国会図書館に、プリキュアの同人誌を納本しました。
「同人誌」だろう「商業誌」だろうと「頒布を目的」として相当数印刷された本は、国会図書館への納本義務があります。
「納本制度」とは、図書等の出版物をその国の責任ある公的機関に納入することを発行者等に義務づける制度のことです。わが国では、国立国会図書館法(昭和23年法律第5号)により、国内で発行されたすべての出版物を、国立国会図書館に納入することが義務づけられています。
納本された出版物は、現在と未来の読者のために、国民共有の文化的資産として永く保存され、日本国民の知的活動の記録として後世に継承されます。
何を収めるのか?というと、
Q1:どんなものを納めなければならないのですか?
A1:原則として、頒布を目的として相当部数作成されたすべての出版物です。図書、雑誌・新聞だけでなく、CD、DVD、ブルーレイ、レコード、楽譜、地図なども対象となります。
また、社史・団体史等の自費出版でも、相当の部数を作成し配布されているものは納本の対象となります。ただし、ホチキス止めなど簡易綴じのもの、広く一般に公開することに支障があるものなどは、納本の対象とはなりません。
「頒布を目的」として「相当部数作成された」「全ての出版物」の他、CDやDVDなども納本の対象となる様です。
自費出版の「相当の部数を作成」がどれくらいの部数かというと、この辺りを見ると
相当部数は100部以上 (#2984168) | 国立国会図書館に納本された「無意味な文字を羅列した高額書」、返本される | スラド
少なくとも100部以上刷られたものは対象になる様です。
(文意からは、おそらくもっと少なくてもOKな気がします。)
ただ部数よりも「頒布を目的」の方が重要な様です。
今回作った同人誌は、「不特定多数への頒布を目的として100部以上刷られている」を満たしているので、納本の義務がある様です。
詳しくは、PDF:国会図書館 納本のお願い(民間出版物)http://www.ndl.go.jp/jp/collect/deposit/pdf/deposit_request_pvt.pdf
(↓この辺りも参考に)
d.hatena.ne.jp
と、いうわけで
「プリキュアの数字ブログのほんvol.1」を国会図書館に納本しました。
納本の方法
納本の方法は、
1.直接国会図書館に持っていく
2.郵送
なのですが、自分は愛知県在住なので「郵送」で納本を行いました。
送り状を付けて「寄贈」である事を記載し、
(受領証がいる場合はその旨を記載しないといけない様です。)
御寄贈いただいた資料の受領について|国立国会図書館―National Diet Library
また送付は1部でも良いのですが、2部送付すると、東京と大阪の2か所に収蔵される様です。せっかくなので2部納本しました。
2部郵送で送ったところ、
ゴールデンウィークを挟んで約10日で国会図書館様から受領証が送られてきました。
(豪雨で封筒がかなり濡れてた・・)
受領証です。
「国民共有の文化的資産として永く保存」・・ってそこまでたいそうなものでもないのですけど。
(納本には、代償金制度があり、申告すれば販売価格の40~60%で買い取ってくれるらしいのですが、申請とかいろいろ大変そうですし、別に金銭目的でもないですし、自分は「寄贈」にしました)
代償金に関しては少し前にも「亞書」が詐欺なのでは?と問題になっていましたね。leemanparadise.com
(1冊1000万円の同人誌作って、納本すれば500万円もらえるのか、というとそういうものでもない様です・詐欺絶対ダメ)
本は永久に保管される。
Q:納本された出版物はいつまで保存されるのですか?
A:期限はありません。保管に適した環境の書庫で、可能な限り永く保存し、利用に供します。
それよりも、一度国会図書館に納本されたものは、
日本国があり続ける限り、
「保管に適した環境の書庫で、可能な限り永く保存し、利用に供される」のです
この先、自分が死んで、このブログも電子の海に沈んだ100年後、200年後の世界。
そんな未来にもきっと「プリキュア」を研究したい、という有望な若者がいるでしょう。
そんな100年先、200年先のプリキュアファンに、ささいな文献を残して、ほんの少しの研究のお手伝いができたら素敵だな、って思います。
だから皆さまも、
「西暦2000年代のプリキュアファンの文化」
「プリキュア放送開始から「初期15年間」のプリキュアファンの熱量」
「僕たちが何を思い、どんな熱量で、何を表現したのか」
を、遥か遠い未来、300年後のプリキュアファンに伝えるためにも(出来る方はぜひ)国会図書館へ納本してみてはいかがでしょうか?(というか、一応納本は義務なのですけどね)
プリキュアに限らずですが、今のファンの想いを、未来のファンのために。
そしてそれこそが、国会図書館の納本の標語
「100年後もよみたい」
「わたしの本をみんなの本に、わたしの本をみらいの本に」
につながっていくのだと思います。
納本大事。
(おわり)