オンエア当時も見てはいたけど終盤は歯抜け視聴のままになってしまっていて、長年ちゃんと見るように(身内の熱烈な作品ファンから)勧められていたまほプリ。2期が始まるのをきっかけに、全50話をまとめて再視聴した*1。そこまでしっかりと体系だった形で書くわけじゃないけど、1ポスト140字に収めるのもなんだなと思ったので感想をこちらで。
まず前提として、おすすめされる中で何となく定着していたイメージに、「まほプリのいちばんの売りは、みらい・リコ・はーちゃん・モフルンの4人の話で1年を通して一貫していることである」、というものがあった。で、そのイメージが自分で作品を見ての感想としてもバシッと定まったのが、杖の木の元でみらいが校長先生に向かって「ずっとみんなで一緒にいるって決めたんです」と語るくだり(27話)。話数的には折り返しで、中盤の大きな山場を終えたばかり。そこはもちろん見ごたえあったんだけど、個人的には少女たちの等身大の話題で面白い話が来るとより嬉しいな、とも感じていた。なのでこうして「友情」にフォーカスした宣言が入ることで、見る側としても気持ちをそっちに持っていって良いんだなと思えたし、大きなターニングポイントになったシーンだった。
さらに言うと、序盤はみらいとリコのW主人公作品的な印象もまだ大きくて、かついち視聴者として感情移入しやすいのはリコの方だなと感じていたので、みらいのことを若干捉えきれていなかったところがある。でもこのシーンが来て、台詞の裏に「覚悟」の強さをめちゃめちゃ感じられた瞬間、みらいという主人公の強さがグッと際立ったというか。それがそのまま作品の印象をも明確にしてすっかりやられてしまったのが強く印象に残っている。
みらいの覚悟がゴリゴリに決まってることが伝わってきて、グッと入り込む回だった #あけましてまほプリ
— さんしち (@sanshichi21) 2025年1月4日
魔法つかいプリキュア! 第27話を視聴しました!#dアニメストア https://t.co/91UgwGQh8b
それから、このくだりが強く刺さったのは作品外の要因も結構ある気がする。というのも、やっぱり『魔法つかいプリキュア!』という作品への関係者一同の熱量の高さってかなり印象的で、それが異例のTVシリーズ第2期という形で結実した今ではもはや作品の特色の一つになっていると思っていて。なんなら、「ずっと一緒にいたい」という強い願いで別れの運命を跳ね除けた本編の展開ともリンクしているんじゃないかと感じていた。みらいcvの高橋李依さんも放映終了後もずっとまほプリ愛を各所で言っていたと思うし、本編のみらいの言葉が突き刺さったのはそういう熱量が重なったのもあるんじゃないかな。これはいい意味で、この2025年に見ているからこそ出てくる感想だった。
キャストの話をした流れでもう一つ言うと、クライマックスの49話を見て改めてメイン2人のキャスティングの妙を感じたのも印象的。
はーちゃんが中学生サイズになったくらいからメイン4人の家族的な繋がりの印象がグッと強くなったけど、別れのシーンに限っては「みらいとリコ」に立ち返ったような感覚があり、改めてこの関係の2人が高橋李依・堀江由衣なの当時のキャリアも踏まえてすごく良い座組だなと思った #あけましてまほプリ
— さんしち (@sanshichi21) 2025年1月9日
このポストをもう少しだけ掘り下げると、若手~ブレイク期くらいのキャリアの高橋李依さんと、大ベテランの堀江由衣さんとが等しくW主演として並び立っているのがすごく良いな……という話。堀江由衣さんは仮面ライダーやスーパー戦隊なら所謂「おやっさん枠」みたいなところで若手キャストを見守っててもおかしくないくらいの大ベテランなわけで、そんな方がガッツリ主人公として入れるのはアニメの強みだと思う。なので、ニチアサ枠におけるプリキュアの特色でもあるなと感じた。「みらいたちに比べると直接言葉にすることは少なかったかもしれないけど、ずっと一緒にいたいと願う気持ちの強さは同じ」というリコのポジションとも重なった気がして、今更ながらに味わい深いポイントになった。
一番語りたいポイントについては言ったので、最後にエピソード単位で特に好きな回とポイントをいくつか羅列。
- 第12話「満天の星空とみらいの思い出」
- ナシマホウ界の文化に馴染もうとするリコの健気さ。鞄を取り違えた「リコとモフルン」というレアなツーショットがすごく良かった。
- 第16話「久しぶりっ!補習メイトがやってきた!」
- 魔法界メンツwithナシマホウ界メンツ回その1。「ナシマホウ界のそこかしこに魔法界出身の人もいるよ」というのは結構夢がある話だと思うし、まゆゆで拾うのもすごい。
- 第17話「水晶さんおしえて!おばあちゃんの思い出の人」
- こんなロマンチックな回、好きじゃないわけがなかった。
- 第24話「ワクワクリフォーム!はーちゃんのお部屋づくり!」、第25話「夏だ!海だ!大はしゃぎ!かき氷が食べた~いっ!」
- 2本続けて。肩の力を抜いた回ながら、全体的に表情や動きがコミカルだった印象。
- 第27話「Let’sエンジョイ!魔法学校の夏休み!」
- 先述の通り、ターニングポイント。
- 第34話「ドキドキ!初恋の味はイチゴメロンパン!?」
- かなとまゆみが仲良くなって、魔法つかいの驚きを共有できるようになるラストに涙。
- 第38話「甘い?甘くない?魔法のかぼちゃ祭り!」
- 第39話「今日はハロウィン!み~んな笑顔になぁれ!」
- ハロウィン後編。そして魔法界メンツwithナシマホウ界メンツ回その2。季節イベントを使ってこういうスペシャル回を作るのが上手いなと思った。
- 第46話「魔法のクリスマス!みらい、サンタになる!?」
- これも土田回にプラスアルファで、34話を受けたかなとまゆみの話なのが嬉しい。
- 第50話「キュアップ・ラパパ!未来もいい日になあれ!!」
- 49話もまほプリならではのクライマックスでもちろん良かったんだけど、それを受けてこの回で〆るのもまたまほプリならではだったと思う。そしてこの「これからも続くよEND」的なノリを本当に続きが控えている状態で見るのがかなり新鮮だったので、それも印象的だった。
クライマックス回とかは敢えてピックアップせずとも間違いなく良い回なので省いている面もあるけど、個人的にはこのあたりが好きな回だった。予習の勢いそのままに、「MIRAI DAYS」も楽しみにしたい(と、その前にミルフィーユとHUGオールスターは見ておこう)。
*1:正月休みも利用したので、Xの感想雑記用タグは#あけましてまほプリ