バーチャルVtuver豆猫さんの与太話

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【#MTG初心者】ハゾレトは出した後、何ターン目から殴れるか?【エンジン始動!】

 いよいよレースをテーマにしたセット『霊気走破』の発売が近づいて来たね。

 今回の記事では『霊気走破』で登場する新キーワード能力「エンジン始動!」について解説していくよ。

 

 まずは「エンジン始動!」を持つ新しいハゾレト神を見てみよう。

 

 

 このハゾレト神は「エンジン始動!」と、その能力によって発生する「速度」の値を参照して顕現する常在型能力を持っている。

 では実際にハゾレト神が攻撃できるようになるのは戦場に出てから何ターン後か考えてみよう。

 まず最速2ターン目にハゾレト神を戦場に出したとしよう。

 この時点で「エンジン始動!」が効果を発生させる。

 あなたの「速度」は1になり、エンジンがかかり始める。

 

 第3ターンにあなたが《ショック》を唱えて、対戦相手のライフを2点減らす。

 この時、速度は1から2に上がる。

 ダメージによって速度が上がるのは1ターンに1度までだ。

 2枚目の《ショック》を唱えても速度は2のままである。

 もったいないので、2枚目は次のターンに温存しておこう。

 

 第4ターン。あなたが2枚目の《ショック》で対戦相手に2ダメージを与えるとあなたの速度は3になる。最高速度まで後ひと息だ。

 

 第5ターン。あなたが3枚目の《ショック》を使い遂に速度は4。

 すなわち最高速度に達し、ハゾレト神が攻撃できるようになる!

 

 第2ターンにエンジンを始動してから第5ターンまでかかった。

 うーん、ちょっと遅すぎないか?

 

 実はもう少し早くできる。

 例えば、《ショック》3枚でなく1マナのクリーチャーと2枚の《ショック》の場合を考えてみよう。

 まず第1ターンに1マナのクリーチャーを召喚する。

 第2ターンの戦闘前メイン・フェイズにハゾレト神を出してエンジン始動!

 そして召喚酔いの解けた1マナのクリーチャーで攻撃してダメージを与える。

 

 速度はどうなるだろう?

 

 速度は1ターンに1しか上がらないわけではない。

 「ライフを失わせることによる速度の増加」は1ターンに一度だけ、というのが正しいルールだ。

 この第2ターンに速度は0から1にあがったが、それとは別にダメージによる速度増加を行ってよい。

 結果的に「エンジン始動!」を持つパーマネントを出したターンに出せる速度は2までということになる。

 

 さらに早くすることはできないだろうか?

 ここでは実戦的でなく理論値について考えてみよう。

 まず第1ターンに置く土地が《山》でなく《アモンケット・サーキット》ならどうだろう?

 

 この土地は「エンジン始動!」を持っているので第1ターンから速度が1になる。

 さらに《ジンジャーブルート》を出してみよう。

 

 

 この無色のクリーチャーは速攻があるのでなんと第1ターンに速度2に達する。

 

 第2ターンにハゾレト神を出してみよう。

 注意が必要なのは「エンジン始動!」を持つパーマネントが場に出た時に速度が上がるのは最初の一回、0から1になる時だけだと言うこと。

 ハゾレト神を出しても速度が2から3になることはない。

 とはいえ《ジンジャーブルート》で殴り、速度3。

 

 第3ターンの戦闘前に《ショック》を撃てば最高速度4に達し、ハゾレト神は攻撃できるようになる。

 つまり、ぶん回ればハゾレト神を出した次のターンから殴れるわけだ。

 

 ふむ。しかし、さらに上手くやる方法があるんじゃないか?

 

 今回のケースで注目するべきは《アモンケット・サーキット》の生み出す速度と、ハゾレト神の権限閾値として参照される速度は同じものだと言うことだ。

 速度はカードごとに管理するのでなく、プレイヤーごとに管理される。

 そしてハゾレト神には速攻があるため、召喚酔いに影響されない。

 

 他のカードで「エンジン始動!」を行い、速度を4まで上げて置けばハゾレト神は出したターンから攻撃に参加できる!

 

今回のまとめ

  1. プレイヤーの初期速度は0である。
  2. 「エンジン始動!」を持つパーマネントが初めて戦場に出た時、速度1になる。
  3. 速度が1になった後は「エンジン始動!」しても速度は上がらない。
  4. 速度が1になったターンにもダメージにより速度は2になる。
  5. 速度はカードごとでなくプレイヤーごとに管理される。

 

新メカニズム「エンジン始動!」について分かってもらえただろうか?

