-真天地開闢集団-ジグザグ、横アリ公演で強固になった高みを目指す覚悟 「バンドをレベル100まで持っていかなきゃ」

ジグザグ、横アリで強めた高みを目指す覚悟

 2024年12月24日、音源集『Gran ∞ Grace』を携えた全国ホールツアーのファイナルとして、初の横浜アリーナに立った-真天地開闢集団-ジグザグ。ひとつのジャンルに収まりきらない楽曲で広い会場を彩り、激しく、美しく、時々パリピな、格段にスケールアップした禊(=ライブ)を繰り広げた。一歩一歩階段を上り続けている彼らは、あの日に何を感じ、この先をどう見据えているのか。横浜アリーナ公演独占放送・配信を含むWOWOWでの3カ月連続特集を前に、3人に語ってもらった。(後藤寛子)

初体験の横浜アリーナ、セットの細部にまで込められたジグザグらしさ

-真天地開闢集団-ジグザグ
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ーー横浜アリーナ公演を振り返ってお話を伺いたいのですが、その前に、横浜アリーナに向けての全国ホールツアー『全国開闢禊 -天ト地-』はいかがでしたか?

命:2023年の初ホールツアーは体調面で悔しいところもあったので、今回はとにかく体調管理に気をつけることが優先順位1位でした(笑)。そのおかげもあって、よりレベルアップしたいい禊ができた手応えがあります。セットリストを組んだ時点で結構自信があったんですよね。

龍矢:2023年のツアーでホールライブのやり方がわかってきたので、そこで学んだことが今回のツアーでうまく出せたかなと思います。

影丸:全禊に対して本気で向き合っていった結果、横アリでは一番いいステージができたと思います。本当に充実していたというか……ホールツアーでの禊も、横アリも、なんかあっという間に感じたんですよね。

命:わかる。でも、実はかなり長い時間やってるんだよね。横アリもかなり(公演時間が)押したし(笑)。

影丸:ははは! ホールツアー中のデフォルトが2時間半超えでしたからね。でも、そんなふうに感じないくらいこちら側も楽しませていただきました。いいものが作れたので、もう次の禊が楽しみな気持ちです。

ーー自信のあるメニューを組んでホールツアーを回って、しっかり横アリに繋いでいけたんですね。

命:本当に、心から「決まった!」と思いました。もちろん細かいところを見ると悔しいこともなくはないんですけど。ちゃんと一本一本いい禊を見せられたと思うし、横アリでその集大成を見せられたなと。

ーー初の横アリだから特別な禊にしようというより、ツアーを踏襲したものにしたかったんですか?

命:そうですね。あと、セットリストをいろいろ変えるのもいいんですけど、ツアーをやるなかで思ったのはーー僕らにとっては十何カ所回るツアーでも、お客さんからしたらそんなもん知ったこっちゃないわけですよね。ひとり1カ所の人も多いだろうし、そういう人にとってはその日が初日でありファイナルだから。毎回一本の映画のように、ちゃんとそこで完結しなきゃいけないと思ったんです。ツアーを全部見ないとわからないものにはしたくないし、その日だけ来た人にオープニングからエンディングまでをちゃんと楽しんでほしいという想いがあったので、全公演ファイナルという意識でやろうという想いがありました。

ーーいざ横浜アリーナ当日、禊が始まってお客さんの歓声を浴びた瞬間はどうでした?

命:いやあ……もう、宇宙みたいな。歓声を浴びてるというか、降ってくるというか……このクラスになるとこうなるんだっていう初体験でしたね。山に登ってんのかと思うくらい見晴らしがよくて、ヤッホーって言いたくなる感じ(笑)。ホールとはスケール感が二回りぐらい違った気がします。さすがにホールよりかなり力んでしまいました。

龍矢:僕、ホールツアーではイヤモニを片方外して歓声がダイレクトに聞こえるようにしたんですけど、アリーナでは緊張しすぎて、それをすることも忘れてて(笑)。MCの時に初めてイヤモニを外して声を聞いた時、すごすぎてこっちがびっくりしちゃいましたね。

影丸:まず「本当に埋まるのかな」と思ってたので、みんながいてくれた!っていう喜びがありましたね。最初ドラムセットに辿り着くまで、目の前の景色にみとれちゃって。階段から落ちないようにするのが難しかったです。

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ーーステージセットも素晴らしかったですが、特にこだわったところやお気に入りポイントというと?

命:やっぱりお気に入りは鳥居ですよね。光る鳥居! ジグザグは、重厚な世界観のある曲もあれば、「JAPPARAPAN ~Japanese Party~」みたいなパーティソングもあるじゃないですか。だから、フェスとかでビカビカした照明を見て「あれやりたい!」という気持ちと、厳かなステージをやりたいという両極端な気持ちがあって。どうすれば両方表現できるのかということでいろいろアイデアとかを出していただいて、最終的に光る鳥居になりました。

ーーたしかに、これまでは背景を全部ステージセットで作り込んで、“厳か”に寄せたセットでしたもんね。

命:そうなんです。光る鳥居は、光らなければちゃんと厳かで、光った瞬間に急にパリピになるという二面性を持たせられてすごくよかったですね。グッジョブすぎました。

龍矢:今の時代、スクリーンに映像を映して表現することはいくらでもできるようになっているじゃないですか。もちろん、それはそれで素晴らしいと思うんですけど、今回の禊に関しては、物理的にちゃんとしたセットを作れたのがよかったと思っていて。鳥居の奥にロゴマークがあったり、そういうものがちゃんと目で見える表現がジグザグには合ってると思うんですよね。そのうえで派手な演出もできて、今までよりもさらに進化したと思います。そもそものスタートは階段を使いたいというアイデアだったんですよ。命様に段上で歌っていてほしかったんです。

ーー鳥居をくぐって登場した瞬間は迫力ありましたね。

影丸:あと、たぶん過去最高に火の量が多かったと思います。特効さん、本気出してるな~!って。ドラムだとみんなより後ろやから、全体像が見えるんです。

龍矢:スタートから火だけで歌ってますしね。

命:そうそう、あれ良かったよな! 昔、小さいライブハウスでやっていた時に火を使いたかったけど、もちろんできないから、ロウソク風のライトをいっぱい並べてやってたんですよ(笑)。

龍矢:あれ、雰囲気は出るけど、1回つけたら消せないんですよね(笑)。消してくれる人がいないから、最初から最後までつきっぱなしという。

命:ははは! そう考えると贅沢になったねえ。あのライトですら、最初は「本物みたい!」って感動してたから。可愛いですよ。

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