ブルアカのバレンタインイベントでは、生徒一人ひとりが先生に対してプレゼントを贈るために個別のストーリーが用意されている。このチョコが実に個性溢れるものであり、キャラの人格や先生との関係性を踏まえた上で、各生徒が先生を想いながらあれこれと悩んで準備したものとなっている(という設定である)。またバレンタインという性質上、先生への日頃の想いを言葉にして伝えるものとなっているため、先生との親密性が濃いシナリオが綴られることになる。そのためバレンタインストーリーを読むことで先生と生徒の関係性について解像度が深まり、よりキャラ理解が深まるというわけである。よってここでは各キャラのバレンタインストーリーを分析し、関係性がどのようにチョコに表象されているかを考察していきたいと思う。
※随時更新(未完成)
【目次】
- 愛清フウカ「特別な日に特別な気持ちを」~ココアが入ったマグカップ~
- 蒼森ミネ「ちょっぴり特別な救護用品」~ヒヨコ型のチョコレート~
- 赤司ジュンコ「不運な美食家」~チョコ団子~
- 秋泉モミジ「お揃いのキーホルダー」~チョコレートキーホルダーグッズ~
- 朱城ルミ「試食の心」~チョコレート月餅~
- 明星ヒマリ「超天才清楚系病弱美少女ハッカーの分身」~超天才清楚系病弱美少女ハッカー'sチョコレート~
- 朝顔ハナエ「最高の疲労回復剤」~ハッピーホットチョコレート~
- 浅黄ムツキ「ロシアンルーレット・チョコレート」~地獄のロシアンルーレット~
- 朝比奈フィーナ「風味と風情と」~甘い杯~
- 阿慈谷ヒフミ「新作のチョコレートグッズ!」~バレンタインぺロロ~
- 飛鳥馬トキ「至高にして究極のおもてなし」~至高にして究極のチョコレートケーキ~
- 天雨アコ「とにかく準備したので!」~あなたのための一口の休息~
- 天見ノドカ「貧者のチョコレート」~カカオの実~
- 伊落マリー「どこから食べれば……?」~ホーリー・チョコレート~
- 伊草ハルカ「その前に、その後に」~カカオ99.99%~
- 池倉マリナ「保安委員長の勲章」~特別功労勲章チョコレート~
- 勇美カエデ「最強のチョコサウルス!」~最強のチョコサウルス~
- 十六夜ノノミ「おやつ担当の甘い気持ち」~おやつ担当のお仕事~
- 伊原木ヨシミ「すごく貴重な限定の」~ヨシミの限定チョコレート~
- 戒野ミサキ「責務とイベントの相関性」~丁寧なラッピング済みチョコレート~
- 岩櫃アユム「終わらないもの」~ドライグレープフルーツのチョコがけ~
- 宇沢レイサ「バレンタイン挑戦状」~バレンタイン挑戦状~
- 生塩ノア「セミナー書記ノアの甘いイタズラ」~チョコレートインク~
- 牛牧ジュリ「少女の気持ちは色褪せない」~ジュリの手作りチョコレート~
- 歌住サクラコ「特別な対象」~自らの選択~
- 浦和ハナコ「多情多感な女の子」~チョコ埴輪~
- 円堂シミコ「一緒に食べられるもの」~本のお友~
- 大野ツクヨ「バレンタインも、忍者の、精神で……!」~とろけるロップイヤーチョコ~
- 尾刃カンナ「局長のブレンドコーヒー」~「いつもの」コーヒー~
- 奥空アヤネ「意図していないプレゼント」~砂漠のバラ~
- 扇喜アオイ「認識の差」~認識の差~
- 鬼方カヨコ「ロッカーのラブソング」~デズ・ラブ~
- 春日ツバキ「甘くて柔らかい夢の中で」~安眠チョコレートと安眠グッズセット~
- 霞沢ミユ「RABBIT4、贈ります」~チョコレートバーク~
- 風倉モエ「Sweet Logistics」~チョコレートスモア~
- 勘解由小路ユカリ「両手いっぱいの感謝」~勘解由小路のお守りとチョコ味の駄菓子~
- 河和シズコ「特別な試食会」~百夜堂の限定スイーツ~
- 鬼怒川カスミ「真相は如何に」~チョコサンダル~
- 杏山カズサ「慣れないこと」~苺のチョコケーキ~
- 桐藤ナギサ「なので、むしろ」~ナギサの平凡なチョコレート~
- 桐生キキョウ「作戦参謀は負けたくない」~作戦参謀のチョコレート~
- 久田イズナ「主殿と忍者の味を」~特製忍者グッズ49番「チョコレートセット」~
- 栗村アイリ「悩んだ末に」~ペニーロイヤルチョコレート~
- 黒崎コユキ「全力で道を探す少女」~シークレットメッセージ~
- 黒舘ハルナ「より苦く、より甘く」~美食の証明(抹茶味)~
- 黒見セリカ「ふたりっきりの打ち上げ」~共にする時間~
- 桑上カホ「戦略リーダーの恩返し」~戦略リーダーのチョコレート~
- 剣先ツルギ「あの日読んだロマンチック」~アマンド・クリムゾン~
- 狐坂ワカモ「私のすべてをあなたに」~ワカモの愛がこもったチョコレート~
- 古関ウイ「二人きり」~しっとりめのチョコクッキー~
- 近衛ミナ「大事なもの」~玄龍門の文様をしたチョコレート~
- 佐城トモエ「レッドウィンター連邦学園の特産品」~改造型チェリョンカ~
- 獅子堂イズミ「最高のチョコレートを作る方法」~すごく!おいしい!!チョコレート!!!~
- 静山マシロ「狙撃手のチョコレート」~レーションD型~
- 下江コハル「そんな風に食べないで!」~ラブリー・クロスライン~
- 下倉メグ「温泉卵?」~温泉卵チョコレート~
- 錠前サオリ「ギディバのチョコレート」~ギディバのチョコレート~
- 白洲アズサ「スカルマン、変身!」~バレンタインの聖者スカルマン~
- 銀鏡イオリ「靴墨とチョコレート」~ショコラ・デ・ゲヘナ~
- 砂狼シロコ「街での遭難」~ライダーの間食~
