラーズの姿はそこにはありませんでした。
 
 とはいえ前半終盤まではサイドバックとセンターバックやボランチの三竿とレオシルバの関係性には素晴らしいものがあり、追加点につながりうるチャンスもあっただけに決めきることができなかったことが
悔やまれ、ここまで序盤戦ゴールを重ねてきた伊藤もこの試合では動きに精彩を欠きエース鈴木優磨の不在を感じざるを得ない試合となりました。
 今節終了時で9位と中位に甘んじるアントラーズ。その原因は今日のような試合のなかに多く表れており特にサイドハーフと前線の組み合わせの最適解を見出すことができれば“鹿島らしさ”を取り戻せるのでは
ないのでしょうか。
 

J1第9節  横浜Fマリノス 2 − 1  鹿島アントラーズ

      得点者 前半11分 安西(鹿島アントラーズ)
          
          後半24分 仲川(横浜Fマリノス)
           
          後半37分 マルコスジュニオール(横浜Fマリノス)

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