それではプレリリースを迎え、君の機体が走り出すまで、きみのマジックへの情熱がガス欠にならないことを祈っているよ!

 

 

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【#MTG】なぜ今、バニラのサイクルを印刷するのか? #MTGAetherdrift

マジック:ザ・ギャザリングの新セット『霊気走破』について公式から情報が出始めたね。

なかでも注目度が高いのがマローの愛称で知られる主席デザイナー Mark Rosewaterによる『霊気走破』についてのヒントだ。

 

このヒントの中で私の興味を惹いたのは、この部分だ。

 

・Cycle of vanilla legendary creatures

(伝説のバニラ・クリーチャーサイクル)

 

バニラは古いプレイヤーにはよく知られた俗語だけど新しいマジック・プレイヤーには馴染みがないかもしれない。

 

特殊な能力を一切もたず、飛行や速攻のようなキーワード能力すら持たないカードのことを、アイスクリームの最も基本的でシンプルな味からとってバニラと呼ぶ。

 

昔は文章欄をフレーバー・テキストに回せるバニラ・クリーチャーはリミテッドのバランスを取りつつ世界観の説明を出来ることから頻繁に収録されていた。

 

しかし近年はバニラ・クリーチャーの登場する頻度は大きく減っている。

これについては公式記事『こぼれ話2024』の中でプレイヤーから寄せられた質問にマローが答えている。

 

『ストリクスヘイヴン:魔法学院』以降、『機械兵団の進軍』の〈ヤーグルとムルタニ〉を除いてバニラ・クリーチャーの姿を見ていません。

デザイン・チームはバニラ・クリーチャーを作らなくなったのでしょうか?

もしそうなら、それにより失ったことがあると感じていますか?

 

 最近は収録カードの枠争いが激しくなっている。

 その中でバニラ・クリーチャーを推すのは基本的に難しい。バニラ・クリーチャーにはバランス調整をできる部分が多くないため、より機能的なカードに枠を譲ることになりやすいのである。

 加えて、バニラ・クリーチャーのデザイン領域の多くはトークンに吸収されており、機能面の必要性が減っている。

 もうバニラ・クリーチャーは作らないとは言わないが、その必要性は大きく減っており、本流のセットで姿を見る機会は少なくなると予想される。

引用:こぼれ話2024 その2|マジック 日本公式ウェブサイト

 

2024年のしめくくりで「見る機会は少なくなる」と書いていたバニラ・クリーチャーだが、2025年の最初のセットではサイクルとして複数枚が登場するという。

 

バニラは収録カードの枠争いが激しくなり消えていくのではなかったのか?

 

この謎を解くカギは新セット『霊気走破』の設定に理由を求めることができる。

 

『霊気走破』ではギラプール・グランプリという次元を渡るレース・イベントが物語の焦点になる。

グランプリではアヴィシュカー(旧カラデシュ)とアモンケット、そしてムラガンダの3つの次元を領界路を通り駆け抜けることになる。

 

この3つ目の次元、ムラガンダこそがキーとなる。

 

ここでは現在のムラガンダの世界設定については紙面を割かない。

現在のムラガンダの様相について知りたい人は以下の公式記事を読んで欲しい。

mtg-jp.com

 

ムラガンダの名前がマジックに初めて登場した時、この次元は「先史文明の次元」として生まれた。

すなわち、原始人や恐竜が暮らす自然豊かな世界だ。

 

デザインが「バニラであることがむしろ有利になる」というテキストを生み出し、クリエイティブ・チームがそこに「発達してない先史文明の次元」というフレーバーで設定をつけたのだ。

 

こうして生み出されたのが《ムラガンダの印刻》である。

 

 

長い間、このムラガンダという次元が本流のセットでは取り扱われなかった。

しかしいくつもの次元を巻き込んだ新ファイレクシアによる侵攻によってムラガンダにも危機が訪れると久しぶりにムラガンダはカード化され、

この時は「クリーチャーの能力を失わせる」という形でバニラ要素を扱っていた。

 

このようにムラガンダは古参のプレイヤーにとってバニラ・クリーチャーとは切っても切れない関係性で知られている。

 

いよいよ本流のセットでスタンダードにムラガンダがやってくるのだから、そこにはムラガンダらしいものが必要になるだろう。

そう、バニラ・クリーチャーだ!

 

 

これがバニラ・クリーチャーの収録機会が減ると言った舌の根も乾かぬうちに、伝説のバニラ・クリーチャーがサイクルとして収録されるに至った理由だろう。

 

いかがだったろうか?