- 春原ココナ「不器用なバレンタイン」~不器用な手作りチョコレート~
- 鷲見セリナ「慣れた様子で」~ビー・ウィズ・ユー~
- 空井サキ「眠気対策?」~補給品のチョコレートキャラメル~
- 空崎ヒナ「それでも伝えたくて」~ヒナの手作りチョコレート~
- 小鳥遊ホシノ「チョコレートの海」~海のお友達~
- 丹花イブキ「二人だけのヒミツ」~イブキが作ったチョコプリン~
- 千鳥ミチル「それはまるでラブコメのように」~忍術研究部のバッジ型チョコレート~
- 月雪ミヤコ「SRT、補給します!」~チョコを用いたキャロットケーキ~
- 槌永ヒヨリ「すべてと引き換えに?」~オール・トゥ・ユー~
- 仲正イチカ「年頃の女の子」~手作りチョコスティック~
- 棗イロハ「隙のない中間管理者」~イロハの手作りスティックチョコ~
- 秤アツコ「青いバラとチョコレート」~青いバラとチョコレート~
- 羽川ハスミ「小さくても甘い一歩」~リトル・ブレット~
- 羽沼マコト「器に相応しいプレゼント」~議長が用意した最高級のチョコレートファウンテン~
- 火宮チナツ「大切な時、大切な場所」~フォーチュンチョコレート(自作)~
- 氷室セナ「包まずにありのまま」~バンデージチョコ~
- 姫木メル「過程と結果と」~自画像チョコレート~
- プラナ「みんなと一緒に」~プラナのプラナたっぷりチョコレート~
- 不破レンゲ「青春全力投球」~二人で一緒に作った生チョコレート~
- 間宵シグレ「甘さも」~シグレ・ビタースペシャル~
- 水羽ミモリ「気持ちを隠したチョコレート」~桜チョコレート~
- 聖園ミカ「飽きのこない甘さ」~ミカ特製☆チョコロールケーキ~
- 守月スズミ「いつものように」~トゥインクルスター~
- 安守ミノリ「許してはいけない」~ハイカロリーチョコ~
- 柚鳥ナツ「補習用教材:チョコレート」~言葉よりチョコレート~
- 陸八魔アル「心のこもったご褒美を」~社長の最高級チョコレート~
- 連河チェリノ「髭のチョコレート」~チェリョンカ~
- 若葉ヒナタ「優しい心」~小さなショコラ~
- 鰐渕アカリ「チョコレート大食い大会」~大量の板チョコレート~
- 和楽チセ「あなたのために言葉を一つ」~四字熟語チョコ煎餅~
愛清フウカ「特別な日に特別な気持ちを」~ココアが入ったマグカップ~
フウカちゃんの新妻だいあり~【通い妻編】。バレンタインの日、仕事に疲弊した先生は食事を摂る気力も出ず、コンビニチョコで済ませようとする。そこへタイミング良くフウカ登場。彼女は先生の仕事状況をある程度把握しており、先生がお疲れ気味である様子を見て、食事が雑になっていると察してやってきたのである。フウカは健康によく美味しい手作りの家庭料理を作ることに長けており、先生にいつでも私を呼んでくださいと願っていた。だが先生は生徒の時間を自ら奪えるような性格ではない。そのためフウカは通い妻をしにきたのであった。先生の不摂生を窘めると共に、テキパキと食卓の用意をするフウカ。また彼女は単におさんどんをするだけでなく、先生と二人、食卓で向かい合って団欒を共にするのである。フウカは自分の作った料理を先生が食べる姿を間近で見ながら、温かい時間を過ごすことになる。食後にフウカが出してくれたのは、お揃いのマグカップに入ったココア。先生がそれを指摘すると照れてしまうフウカもかわいいね。彼女は必死で弁明するのだが夫婦茶碗ならぬ夫婦マグを用意したのがバレバレであった。
蒼森ミネ「ちょっぴり特別な救護用品」~ヒヨコ型のチョコレート~
これは貴重な可愛いミネ。ミネというとかなりぶっ飛んだキャラとして描かれることが多く、殲滅した方が結果として怪我人を最小限に抑えられるというトンデモな信条を持ち人の話を聞かないという叙述が多い。それを指してミネが壊して騎士団が治すという作中でのフレーズもある程。しかしながらバレンタインイベントではミネの可愛い様子が描かれることになる。ミネは先生を自室に招くのだが、そこで集めたカワイイチョコグッズを見られてしまうことになる。ミネは頑なにチョコと救護の関係性を説くのだが、ミネのチョコはほぼ全てカワイイものだったのである。先生は何気なくその可愛さを褒めるのだが、ミネは普段真面目腐っている自分がカワイイ物好きだとはバレたくなかったようであった。それでもヤケクソになったミネはとうとうカワイイもの好きであることを認めてカミングアウト。「私だって綺麗で可愛いものが好きです!」のセリフにミネファンは狂喜乱舞したのであった。先生は落ち着いた大人らしく慌てるミネを宥めて可愛い物好きであることに対して理解を示す。先生の振る舞いにより年相応の子どもに戻ったミネはハッピーバレンタインと先生の口にチョコを押し込むのだ!この時の笑顔がとても素晴らしいものとなっているのでおススメ!この後ミネは恥ずかしさのあまり逃走する。先生はミネの部屋から出るにも行かず、ミネが帰ってくるのを待ち続けた。帰ってきたミネと先生が何をしたかは推して知るべきだろう。
赤司ジュンコ「不運な美食家」~チョコ団子~
