生成AIは世界を変えつつある。膨大な情報を処理するその能力によって、今、AIと「ゲノム編集」や合成生物学によってデザインされた生物(AI生物)の開発が今後、急速に進むことが想定される。そして、それが大きな問題を引き起こすことが当然、懸念される。
生成AIには巨大な可能性がある。それを無視できる状況ではすでになくなっている。社会は急速に生成AIによって変えられていくだろう。ただし、それが持つ欠陥を理解していなければ、未来社会は絶望的な社会になりかねない。しっかりとした規制の下に管理することが不可欠だ。 “AIを使った「ゲノム編集」生物” の続きを読む
秋田県小坂町の「あきたこまち」から基準値越えるカドミウム検出
秋田県の「あきたこまち」から基準値を上回るカドミウムが検出されたという報道が出た。基準値の0.4ppmに対して、最大0.87ppmというからかなり高い値ではある。
もっとも、たまたまこうしたお米を食べたとしても直ちに健康被害に至るようなことは考えにくい。カドミウムは有害な重金属とされるが、まったく人体にないと筋無力症にもなってしまうという¹。つまりごく微量は必要であり、それを越えて蓄積されると問題を引き起こす。 “秋田県小坂町の「あきたこまち」から基準値越えるカドミウム検出” の続きを読む
農業によるPFAS汚染
永遠の化学物質と言われるPFAS、その脅威は全世界的な問題に。汚染は世界の広範囲に広がっており、現在もなお、汚染が拡大し続けている。それも農業を通じて拡大している。
さまざまな工業製品に使われるPFASだが、それらが製造禁止になったとしても、環境中にはPFASは残り続け、下水汚泥肥料の利用によって、広範囲の農地が汚染されつつある。そしてPFASを使う農薬は最近種類が増えているからだ。 “農業によるPFAS汚染” の続きを読む
バイエルは21億ドル未満の敗訴:ラウンドアップ訴訟で株価ダウン
3月22日、米国ジョージア州の裁判でバイエル(モンサントを買収)はモンサントの農薬ラウンドアップの使用によってがんになったと訴えた原告に21億ドル(約315億円)未満を支払うように命じられた¹。日本では農薬村からは「ラウンドアップ裁判でモンサント(現バイエル)は勝っている」という情報ばかりが流され、モンサント・バイエルが敗訴した情報はほとんど日本語では流れない。 “バイエルは21億ドル未満の敗訴:ラウンドアップ訴訟で株価ダウン” の続きを読む
合成生物学を使った人造生物肥料に、「ゲノム編集」作物が経済安保?
解決策があることはわかっている。でも、日本政府はその解決策を完全に無視して、企業の儲けになる、その場しのぎの方策ばかりに突っ走る。エネルギー政策しかり、そして農業政策しかり。その結果、このままでは日本はより深刻な事態に向かおうとしている。
共同通信は政府が経済安全保障推進法に基づき財政支援を通じて育成する「特定重要技術」の対象に肥料生産に関する先端技術を追加したと報道した。この先端技術とは、化学的手法による肥料生産や少ない肥料でも育つ「ゲノム編集」作物なのだそうだ。 “合成生物学を使った人造生物肥料に、「ゲノム編集」作物が経済安保?” の続きを読む
土壌改良材でカドミウム汚染対策
重イオンビーム放射線育種米への転換を進める動機として、カドミウム汚染がある。カドミウム汚染対策は万策尽きて、重イオンビーム放射線育種品種に頼るしかない、ということなのか、調べていくと、そうではないことがわかる。海外での研究でも有機堆肥を活用することの有用性が確認されている。その実証研究が日本でも行われていて、土壌改良材を用いることで劇的に下がることがわかった。そして、その土壌改良材を用いた水田で作ったお米が食味コンクールで金賞を受賞した。うまくて安全、というのはこの上ないことではないか。しかも重イオンビーム放射線育種など使っていない。 “土壌改良材でカドミウム汚染対策” の続きを読む
今年を種子主権の年に!
長周新聞に新年に向けた原稿を書きました。
フードシステムがもたらす多重危機 地域の多様で自由な種を守る元年に
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/33480
今年は種子主権の年に、と個人的には思っています。種子主権というと自家採種の権利と思われてしまうかもしれませんが、それに尽きるものではありません。タネを買う人であっても種子主権は重要です。種子主権とは、タネを自由に選び、自由に育てる権利、タネの決定権と言ってもいいかもしれません。 “今年を種子主権の年に!” の続きを読む
2025年、世界では止まった有機農業バッシングに日本はどうなる?
2024年の振り返り。世界では2020年〜2024年にかけて有機農業バッシングが猛威を振るった。でも、世界ではそのバッシングの中でも有機農業はがっしり根をはり、バッシングを跳ね返しつつある。光が見えたのが2024年だったかもしれない。
一方、来年以降、周回遅れの有機農業バッシングが日本を襲う可能性が高いと危惧する。有機農業は気候危機、生物絶滅危機などの多重危機の不可欠な解決策。どう攻撃から守れるか、世界の動きから考えてみたい。 “2025年、世界では止まった有機農業バッシングに日本はどうなる?” の続きを読む