経験の浅いプレイヤーにとって新セットの伝説のクリーチャーの枠がテキストのないバニラで埋められることには大きな不満があったかもしれないが、

マジックの歴史に郷愁を起こさせるうえで、必要な措置だったと分かってもらえたかな?

 

それではまた次の記事で。

それまであなたがバニラ・クリーチャーのフレイバーテキストから次元の雰囲気を味わえますように…!

 

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【#MTG】LO探偵ミルの事件簿~1216事変~

 

私はミル。

世界中で大人気のカードゲーム、マジック:ザ・ギャザリングのプレイヤー。

使うデッキはLO(山札破壊)系と決めているの。

2024年12月15日の今日もカードショップのデュエルスペースで対戦相手を募集中。

 

「やあ、ミルちゃん。今日もレガシーの対戦相手を待っているのかい?」

 

店長さんがひとりで座っている私に声をかけてくれる。

 

「はい! 今日も対戦募集中です」

 

「ちょうどいい、彼がレガシーの対戦をしたいそうだから相手をしてもらうといい」

 

店長さんの紹介でひとりの男性がミルの対面に座る。

 

「対戦よろしくお願いします」

 

「こちらこそ、よろしくお願いします」

 

ダイスを振って先手後手を決めたら手札を確認。よし、先手だし良い手札だ。

 

「キープします」

 

「同じくキープで」

 

「では、私のターン。アンシーから1マナで《遺跡ガニ》を」

 

(075)《遺跡ガニ/Ruin Crab》[ZNR] 青U

 

「なるほど、ライブラリアウト。どうやらボクとキミは本当に相性がいいらしい」

 

「……?」

 

「こちらのターン。フェッチランドを置いて、ゴー」

 

「では、ターンをもらいます。アンタップ、アップキープ、ドロー。1マナで《面晶体のカニ》を出してフェッチランドをセット」

 

 

「それぞれのカニの上陸が誘発して、そちらの山札を合計で6枚 墓地に置きます。そのままフェッチランドを起動して島を持って来てさらに6枚」

 

「ペタル、囲い、タッサオラクル、ウィル、デイズ、アトラクサ、カサド=ドゥーム、大烏、考慮、納墓、思案、プッシュ」

 

(……この落ち方、このデッキは!)

 

「青黒リアニメイト、ですか」

 

青黒リアニメイト

手札を捨てる能力や、デッキから直接墓地にカードを送る効果で大型クリーチャーを墓地へ送り、《動く死体》などのリアニメイト・カードで墓地のクリーチャーを蘇生し、圧倒的な速さでライフを詰めるコンボ系ビートダウンデッキ。

 

「そちらのエンドにフェッチを起動して《地底街の下水道》を持って来て諜報1。上に置いてターンをもらいます」

(270)《地底街の下水道/Undercity Sewers》[MKM] 土地R

 

「アンタップ、アップキープ、ドロー。土地を置いてメインに、落としてもらったアトラクサを《動く死体》でリアニメイト。ETBで手札を補充」

 

 

「こちらのターン、島を置いて6枚切削し、《罠の橋》をキャスト。アトラクサの攻撃を封じます」

 

 

(……《罠の橋》はアーティファクト、黒の除去呪文ではアーティファクトに触れることができない。これでしばらくは耐えられるはず)

 

(……いや、何か見落としている気がする。1ターン前の上陸で墓地に落ちたカードの中に見えたカードに青黒リアニメイトには普通 入らないカードがあった。《タッサの神託者》)

 

(《タッサの神託者》なら戦闘を介さずにゲームを決められる。でもそのためには能動的にデッキ枚数を一気に減らす手段が必要なはず。レガシーのデッキで青黒リアニメイトに偽装できる信託者デッキと言えば……!)

 

「そのデッキ! 青黒リアニメイトでなくワールド「気づくのが遅かったようだね。《納墓》により《世界喰らいのドラゴン》を墓地に送り《Dance of the Dead》で吊り上げさせてもらうよ!」

 

ワールドゴージャー

《世界喰らいのドラゴン》とリアニメイト・オーラによる無限コンボデッキ。

《世界喰らいのドラゴン》の「場に出た時、自身以外のすべての戦場のカードを追放する(自身が場を離れると場に戻す)」誘発型能力で、リアニメイト・オーラを追放し、リアニメイト・オーラの「場を離れた時、蘇生したクリーチャーを生贄に捧げるデメリット」を誘発させる。