報われない少女ジュンコ。バレンタインの時ぐらいお団子を食べさせてやってよ~。先生に変わり種のお団子を出す店を紹介してもらったジュンコ。彼女は金銭的にも、食べられる量的にも限界があるため、慎重に考えてメニューを選ぶ。そんな彼女が決めたのが、おススメにあったチョコ団子であった。だが同じ物を2人前注文しており先生は疑問に思う。答えて曰く、店を教えてくれた先生に御礼がしたいのとバレンタインだからだそうな。先生とお団子を一緒に食べたいというジュンコが顔を赤らめるところがとても可愛いね。しかしジュンコがお団子を食べようとするといつもライターが邪魔をする。今回は和菓子純粋派が団子にかけて良いのはきな粉と醤油だけだと暴動を起こし、ジュンコのお団子を落としてしまうのである。しかもジュンコが暴動を鎮圧しても報われることはなく、結局お団子を食べることは出来なかった。先生にバレンタインのプレゼントも贈れていないことにもなるし、流石に可哀想すぎ。
秋泉モミジ「お揃いのキーホルダー」~チョコレートキーホルダーグッズ~
モミジが購入した布教用の漫画本を見せてもらう先生。そこには封入特典としてキーホルダーとチョコが入っていた。モミジ自身は封入特典だと主張するが、フレイバーテキストを読み限りでは、モミジが用意したものと解釈するのが妥当なのだろう。先生がモミジのために特典をあげようとすると、彼女がそれを断ろうとすることからも推測できる。またモミジは自分の観賞用の漫画本の中にも同じグッズが入っていたと述べ、先生の机の上にお揃いのキーホルダーを並べて飾って欲しいとおねだりする。これは他の生徒に対するマウントもしくは牽制のためなのかもしれない。先生の机の上を見れば、自分と先生の思い出の品物が飾られている。この事実はモミジにとって特別なモノであった。そして封入特典のチョコは一緒に食べることにし、さらに漫画も一緒に読むことになる。漫画を一緒に読むって先生のお膝の上にモミジを乗せて、一緒に同じ漫画を読むというシチュを想像してしまった。
朱城ルミ「試食の心」~チョコレート月餅~
試食を口実にして先生とバレンタインデートを楽しもうとする話。朱城ルミは中国をモチーフとした学園:山海経の料理人であり、新しい創作料理にも積極的にチャレンジする。と、いうわけで今回は月餅のアレンジに挑戦したとして先生に試食を頼んで来るのだ。用意されたチョコ月餅は3種類。表面をチョコでコーティングしたもの、チョコを包んだもの、アイスチョコ月餅とよりどりみどり。先生は試食をした後、どれが一番良いか選択肢を出されることになるぞ!その後、先生は試食だけではなく期待もしていたと述べるのだが、ルミは実は試食は単なる口実であったとカミングアウト。試食にかこつけて先生とバレンタインにひと時を過ごしたかったのだと告白してくる。先生には隠し事をしたくなかったと顔を赤らめ、こんなに恥ずかしくなるなんてと照れるルミの立ち絵はグッとくる演出になっている。その後、先生はルミと一緒に月餅を食べながら趣深いひと時を過ごしたのであった。
明星ヒマリ「超天才清楚系病弱美少女ハッカーの分身」~超天才清楚系病弱美少女ハッカー'sチョコレート~
自画自賛が激しい明星ヒマリ。だがそれは身障者である自分を奮い立たせるための手段でもあった。そのため素直に真正面から褒められると弱く恥ずかしくなってしまう一面を持つ。ヒマリはバレンタインに呼び出し、自分に一刻も早く会いたかったのですねとか押し付けがましい持論を展開するが、我らが先生はそれをしっかり受け止め、むしろガンガン攻めていく。バレンタインデーはヒマリと過ごせる大切な日と称し、だからこそ急いできたんだと囁く。責められると弱いヒマリはキュンキュンしてしまい、いつものペースを崩していく。ヒマリがバレンタインに用意してくれたチョコは自分の姿を象ったチョコであり、見た目だけでなく味にもコダワリ、これを食べられる先生は幸せだろうと豪語する。だがしかし、いざ目の前で先生がチョコを口にしようとすると、ヒマリは自分のうつしみが先生の口に入る姿を目の前で見る事になると気付き、途端に恥ずかしくなってしまうのだ。さっきまで食べて食べてとせがんでいたのに、一転して箱に戻して執務室に帰ってから食べてと論を変える。恥ずかしがっちゃうヒマリかわいいね。照れるヒマリはそれを隠すため感想文を要求。レポート形式で提出せよと述べて来るのであった。かたわであり誰からも相手にされないため自画自賛することで精神的安定を保っている少女が、正面から自分を褒めてくれる・認めてくれる先生にときめいていくというヒマリの魅力が詰まったストーリーである。
朝顔ハナエ「最高の疲労回復剤」~ハッピーホットチョコレート~
ブルアカ無自覚バレンタインシリーズ。バレンタインであることに気付かず、なんか街中でチョコが売られているので購入しましたというパターン。話の流れとしては、またしても徹夜をしてしまった先生に対して当番生徒にあたっていたハナエが飲み物を出すという展開。先生の体調を気遣うハナエは先生のために疲れが取れる飲み物を用意すると申し出る。だがそこで出されたのは、カフェイン濃縮飲料。なんと、普通のコーヒー200杯分のカフェインが入っているのだとか。流石の先生もこれを飲むことは出来ずチェンジを要求。ハナエにホットチョコを出してもらうことになる。ハナエらしさが出ている点としてはホットチョコのカップにかわいいウサギのマシュマロが添えられているところ。そういえばハナエは立ち絵でもウサギのマスコットをぶら下げているよね。そんなわけで先生はホットチョコを美味しくいただくのだが、ここでハナエが疑問を呈する。なぜ道端であんなにもチョコが売られていたのかと。ここで初めてバレンタインであったことに気付くのだが、期せずして先生にチョコを渡せてよかったというオチになる。
浅黄ムツキ「ロシアンルーレット・チョコレート」~地獄のロシアンルーレット~
