安室透役の後任・草尾毅はこれ以上ない適任 『名探偵コナン』抜擢の背景にある声色の一致

 TVアニメ『名探偵コナン』の第1150話「怪盗キッドと王冠マジック(前編)」が読売テレビ・日本テレビ系にて1月18日に放送され、安室透の声優を草尾毅が務めることが明かされた。ファンの間では放送前から声優を誰が務めるのか予想が巻き起こっており、SNSを中心に盛り上がりを見せていた。その発表形式も番組表で明かされるのか、はたまた公式X(旧Twitter)での発表となるのか、謎に包まれる中で、最終的にはエンディングのエンドロールでの発表となった。

 これまで長きに渡って安室を演じてきた古谷徹は、2024年5月に報じられた不倫騒動により、『名探偵コナン』の安室役と『ワンピース』のサボ役を降板することを発表した。これによりキャラクターの後任問題が発生し、SNSを中心にその動向が注目されていた状況だ。2代目サボ役には『千と千尋の神隠し』ハク役などで知られる入野自由が抜擢されたが、それでもキャラクターを演じる期間が長ければ長いほど、そこには大きなギャップが生まれるため、キャラクターを引き受けるのは非常に難しい。だが、『ちびまる子ちゃん』のまる子や『ルパン三世』のルパン役など、声優の引き継ぎがうまくいった例もある。

 作品屈指の人気キャラクターとなった安室は、『機動戦士ガンダム』の主人公であるアムロ・レイを演じた古谷にちなんでつけられたキャラクターであり、安室の愛車のナンバーは古谷の誕生日というキャラクターと声優が密接に関係していることから、突然の交代には様々な声が寄せられている。大ヒット作となった『名探偵コナン ゼロの執行人』では、安室の愛車であるRX-7によるカーアクションが印象的に描かれていたり、『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』でも安室によるハリウッド映画さながらのアクションシーンが詰め込まれていたりと、その華麗な身のこなしは多くの女性ファンを虜にしている。それでいて顔もいい。古谷が演じる安室は、子供っぽい無邪気な声から、大人びた色気のある声まで多彩な声色が魅力だった。

 1987年に公開された映画『紅い眼鏡/The Red Spectacles』でキャリアをスタートさせた草尾は、『ボスコアドベンチャー』で声優デビューを果たし、『鎧伝サムライトルーパー』烈火のリョウ役や『ゲッターロボ號』一文字號役などの人気作の主人公キャラを演じ、『ドラゴンボール』シリーズや『SLAM DUNK』で注目を集めた。最近では『キン肉マン』完璧超人始祖編のネメシス役や『ドラゴンボールDAIMA』トランクス役でも活躍。さらに、過去には『名探偵コナン』で犯人役や刑事役も演じていたことも。正統派なキャラクターから熱血なキャラクターまで、多彩な声色を使い分ける強みがあるが、特に冷静でいて深みのある声色が印象的で、安室の声にはこれ以上の適任はないと思われる。

 放送後の反響を見ると、Xでは「安室さん」「草尾さん」がトレンドにランクインしており、その多くが好意的な声だった。過去にも「聖闘士星矢」シリーズの狼星座の那智や山羊座のシュラを引き継いだ経験もあり、これまで前任者が作り上げてきたキャラクターのイメージを踏襲しつつ、草尾らしい安室像を作り上げてくれるのではないだろうか。

■放送情報
アニメ『名探偵コナン』
読売テレビ・日本テレビ系にて、毎週土曜18:00〜放送
原作:青山剛昌(小学館『週刊少年サンデー』連載中)
キャスト:高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也ほか
チーフプロデューサー:竹綱裕博、石山桂一
プロデューサー:吉田剛志、藤堂真孝
アソシエイトプロデューサー:近藤秀峰
監督:山本泰一郎、鎌仲史陽
音楽:大野 克夫
キャラクターデザイン:須藤 昌朋
美術監督:吉原俊一郎(美鋒)
色彩設計:中尾総子
撮影監督:小川隆久、吉田 雅紀
音響監督:浦上靖之、浦上慶子
編集:岡田輝満
ストーリーエディター:飯岡順一、小宅 由貴恵
制作担当:福西 将士
原案協力:大嶋一範、堂本強介、小笠原僚也、薄谷正和
音響制作:AUDIO PLANNING U
©青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996
公式サイト:https://www.ytv.co.jp/conan/

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