結果として「ドラゴンが場を離れたのでリアニメイト・オーラが帰還し、オーラの効果で生贄に捧げられた墓地のドラゴンを蘇生、ドラゴンの場に出た時の誘発でリアニメイト・オーラが再び追放され、ドラゴンが生贄に捧げられる。ドラゴンが場を離れたので最初に戻り……」と無限に自分のカードが場と追放領域を移動しつづける。

 

「これで《地底街の下水道》が無限に場と追放領域を移動するので、《地底街の下水道》が場に出た時の諜報でデッキをすべて墓地に送り、ループの最後に蘇生対象をドラゴンから《タッサの神託者》に変更することで特殊勝利。投了するかい?」

 

「いえ、投了はしません。優先権を手放しますので山札をすべて墓地へ送ってかまいません」

 

 

「それじゃあ、山札を墓地へ送るね。1枚目、2枚目……」

 

「最後に《タッサの神託者》を蘇生して特殊勝利。何か妨害はある?」

 

「ありません。次のゲームに行きましょう」

 

 

【サイドボーディング】

 

(墓地に落としたカードから相手のデッキを推理する、そんなLO使いとしての基本を今の私では実践できていませんでした)

 

(《世界喰らいのドラゴン》を予想していれば《罠の橋》でなくカウンター呪文を構えることができていた。私の練度が足りていなかったゆえの敗北です。)

 

(それにしても、最後の無限ループで墓地に落ちたカードからデッキの全貌を見ることができたのは幸運です。LO探偵らしくサイドボーディングを推理させていただきましょう)

 

(基本的には【青黒リアニメイト】と【ワールドゴージャー】のハイブリッドですが、気になるカードがありましたね。《遺跡ガニ》による切削で墓地に落ちた《考慮》。あのカードは普通、リアニメイトとゴージャーどちらのデッキタイプでも優先してメインに採るほどのカードではないはず。ここに何か仕掛けがありそうですね。レガシー環境で《考慮》を入れるデッキと言えば……)

 

 

【2ゲーム目】

 

「先手をもらいます。マリガンチェック、マリガンします」

 

「こちらもマリガンで」

 

「ダブルマリガンします」

 

「こちらはキープで」

 

「お待たせしました。キープします。それでは先攻をもらってアンシーを置いてエンドです」

 

「ターンをもらってアンタップ、アップキープ、ドロー。まずは0マナの《ライオンの瞳のダイアモンド》を置いて、アンシーから《暗黒の儀式》を唱えて3マナ。《最後の審判》を唱えます」

 

「ライフを半分にして、山札を自分の選んだ5枚のみで構成し、残りのカードを追放します!」

 

「やはり、そのデッキはアグレッシブサイドボーディングで【Doomsday Combo】に変形するワールドゴージャー!」

 

Doomsday Combo

最後の審判》によってデッキをコンボパーツのみにする事実上の「1枚コンボ」デッキ。

コンボパーツ5枚の積み方を「パイル」と呼び、勝利のために何種類ものパイルが研究されてきた。

現在は《タッサの神託者》で特殊勝利を行う型が主流。

 

「メインボードの切札でもある《タッサの神託者》を残したまま、サイドボードから新たに《最後の審判》を加えることでキルターンを大幅に縮める算段、私には推理出来ていました。メインから積まれた《考慮》は《タッサの神託者》の勝利条件である山札が2枚以下という条件を成立させるために5枚のパイルを2枚減らすキーカードというわけです」

 

「へえ、このアグレッシブサイドボーディングを初見で見抜かれたことは今まで一度もなかったよ。それで探偵さん、見抜いているならどうする?」

 

「こうします。あなたがライブラリーから5枚のカードを”探して”パイルを構成したことで罠の発動条件を満たしました。0マナで《書庫の罠》をトラップキャスト!」

 

 

「それに対応して手札のブレストを追放し、《意志の力》でカウンターさせてもらおう」

 

 

「場の沼をコストに《秋の際》をサイクリングしてドローをスタックに積み、その上から《ライオンの瞳のダイアモンド》を起動。手札をすべて捨てて青3マナをマナ・プールに加える。《秋の際》のサイクリングを解決し、パイルから1枚ドロー」

 

「ここです! パイルからのドローにスタックして《外科的摘出》、墓地の《ライオンの瞳のダイアモンド》を追放します!」

 

「今さら墓地対策カードを使ってあがいても手遅れだよ。パイルからキーカードの《考慮》を引いて青1マナで山札を減らしつつ《タッサの神託者》をドローし、残りの青2マナで神託者を出して僕の勝ちだ!」

 

「そう都合よく山札が配列されていれば、ですね」

 

「《最後の審判》で僕の山札は完全に配列されたパイルになっている! 運任せじゃない!」

 