先生「と」遊ぶのではなく、先生「で」遊ぶことに定評のあるメスガキ、ムツキさん。今回はバレンタインということで、激辛チョコが混ざったロシアンルーレットで勝負をすることになる。温厚な先生は渋っていたのだが、先生がいつも生徒達を助ける時のキメ台詞である「大人としての責任」をあげつらいながら、煽り散らかすのである。ブルアカのコンセプト自体を揶揄されては根底が揺らいでしまう。後に引けなくなった先生はいつものごとくムツキの勝負に乗るのだが、これまたいつものごとくメスガキに敗北する。なんとロシアンルーレットチョコといいながら中身は全部激辛チョコなのであった。痛めつけられた先生を小馬鹿にしてあざ笑うムツキさんの姿をお楽しみください。しかしメスガキと言ったらワカラセ。先生は激辛を引いたら勝負が終わりとは言ってないよねと正論を吐き、今度はムツキの番ですよと激辛しかないチョコをムツキにも食べさせようとするのだ。先生のワカラセが成功するか!?と一瞬思われたが、先生がムツキに勝ったらブルアカが終わってしまう。ムツキは先生に無理やり食べられてしまうと騒ぎ立てるのである。JKが襲われると被害者ぶったら先生の方が立場が弱いのは当然のことであり、今回もムツキに完全敗北するのであった。こうしたキャラだからこそ、ファンアートやウスイホンでムツキがワカラセられる作品が多いのであろう。
朝比奈フィーナ「風味と風情と」~甘い杯~
割とイチャラブ度が濃いコミュ。任侠ヲタクであるフィーナはバレンタインにおいても盃を用意してくる。ちょっ未成年~と先生は焦りかけるが、その盃はチョコであったので、先生も一安心。だが今度はそのチョコ盃にお茶を注ぎ始める。お茶とチョコがマッチして風情を楽しむことができるのだとか。プレイヤーの皆様はお茶注いだら溶けるやんけと総ツッコミであったが、スタッフもそうであったらしくフレイバーテキストではフォローが入れられている。「長く持っていると溶けてしまうので、素早く味わうのが作法である」とのこと。テキスト自体は風情を先生と共にもっともっと味わっていきたいとフィーナが愛を告白する展開になっており、これからもこんな自分をよろしくお願いマスと可愛くはにかんで甘えて来る。
阿慈谷ヒフミ「新作のチョコレートグッズ!」~バレンタインぺロロ~
ヒフミと偽装カップルする話。ぺロロ様を信奉するヒフミはバレンタイン限定グッズの情報を知り、購入しに行くが、それはカップル限定であった。そんな時、たまたま先生が通りかかり声をかけると、ヒフミからカップルになって欲しいと告白される。先生は全く動揺することなくモモフレンズ関係であろうと推測し、ぴったんこカンカン。二人はカップルとなり、ヒフミは無事にぺロロチョコを手に入れる。このぺロロチョコ。カップル用ということで2ケース入っており、ヒフミは意を決して一つを先生に贈る。先生がヒフミに貴重な限定品を貰っていいのか訊ねた後が、本シナリオのクライマックス。ヒフミは先生には何かしらバレンタインで贈り物をしたかったと答えるのである。こうしてヒフミの淡い恋心が提示され、ヒフミ√は幕を閉じる。
飛鳥馬トキ「至高にして究極のおもてなし」~至高にして究極のチョコレートケーキ~
先生にバレンタインで想いを伝えるためにおもてなしをすることに決めたトキ。やるからには全力を注ぐトキは本気を出し、まさに至高にして究極のおもてなしをする。その努力は地道で切実なものであり、情報を仕入れ、自ら有名店にも赴き、先生に喜んで貰えるチョコを厳選するのである。さらにトキは自分の大切なオフィスに先生を招き、メイド服を身に纏い給仕を行って先生をもてなすのである。学園都市有数の菓子店から集められた様々な種類の厳選チョコを先生に味わってもらうことに喜びを感じるトキ。しかしそれは布石にしか過ぎなかった。トキは自分の手作りチョコケーキが、有名店に負けないほど美味しいことを示したかったのである!!トキはこれまでのチョコは既製品であり充分気持ちが伝わらないと述べ、完璧に真心が伝わるよう自ら食べさせてあげると言い出す。トキは先生に寄り添い甲斐甲斐しく口にケーキを運ぶのであるが、先生はトキに食べさせてもらったその味を心が落ち着く味と評している。
天雨アコ「とにかく準備したので!」~あなたのための一口の休息~
バレンタイン、風紀委員に赴きアコの書類仕事を手伝うことになった先生。アコは猫の手も借りたいならぬ先生の手も借りたいと述べながらいつもの如く先生にダル絡みをするが、アコに対して先生は大人な対応を見せる。真面目に書類を片付ける先生を見たアコは、ここぞとばかりに計画を発動。書類1枚終わる毎にチョコをあげると言って一粒一粒チョコを食べさせてあげるのである。アコはあたかも買ってきた市販のチョコのように振る舞っており、チョコの完成度も高かったが、先生はアコの手作りであると見抜いていたのだ。しかも最初から。ある程度仕事が進んだ時にそれを先生が指摘すると、アコは意地悪ですねとなじるのだが、バレたからにはと感想を要求してくる。そんなアコを微笑ましく思った先生はコーヒーを煎れてあげ、仲良くチョコを食べながら、アコの愚痴を聞き精神的ケアに努める。アコにとって自分がどんなに理不尽を言っても受け容れてくれる相手が先生なのだろう。そんな信頼の証を見せつけるストーリーとなっている。
天見ノドカ「貧者のチョコレート」~カカオの実~
