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自動識別のRFIDタグ、沖縄で本格製造 オキタグ 年1億枚、世界初の技術も


自動識別のRFIDタグ、沖縄で本格製造 オキタグ 年1億枚、世界初の技術も 衝撃などに強い耐圧仕様のRFIDタグを手にするオキタグの河村哲社長=10 日、糸満市西崎の同社工場
この記事を書いた人 アバター画像 島袋 良太

 電波を使い非接触で値段や在庫情報を自動識別する技術で、値札や荷札となるマイクロチップを埋め込んだ極小タグの生産拠点を、那覇市に本社を置く新興企業が県内に構築する。生産性を向上させる最新機器を導入し、2月にも本格稼働する。性能面で世界初の技術開発もあり、需要が高まっている自動識別タグの市場開拓を狙う。 

 2023年3月に設立したオキタグ(河村哲社長)が糸満市西崎に整備した工場で製造する。離れていても電子情報を自動識別し大量に読み取れる「RFID」技術の製品で、年間1億枚を供給する。売上高目標は約10~20億円。雇用は約30人を見込む。重さ1枚0・5グラム以下、厚さ約1ミリと小さなタグの量産によって、物流コストが課題だった沖縄の製造業で新たな商品展開に挑む。

 事業は情報処理が可能な電子装置の開発や自動化システム支援などを手掛けるバァロア(兵庫県、市川亮太社長)と提携。同社が開発した1秒に約10枚のタグを製造できる世界最速の装置「ETAPS」を使う。1秒に1枚程度を製造するとされる従来機器のスピードを上回る。

 同社はさらにRFIDタグの精度を落とす水や金属の影響、衝撃による破損を回避するために耐水、耐熱、耐圧などを兼ね備えた「機能性タグ」も世界で初めて開発。製造ラインで特殊なフィルムをそのままタグに貼り重ねる方式で用途の多様化が期待される。今夏からオキタグが製造を請け負い、より高付加価値な商品を投入する。

 設備投資額は約3億5千万円。内閣府沖縄総合事務局の「沖縄域外競争力強化促進事業費補助金」で2億円の助成を受けた。工場は県の認定国際物流拠点産業集積措置実施計画にも認定され、一部部品は県の設備投資貸与の支援も受けている。原材料の多くはアジアから直接輸入し、国内外への販売を目指す。 (島袋良太)



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