「《外科的摘出》は墓地から追放したカードの同名カードを手札と山札からも追放しつくすインスタント。あなたのパイルから《ライオンの瞳のダイアモンド》を探させてもらいます」

 

「……! 僕のパイルの中に《ライオンの瞳のダイアモンド》はないよ」

 

「残念ですが、あなたには非公開領域である山札に《ライオンの瞳のダイアモンド》が残っていないことを証明できません」

 

「パイルから”探さ”せてもらいます。 ……はい、どうやら本当に山札にダイアモンドは残っていないようですね。疑ってすみませんでした。それでは山札を”シャッフルして”お返しします」

 

「……完全に配列した僕のパイルが、切り直された」

 

「さあ、どうぞ引いてください。運が良ければまた同じ順番の山札になっていますよ」

 

「ドロー、《タッサの神託者》か。残りの山札は4枚。神託者を出しても特殊勝利はできない。これで投了だ」

 

「グッドゲーム! それでは最終戦にいきましょう」

 

「ああ、でもその前にサイドボーディングの時間をもらっていいかな?」

 

「ええ、構いませんよ」

 

【サイドボーディング】

 

(さて、マッチ最終戦。次で勝負がつくわけですが……対戦相手には「ワールドゴージャーに戻す」か「Doomsday Comboのままにするか」の選択肢がありますね)

 

(どちらを相手にする場合でも、初手に《外科的摘出》は握っておきたいですね。同じ役割の《根絶》をサイドから増やしましょう)

 

【3ゲーム目】

 

「ではマリガンチェック、キープ」

 

「マリガンチェック。マリガン……マリガン1回でキープです」

 

「ではターンをもらいます。フェッチ置いてエンド」

 

「アンシー置いて《思案》を唱えます。切り直してエンドです」

 

 

「エンドにフェッチ切って《地底街の下水道》を持ってきて諜報。ブレストを墓地へ送ってターンもらいます。アンタップ、アップキープ、ドロー」

 

「島を置いて、2マナで《超能力蛙》を召喚してエンドです」

 

 

《超能力蛙》

『モダンホライゾン3』で登場した共鳴者クリーチャー。

一般的な共鳴者が「手札を捨てることで、ターン終了時まで+1/+1」という能力を持つのに対して、このカードは+1/+1の修整をカウンターの形で得るため、ターンをまたいで効果が持続する。

ダメージを与えるたびに1ドローするサボタージュ能力を兼ね備えているため、不利なブロックかハンドアドバンテージかの選択を対戦相手に強いることができる。

【ディミーアマークタイド】などで高速で墓地や追放領域を肥やすために採用される。

【青黒リアニメイト】では手札に引いてしまい処理に困る釣り先を墓地に送る潤滑油として使われる。

 

「私のターン。アンタップ、アップキープ、ドロー」

 

「《面晶体のカニ》を出して、土地を置いて上陸。3枚デッキを削ります」

 

「思案、動く死体、思考囲いが落ちます」

 

「ターンエンドです」

 

「アンタップ、アップキープ、ドロー。そのまま戦闘まで。カエルでアタック」

 

(カエルのパワーは1。本来ならタフネス2のカニでキャッチできますが……共鳴者能力で手札を捨てられると、一方的に戦闘破壊されてしまうのでブロックできませんね)

 

「ノーブロックで」

 

「では手札から《世界喰らいのドラゴン》と《渦まく知識》を捨ててカウンターを2つ乗せます。戦闘ダメージ3点。カエルのサボタージュ能力で1枚引きます」

 

(サイドチェンジで【ワールドゴージャー】に戻してきましたか。次のターン以降は打消しか、墓地追放は構えないといけませんね)

 

「2マナで2体目のカエルを出して、エンドします」

 

「ターンをもらって、土地を置いてカニの上陸が誘発。3枚切削します」

 

「Will、Push、Danceが落ちます」

 

「これでエンドです」

 

「ではターンをもらって、カエル2体で戦闘」

 

「スルーで」

 

「小さい方のカエルの共鳴者能力を2回起動して手札を2枚捨てます。6点ダメージが通って、それぞれのサボタージュが誘発。2枚ドロー」

 

「墓地のインスタントとソーサリーを合計5枚、探査コストとして支払い、《濁浪の執政》を出したいです」

 

(052)《濁浪の執政/Murktide Regent》[MH2] 青R

 

「カウンターが5つ乗って8/8です」

 

「マークタイド!? これまで一度も見えていなかったのに……!」

 

「サイドボードから入れてデッキを変形させたんです」

 

「……二段階のアグレッシブ・サイドボーディング!?」

 

「環境がよく分かってないので変に対策カードをサイドに積むよりは対戦相手の意表を突いた方がいいだろう、という素人の策ですよ」

 

(私の手札の打消し《湖での水難》は相手の墓地の枚数が増えるほど打消し範囲が広がる。でも、マークタイドは探査コストで墓地のカードを追放しながら出てくるから打ち消せない……!)