シベリア送りにされたまま忘れ去られ、辺境での生活を余儀なくされるノドカ。物資欠如も甚だしく、先生にチョコレートを贈ることも出来ない。やっとの伝手で手に入れたのが、カカオの実であった。先生へプレゼントをしたいという気持ちを抱えながらも原料しか用意できず謝罪するノドカであるが、先生は彼女の想いを大切にする。先生がその心意気を示したのが、済まなそうな顔をして佇むノドカの前でカカオを生で齧って見せたこと。こうして落ち込むノドカを励ましていく。ノドカは来年こそ、バターと砂糖も手に入れて、ちゃんとチョコレートを作ると意気込む。そんな健気さを見せるノドカに対し、先生は彼女が普段甘味を口にできないことを鑑みてお返しチョコを買ってあげるのだ。優しい。ちなみにフレイバーテキストではカカオの実の蘊蓄が書かれており、お茶のように沸かして飲むと良い風味が出るとされている。
伊落マリー「どこから食べれば……?」~ホーリー・チョコレート~
伊落マリーがバレンタインの日に、チョコを渡していいか苦悩する話。神に仕える敬虔なシスター伊落マリーはバレンタインを「日頃から感謝を伝えたい方に、チョコレートを通じて気持ちを伝える日」だと認識していた。そのため、どうしてもチョコを渡したいなと願うのだが、どのようなチョコを渡せばいいのかで迷ってしまう。そんなマリーが最終的に選んだチョコとは!?な、なんとシスターフッドのオミヤゲとして大人気な聖母像を象った「ホーリー・チョコレート」だったのである。先生は偶像崇拝ェェ……と思うが、マリーからの贈り物として喜んで受け取る。するとマリーは安堵の表情を見せ、胸の内を打ち明けてくれる。そもそも神に仕える自分が先生という特定の男性個人にチョコを渡していいのか悩んでいたのだという。それでも先生へ気持ちを伝えることができ、私てよかったと微笑んてくれるのである。そんなマリーとの心温まるエピソードであるが、聖母像のチョコを食べてもいいのかどうか問題となり、結局展示用にするというオチがつく。
伊草ハルカ「その前に、その後に」~カカオ99.99%~
バレンタインの日、先生からハルカを呼び出す。先生が主体的にバレンタインに逢おうというのもレアケース。と、いうのもハルカは色々と思いを拗らせた結果暴走しがちでありバレンタインの日にグルグル悩んで問題を起こすことが予想されていたからである。そのため先生はあらかじめハルカを呼び出していたのである。ハルカはいつものように自虐ムーブを展開するが、ハルカの自己卑下にも慣れている先生は、ハルカを優しく肯定し彼女が他者からきちんと認められて必要とされていることを行動で示すのである。勿論ハルカは先生のためにチョコを用意していたのだが、彼女が選んだのはカカオ99.99%のチョコレート!とても苦い。ハルカ曰く、普段チョコは食べないので、数値がすごそうと思ってチョイスしたのだとか。実際に健康的にはカカオポリフェノールやカカオプロテインの効果は喧伝されているので、身体には良いのかもしれない。またカカオ99の苦みの中にあるハルカの愛情という甘味を先生が味わっているテキストも挿入されている。
池倉マリナ「保安委員長の勲章」~特別功労勲章チョコレート~
先生をレッドウィンター(ソ連)に呼び出したマリナ。旧共産系のこの学園では勲章に付与による権威付けのコントロールにより人的地位が操作されていた。コチコチの教条主義者であるマリナはその勲章を何よりも重視していたのだが、チョコレートの目標生産量を達成した時にチェリノ(スターリンをモチーフとしたキャラ)から与えられたのは、なんとチョコレートで出来た勲章であった。このまま冷蔵庫に入れたままにして腐らせるわけにもいかないと思い悩むマリナは先生を呼びだし、この勲章の処置について助言を請う。しかしチェリノの勲章制度のオママゴトのようなくだらなさを知る先生は食べてしまえばいいと答える。これには流石のマリナも躊躇し、せっかく貰った勲章が無くなってしまうではないかと反論。だが先生はマリナの努力や実績は皆が覚えており記憶に刻まれているとか何とか言い説得。先生に上手く言いくるめられた感のあるマリナだったが、それならば恩返しの証として先生に食べて欲しいと自分の勲章チョコを譲ってくれる。勲章を何よりも大切にしているマリナがそれを先生にくれるなんて余程のことである。ラストのテキストで立ち絵差分のマリナがニッコリする姿は破壊力バツグン。
勇美カエデ「最強のチョコサウルス!」~最強のチョコサウルス~
ブルアカ本当に高校生かシリーズ・アホの子編。所謂炉利巨乳に分類されるキャラなのだが、精神年齢は幼く、情緒も小学生男児のように設定されている。バレンタインが何の日か当日テレビを見て初めて知ったり、同じ部活の仲間から火を一人で使うのは危険と止められたりするほど幼く扱われている。そんなカエデは手作りが出来ない代わりに恐竜発掘チョコを綺麗に割って先生にプレゼントしようと試みる。だが大方の予想通り、発掘失敗。たくさんの恐竜を割るが失敗作の山を作ってしまうのであった。カエデは上手く出来なくて落ち込むのだが、先生は優しい言葉をかけて慰める。大切なのは結果ではなく、カエデが先生のために頑張ってくれたことが嬉しいんだと甘い言葉を吐いていく。これに励まされたカエデは、恐竜チョコの割れていない部分を組み合わせ合成獣を創出!これを最強のチョコサウルスと名付ける。またチョコを見てたら食べたくなってきちゃったと先生に甘え、二人で割れた破片をついばむのであった。
十六夜ノノミ「おやつ担当の甘い気持ち」~おやつ担当のお仕事~