 

「アンタップ、アップキープ、ドロー。駄目ですね。次のターン、2体のカエルが墓地を追放して飛行しながらの総攻撃で私の負けです。対戦ありがとうございました」

 

「ありがとうございました! また遊びましょう」

 

(絶対に推理させない、パターンの異なる3種のデッキタイプに変形するデッキ。レガシーにはあんな無理が通る構築もアリなんですね。それを可能にするあのデッキの功労者は《超能力蛙》……。またひとつレガシーの知見が増えました

 

【翌週】

 

「こんばんわ、お疲れ様です」

 

「ああ、この前のライブラリーアウトの。お疲れ様です」

 

「あの……ご愁傷様でした」

 

「はは、まあ何か別の構築を試してみますよ」

 

2024年12月16日。

《超能力蛙》はレガシーで禁止され、彼の三段変形デッキは瓦解した。

 

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超次元MTG対戦 TYPE/Zeroいんべいだー 第2話「計略を高らかに読み上げよ!」

前回

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「それじゃあ、侵略次元側からゲームを始めるよ。私は土地をタップインしてエンド」

 

「わたくしは沼を置いてターン終了ですわ」

 

「アタシは森を置いて《ぎらつかせのエルフ》を召喚するぜ」

 

ぎらつかせのエルフ

 

「感染クリーチャー、やっぱり侵略陣営は毒カウンターデッキで揃えてきたみたいだね。でもホームプレーン《ケッシグ》の常在型能力で狼男でないクリーチャーは戦闘ダメージを与えることができないよ!」

 

「感染能力は与える戦闘ダメージを置換する能力だから、仮にアタックが通ってもプレイヤーに毒カウンターを乗せることはできないアル!」

 

「ようし、それじゃあターンをもらうぜ。と言っても俺は土地をタップインしてエンドだな」

 

「ワタシも同じく土地をタップインしてエンド ネ」

 

「私は島を置いて1マナで《太陽の指輪》、《太陽の指輪》をひねって即座に2マナ出して《精神石》を設置、これでターンエンド」

 

「その終了ステップに動きます。インスタント呪文《吸血の教示者》!」

 

 

「ライブラリーからカードを探し、デッキトップへ。侵略陣営の共有ライフから2点失いますわ」

 

「対応なし」

 

「それじゃあ、侵略陣営のターンをもらうよ。と言っても4色デッキは色拘束が厳しくてね。私はこのターンもタップイン土地を置いて終了」

 

「私は土地を置いて《悪魔の教示者》を唱えます。再びデッキからカードをサーチ……」

 

(2枚目のサーチカード、間違いなくクロミちゃんの手札には何らかのコンボが揃ってると見た方がいいね)

 

「アタシは森を置いて《荒廃のマンバ》を召喚。感染は機能しないが毎ターン、再生するブロッカーとしては使えるぜ」

 

荒廃のマンバ (Blight Mamba)

 

「防衛陣営のターン! 私は沼を置いて統率者《流城のルノ》を召喚!」

 

流城のルノ

 

「俺は《ケッシグの自然主義者》を召喚。戦場は昼になり誰も呪文を唱えなかったターンが来れば夜になり、狼男に変身するぜ」

 

ケッシグの自然主義者 (Kessig Naturalist)

 

「ワタシは《ガツタフの羊飼い》を召喚。こちらも誰も呪文を唱えなければ変身する狼男アル」

 

ガツタフの羊飼い (Gatstaf Shepherd)

 

「じゃあ、侵略陣営のターン。私は土地を置いて3マナ構えてエンド」

 

「アタシは《嚢胞抱え》を召喚するぜ」

 

嚢胞抱え (Cystbearer)

 

「わたくしは《亭主の才能》を唱え、残りの1マナで《亭主の才能》をレベルアップしますわ」

 

 

「《亭主の才能》……! レベル3になれば毒カウンターを与える個数が2倍になるクラス・エンチャント!」

 

「そして、厄介なのはクロミちゃんは2度のサーチで間違いなくヴラスカを手札に加えている……あと2ターンで決着をつけないとヴラスカとのコンボで誰かが毒殺される!」

 

「防衛陣営のターン、いくよ! まずはアップキープに《流城のルノ》の誘発型能力でデッキトップをチェック。8マナのクラーケン・クリーチャー、《船砕きの怪物》を公開してルノを《深淵の王、クロサス》に変身!」

 

深遠の王、クロサス

 

(今、変身条件を満たすために公開した《船砕きの怪物》は高い妨害能力を誇るクラーケン。おそらくアオイちゃんのデッキは《深淵の王、クロサス》によって妨害効果を持つクラーケンやリバイアサンを増やし、残り2人の狼男ビートを支援するコントロール・デッキ、ということかな……)

 

「ワタシは統率者《不吉な首領、トヴォラー》を召喚アル!」

 

 

「戦闘フェイズに入るぜ、防衛陣営は狼男2体でアタックだ」

 

嚢胞抱え》で、ミンメイの狼男をブロック。通常なら一方的に倒せるが、《ケッシグ》により《嚢胞抱え》は戦闘ダメージを与えないので狼男は生存」

 

「第2メインフェイズ、《恐れる村人》を召喚」

 

恐れる村人 (Fearful Villager)

 

「勝負を急いでいるようだね、でもこの第4ターンからがプレナー・インヴェイダーの真骨頂だよ!」

 

「アタシは4マナを支払い、計略カードを実行!」

 

 

「計略カードを使うときは高らかにカード名を読み上げるんだよ!」

 

「いつになったら貴様は学ぶのだ?」

 

「デッキトップをチェックし、アオイは島か。ハズレだな。残り二人は狼男か。《灰毛ののけ者》と《ガツタフの放火魔》を踏み倒させてもらうぜ!」

 

「これで、狼男をこちらも使えるようになったね。戦闘ダメージをちゃんと与えられる機会が得られたってわけ。それじゃあ、私は統率者《法務官の声、アトラクサ》を召喚」

 

 

 

法務官の声、アトラクサ

 

「わたくしは《亭主の才能》をレベル3に。これでチェックメイトですわ」

 

「こちらのターン、私は土地を置いて構えるよ」

 

「ミドリに奪われた狼男の方が俺らの狼男よりもパワータフネスが高い。攻撃の手をゆるめて今は横に伸ばすしかない。《牙刃の盗賊》を召喚してエンドだ」

 

牙刃の盗賊 (Fangblade Brigand)

 

「ワタシは《高原の狩りの達人》を召喚、2点回復して2/2の狼トークンを生成するネ」

 

高原の狩りの達人 (Huntmaster of the Fells)

 

「それじゃあ侵略陣営のターンをもらうよ! 私は4マナで計略を実行!」

 

 

「我は一人にあらず」

 

「これで私の場にはアトラクサが2枚。毒カウンターの増加速度が2倍になる」

 

「アタシも続くぜ、4マナで計略を実行!」

 

 

「我が痛烈なる奥義」

 

「このターンの間、《深淵の王、クロサス》とすべての狼男のコントロールを渡してもらおうか」

 

狼男しか戦闘ダメージを与えられないケッシグの前に為すすべなくやられるかと思われた感染デッキ。しかし計略カードの圧倒的な力はそんなハンデをやすやすと乗り越える。

 

次回、超次元MTG対戦 TYPE/Zeroいんべいだー 第3話「完成化の犠牲」に続く……

 

Coming Soon……

超次元MTG対戦 TYPE/Zeroいんべいだー 第1話「イニストラードって凄い、本当に凄いんだ」

MTGには数々のフォーマット(遊び方)が存在する。

新しいカードで常に新鮮なゲームを楽しめるスタンダード

比較的最近のカードのみを扱うイオニア

古いカードから最新の特殊セットのカードまで、幅広く使えるレガシー。

極一部のカードを除いて「一切の禁止カードがない」ヴィンテージ

 

だがMTGの構築フォーマットは奥が深く、他にもいろいろな構築制限がある。

レアリティの低いカードだけが使用可能なパウパー

約1円以下のカードだけしか使えないペニードレッドフル

味のある絵柄のカードが主役の旧枠モダン

電子ゲームに戦場を移したアルケミー

 

そして、ここに未開拓のフォーマットを楽しもうとする1人の少女がいた。

 

 

 

「いやあ、『ダスクモーン:戦慄の館』がいよいよ発売だね!」

 

「そうだね。レイちゃんは注目しているカードなにかある?」

 

「よくぞ聞いてくれました、アオイちゃん。ずばり《我は一人にあらず》だね」

 

「そんな名前のカードあったっけ? ちょっとプレビューで見た覚えがないな」

 