先生を連れてバレンタインお買い物デートに行くノノミ。先生に荷物持ちをしてもらうのだが、その重量は凄まじいものがあり、先生の腕はプルプル状態であった。キヴォトス女子と一般成人男性を比べちゃいかんよね。そんなわけでノノミは「悪いこと」を先生に提案する。本来なら真っ直ぐ帰らねばならないところ、先生と一緒にご休憩してお散歩するのである。のどかな時間を過ごす二人にホッコリ。そんな中、ノノミは買い物で購入したチョコを取り出す。次々に取り出す。さらに取り出す。どんだけ買ったんじゃい!というレベルであるが、ノノミは仲間達がどんなチョコが好きかを考えながら選んだと仲間想いの姿を見せる。感動!となった所でノノミは手ずから先生にチョコを食べさせたいので、ストーレートに「あ~ん」をしてくる。しかもフォントサイズ的にかなりの勢いであることが分かる。しかもノノミが「あ~ん」をしたのは1回だけでなく、様々なチョコを一つずつ食べさせて貰ったのであった。すっかり餌付けされてしまう先生……。
伊原木ヨシミ「すごく貴重な限定の」~ヨシミの限定チョコレート~
スイーツ部の中では頼れる姉御肌であり、イベストでも宇沢とカズサについて友達だから喧嘩するのも当たり前と当然の如く見なしていた。だがそんなヨシミだが気になる異性である先生の前では素直になれずにキレ散らかしてしまう。いわゆるツンギレでお馴染みのキャラ。バレンタインの時も気持ちを伝える為に市販のチョコでは味気ないと限定チョコ購入のために並んだのだが、結局は買えなかった。それでも特別感を出すために手作りにチャレンジするのだが出来上がったウサギ型のチョコはボロボロであった。そのためヨシミは先生を呼びだした後、15分以上も逡巡し、結局先生に声をかけてもらう。そしてキレながら手作りチョコを渡すのである。先生はいつものようにヨシミのツンギレを優しく受け止め甘い言葉を吐く。先生がヨシミを気遣い歯の浮くようなセリフを発言する度、にヨシミは照れながらリップサービス、いつものパターンとキレるのだが、最終的には喜んでいる自分を自覚せずにはいられない。最後は先生の優しさを噛みしめながら「どうして、こう……。」と述べて画面が暗転しオチとなる。おそらくヨシミは先生の胸に顔をうずめて甘え散らかしているのだろう。
戒野ミサキ「責務とイベントの相関性」~丁寧なラッピング済みチョコレート~
これもまた仕事にかこつけて先生にチョコを渡そうとする話。ツンデレ。ミサキはアリウスのみんなを守ることを使命感としており、寝床とする廃ビルの安全確認をすると称して先生を誘う。先生とミサキはライフラインの確認や経路の確保など次々と探索を行っていくがミサキが提案するものは皆、すぐにできるものばかりであった。それもそのはず、仕事や責務は単なる口実であり、目的はチョコを渡す事だったからである。しかもミサキはうっかりポケットからチョコがはみ出しており、先生は最初からミサキの狙いが何となく分かっていたというワケ。ミサキは最悪と繰り返しながらも先生にチョコをプレゼントしてくれるのだが、セリフにはツンデレのような言い回しが用意されている。「他の意味は絶対、絶対、絶っ対に無いから。わかった?」と念押しをしてくるのだ。しかしフレイバーテキストには「2色のリボンが使われた繊細なラッピングは、彼女の隠れた一面を表しているようにも見える」とあり、ミサキ先生のために心を込めて贈っているものだと分かる。
岩櫃アユム「終わらないもの」~ドライグレープフルーツのチョコがけ~
連邦生徒会で書類仕事に追われるアユム。やってもやっても終わらない仕事に疲弊していく姿は、先生と通ずるものがあった。そんなアユムに対し先生は優しく労い、休憩にはコーヒーを煎れてあげる。先生の腕前による味は、アユムにとってピッタリの味わいであり、このような所でもシンパシーを感じる。書類仕事が大変でヒィヒィ言っているという点で先生とアユムは共感を得たのである。バレンタインなのに忙しくてチョコを買いに行けないアユムは自分のおやつを先生にプレゼント。疲労回復に気を使っており、カフェインとテオブロミン、ビタミンまで摂取できるのだとか。バレンタインなのにいつものおやつであることに恐縮するアユムだが、先生は感謝の言葉を述べ味を評価し、疲れも取れそうと褒める。それを聞いたアユムは思わず嬉しくなってしまい、先生といると疲れを忘れてしまいそうとゴキゲンになるのだった。この時の立ち絵が大変良く、えへへと笑みを浮かべる表情がとても可愛い。先生はアユムと一緒にグレープチョコを食べながら彼女の苦労話を聞き、ケアに努めるのであった。
宇沢レイサ「バレンタイン挑戦状」~バレンタイン挑戦状~
市販のチョコに挑戦状を付けたレイサからの贈り物。挑戦状には先生への想いが綴られている。レイサのバレンタインストーリーの見所は「レイサの無邪気さを受けとめる場面」と「急に曇り始めるレイサをケアする場面」。前者についてはいつもの如くレイサがウザさを発揮し先生に突進してくるところから始まる。先生はもう手慣れたもので、レイサが体当たりしてくることを足音で察知し、落ち着いて受け止められる程にまでなっていた。ここから二人の関係の深さが窺われるし、落ち着いた男性に構って構ってするウザワもかわいいね。レイサはとても素直であり、バレンタインのチョコもストレートに難なく渡してくれる。だがここからがレイサの本領発揮。チョコは市販のもの手を加えて挑戦状のカタチになっており内容は想いを綴ったものであった。それを先生は本人の前で読みだそうとするのである。さすがのレイサもこれには焦った。後で読んでくださいと涙目になる。そしてレイサは一人で空回りしていることを自覚し、急に曇り始めてしまう。これが第二の見所だ!レイサは自分のものがほぼほぼ市販品であることを気に病み、手作りが良かったかですかと訊いて来る。さらには先生の時間を無為に奪ってしまったと自己卑下まで始めるのだ。これに対し我らが先生はレイサが勇気を出してくれたから嬉しい!、レイサに貰えたのが嬉しいんだ!とパーフェクトコミュニケーション。先生からケアされたレイサが照れだす描写がクライマックスとなっており、是非皆さまに読んで欲しい!!レイサは先生の時間を自分が奪ってしまうことを気に病んでいたが、先生の優しい気づかいにより過度に気にすることをやめ、先生と一緒にチョコを堪能する。ちなみに挑戦状という名の恋文は帰ってから読みました。
生塩ノア「セミナー書記ノアの甘いイタズラ」~チョコレートインク~
衝撃!自分の舐めた唾液付きのチョコを先生に渡すノア……。事の発端はこうだ。ボトルインクを購入したのだというノア。書記としてペンとインクで文字を書いてみたくて執務室に寄ったのだろいう。ミレニアムの記録媒体はデジタル化されており紙などないというのが彼女言い分。先生はフツーに紙を渡し、ノアはそれに書こうとする。だがインクがうまく出ないと称し、ボトルインクをペロッと舐めるのである。これを見た先生は驚き、早くペッしなさいと駆け寄る。だがこれこそがノアの狙いであり、先生を驚かせるドッキリだったのだ。一瞬、羽ペンのペン先を舐めたのだと思ったが、間違いなくインクボトルの方を舐めているテキストである。そして、これの本当のねらいは自分の唾液のついたインクボトルチョコを先生に渡すことだったのであろう。しかもノアの攻勢は続き、心からの気持ちを伝えるにはこのインク壺が最適なので、そんな時がきたらぜひ使って欲しいと心に頸木を嵌めるのである。先生がもし誰かを想うことになったら、このインク壺のことを必ず想起するであろうし、そうしたらノアの事が脳裡に過るであろうという仕組み。パフェコミュとしては、ホワイトデーのお返しの時、このインクボトルで文字を書いたお菓子を返礼すればいいのだろうか?プレイヤーの皆様はどう思われましたか?
牛牧ジュリ「少女の気持ちは色褪せない」~ジュリの手作りチョコレート~
先天的に料理をうまく作れない少女がチョコだけは何とか手作りしたいと奮闘するも失敗。渡すのを諦め、市販のチョコにするが、先生はジュリが手作りしていたことを察し、彼女の気持ちを解放する話。牛牧ジュリは料理をうまく作ることが出来なかった。当初こそ、初心者にありがちなレシピガン無視やしなくていいアレンジをするかと思われていた。だが先生と料理の特訓をしはじめから丁寧に技術を学んだ結果、ジュリはどうしても先天的にメシマズとなってしまうのであった。絆ストーリーでは、それでも料理に関わることを諦めたくないと強く願い、素材の選定や材料の調達、作物の栽培などに自分の役割を見い出していくという感動ストーリーが展開された。それ故、バレンタインの時にはもう既にメシマズであることは自覚しているのだが、どうしても手作りチョコを渡したいのが乙女のサガというもの。ジュリはチョコ作りに奮闘したのだが、結局は失敗し、食べたら卒倒するチョコが完成したのであった。ショックを受けるジュリは、手作りを諦めて市販のチョコをスーパーで買い、先生に渡す。先生はこれを美味しく食べるのだが、ジュリの雰囲気から手作りに失敗したことを察していた。そこで先生はジュリが手作りを渡せるように優しく問いかけ、彼女の想いを解放するのだ。食べたらゲロマズであるということは分かっている。それでも先生はジュリが作ってくれたことを喜ばしく思い、口に入れるのだ。案の定、先生はぶっ倒れることになるのだが、手作りを味わえて良かったという思いが勝るのであった。
歌住サクラコ「特別な対象」~自らの選択~
サクラコ√は一瞬ギャグシナリオになりかけるが、サクラコが奥ゆかしく想いを伝えるエンドとなる。サクラコは自分が信仰生活を送っていることで流行からかけ離れたところにいることを気にしており、ナウなヤングにバカウケな若者文化を学ぼうとするも、いつもトンチキな結果に終わるというのが様式美(その象徴が「わっぴー」だったというワケ)。バレンタインシナリオでもチョコが流行からかけ離れていることをとても気にするのであるが、逆に先生からは流行に惑わされず自分の心を信じるように諭される。先生の説諭を受け、サクラコは心の赴くまま振る舞うことの大切さを知るが、シスターの長であるサクラコにとってそれは中々難しいものがあった。そのためサクラコはひとつのことだけ、心の赴くまま振る舞うことに決める。それが一体何だったかというと、先生のことであった。サクラコは先生に対する想いだけは気持ちに封をするでもなく、流行にながされるわけでもなく、ありのまま捧げることを告白する。最終的にサクラコが先生に対して好意を伝えるグッとくる展開になっており、途中で「エイリアンメガネ」や「チョコタイムダンス」とか言い出した時は、何事かと思った。
浦和ハナコ「多情多感な女の子」~チョコ埴輪~
バレンタインの贈り物として先生にチョコで作られた張形をプレゼントするハナコの図。ハナコは変態淫乱女として奇行に走るトンデモキャラとして有名である。だがそれは仮の姿であり、彼女が才女としての自分しか求められなかった結果、耐えきれなくなって「そうなってしまった」姿であった。そのため素のハナコの本質は変態淫乱女とはかけ離れた所にある。彼女は意図的に変態淫乱女を振る舞っているのではなく、自我崩壊を防ぐために取らざるを得なかった姿と解釈するとドラッグ中毒にも似た危うさがある。そんなハナコが自己の弱さを先生にさらけ出すのが、水着ハナコの絆ストなのだが、それを踏まえると、バレンタインのイベストも単なるネタ系ギャグシナリオではなくなってくる。すなわち、チョコの張形を贈ったのは単なるジョークグッズでもないし、ましてや先生に菊紋ファックするわけでもなく、自分に使って欲しいことの表れではないかと推測できる。バレンタインのハナコはいつもの変態淫乱っぷりはなりを潜め、きわめて地を出して素の状態で気高さと優雅さをもって先生に接してくる。その姿と贈り物内容のギャップ差でインパクトを与えているのだ。それを考えると、使用済みの愛液がついた張形を先生に食べて欲しいという解釈もできそう。
円堂シミコ「一緒に食べられるもの」~本のお友~
サブタイトルがダブルミーニング。一緒に食べられるとは、「本を読みつつ食べられる」という意味と、「カップルと二人で食べられる」という意味が内包されているんだよ!というお話。図書館に呼ばれた先生。本の返却期限の催促かと思いきやさにあらず。バレンタインなので、シミコがチョコを渡したいということであった。シミコがくれたのは本を象ったケースに入れられたチョコ。図書館職員にも大人気なのだという。先生は図書館でチョコを食べて本に汚れがついてしまわないか心配するが、このチョコは特殊コーティングが施されており、食べながら本を読んでも汚れないのだという。そんなわけでシミコの本意は、チョコを食べながら作業しても汚れないので、当直の間一緒にいて欲しいということであった。先生はシミコが言い出せずにモジモジしていたのを見て意図を察し、先生の方から提案してあげる。こうしてシミコと先生は二人で一緒に夜遅くまで作業をし、シミコが寝入ってから寝顔を見守り、毛布を掛けて帰るのである。
大野ツクヨ「バレンタインも、忍者の、精神で……!」~とろけるロップイヤーチョコ~
忍者らしくチョコを渡さねばならないと吹聴されたツクヨ。先生の執務室に忍び込みアレコレ悩んだ結果、ロッカーに潜むことを思いつく。だが巨体であるツクヨはロッカーに嵌って出られなくなってしまうのだ。外回りの仕事から帰ってきた先生は書類仕事に勤しむのだが、ツクヨが隠れていることに気付けない。ある程度仕事をこなしたのち、ガタガタと音がすることにようやく気付き、ロッカーの中のツクヨを発見する。ツクヨは自分の高身長にコンプレックスを抱いているのだが、今回ロッカー出られないよ事件を起こしてしまったことにより、気落ちしてしまう。さらにはせっかく用意したバレンタインチョコも胸元に抱えていたため溶けてしまっていた。いたたまれなくなったツクヨは逃げ出してしまうのだが、先生はそれを止め優しい言葉で慰める。先生は後でそれを食べるね!と云うのだが、ツクヨは今ここで食べて感想を言って欲しいとグイグイ来る。ツクヨの目の前でツクヨが胸元で抱き締めた体温が残るチョコを食べることに躊躇する先生。だが先生がためらうとツクヨはネガティブムーブに陥ってしまうため、先生は食べるしかなかった。先生に食べて貰えるだけでなく美味しいとまで言って貰えたツクヨは上機嫌。もっともっと忍者として頑張ると宣言して幕を閉じる。
尾刃カンナ「局長のブレンドコーヒー」~「いつもの」コーヒー~
カンナが「いつもの」コーヒーと称して「主観的感情」が入ったという体裁でチョココーヒーを振る舞う話。パトロールの確認のため警察学校に寄った先生。そこにはバレンタインの日でも書類仕事に追われるカンナの姿があった。生活安全局の生徒はイベントのため出動していたが、公安局のカンナにはほぼ関りが無い。そんなわけでバレンタインと言ってもカンナには普段の日々と変わりが無かったのである。だが、興味が無さそうなそぶりをしつつも先生にチョコレートをあげたいと思うのが心情であろう。カンナはいつものコーヒーを煎れると称して、チョココーヒーを出すのである。先生がそれを指摘するとカンナは淡々と見解を述懐。「いつもの」コーヒーであるが、「主観的感情」が入っているので、甘く感じるのであろうと、先生にだけ伝わるような婉曲的な表現を伝えてくる。勿論先生はそれを理解っていながら、わざとカンナの答弁に乗ってあげるのである。こうしていつもの日常と同じように二人でコーヒーを啜る姿が描かれるが、それは絆の深さを物語るものでもあった。と、いうか「いつもの」で通じる程、先生と逢ってるんですね……。
奥空アヤネ「意図していないプレゼント」~砂漠のバラ~
妄想癖が強いアヤネちゃんのぶっ飛びアワアワ劇場。メガネキャラでアビドスの知性担当のアヤネ。だが抜けている所もあり、慌てると変な妄想をして暴走してしまうという話。バレンタインの日にやってきたアヤネは、疲弊気味の先生のためにチョコを買ってきたと言って渡す。寝ても疲れが取れないという先生を想って疲労回復のためにと差し入れをしたのだ。だがアヤネはこの日がバレンタインだとすっかり忘れていたのである。そのため期せずして先生へ想いを伝えることになってしまい、アヤネが慌てふためくのである。顔を真っ赤に染めながらブツブツと言い訳を始め、さらには対策委員会の仲間達にバレた時の妄想まで展開してくれるぞ!自分がおちょくられることを予想して恥ずかしがりながらも、マウントを取ることができるからそれはそれでとか言っちゃう。先生は大人としてアヤネを受け容れ、彼女を落ち着かせると、のんびりとチョコレートを食べることにした。