「たぶん、アオイちゃんは見てないんじゃないかな。これは統率者セット『積みあがる死者の山』に収録される計略カードだからね」

 

 

「計略カード?」

 

「計略カードはアーチエネミー、いわゆる魔王戦で使う特殊な大判カードだよ」

 

 

「特徴的なのは従来の魔王戦用の計略と違って統率者戦形式の魔王戦に対応したテキストで刷られてることがあげられるね」

 

「へえ、このカードはタイプ0でも使えるの?」

 

「残念だけど定型のマジックのカードではないから、タイプ0では使えないね」

 

「タイプ0でも使えないカード、かあ……」

 

「そして今回、マジック史上初めて計略カードの日本語版が刷られたことで遊びやすくなったフォーマットがあるんだよ!」

 

「それが、魔王戦?」

 

「ううん。魔王戦も確かに遊びやすくなったけど私が思い描いてるのは別のフォーマット。その名も『プレナー・インヴェイダー』。3対3のチーム戦フォーマットだよ」

 

「3対3の6人ゲームって言うのは今まで遊んだことないな」

 

「でしょでしょ! まだまだ開拓しがいのあるフォーマットだと思うんだよねえ」

 

「6人って言うと……私とレイちゃん、ミドリちゃん、クロミちゃん、ミンメイ、斜九寺(なめくじ)くんで丁度6人だね」

 

「他の皆も誘って今度の週末は『プレナー・インヴェイダー』を楽しもう!」

 

~~~

 

「と言うわけで皆に『プレナー・インヴェイダー』について説明するね」

 

「『プレナー・インヴェイダー』は侵略陣営3人と防衛陣営3人、2つのチームに分かれて遊ぶフォーマットなの。カジュアル・ルールだからプレイグループごとに細かいルールが違うから今日はそれの確認ね」

 

「まず、6人は統率者戦用のデッキを構築して持ち寄ります。それに加えて侵略陣営は3人で10枚の計略デッキを構築、この『計略デッキ』がダスクモーン統率者戦デッキに収録されたことで集めやすくなってるの」

 

「防衛陣営側は計略デッキを使わないのか?」

 

「いい質問だね、ミドリちゃん。防衛陣営には計略デッキの代わりにホームプレインと呼ばれる次元カードを1枚使う権利が与えられます」

 

「次元カード、プレインチェイス戦で使う大判カード アルね」

 

「知っているのか、ミンメイ!」

 

竹沼

 

「プレインチェイス戦も魔王戦と同じく大判カードを扱う変種ルール ネ。通常のプレインチェイスでは複数の次元カードを渡り歩く戦いを楽しむために複数の次元カードを集めた次元デッキを使うアル」

 

「その通り! でも、プレナー・インヴェイダーは侵略者であるファイレクシアから故郷の次元を守るための戦いを遊ぶから、次元デッキのカードは1枚のみを使い、そこからプレインズウォークすることはないの」

 

「各陣営はソーサリー・タイミングで4マナ支払うことで、それぞれの大判カードを使用することができるの。具体的には侵略陣営は4マナ支払うと計略カードを1枚実行することができ、防衛陣営は次元の下段に書かれたカオス能力を誘発させることができる」

 

「ライフの扱いはどうなる? 統率者ってことは各プレイヤーが40点ずつか?」

 

「斜九寺くん、良いところを付いてくれました! ライフはチームで共有。各チームが60点のライフを持っていて、戦闘では味方プレイヤーへの攻撃もブロックすることができるよ」

 

「なるほど。分かりました。他に特筆すべきルールはありまして?」

 

「よく聞いてくれたね、クロミさん。重要なところでは3点。まず、ゲームは必ず侵略陣営のターンから始まる。それと防衛陣営のプレイヤーが毒カウンターを10個得て敗北する場合、ファイレクシアの油によって転生し、即座に毒カウンターをすべて取り除き、侵略陣営にチームが切り替わるの」

 

「3つ目、これは完全な私のわがままでつけるオプション・ルールだけど、統率者は侵略陣営はファイレクシアンを、防衛陣営はホームプレーンの次元に存在するクリーチャーを指定しないといけないことにします。雰囲気作りだね」

 

「そういう訳で、各チーム、統率者デッキや次元カード、計略デッキの準備が必要だと思うから今日はチーム分けだけして実際にプレイするのは週末ってことで。それじゃあチーム分けのくじ引きね」

 

~~~

 

侵略陣営

レイ

ミドリ

クロミ

 

「わたくし達がファイレクシアですのね」

 

「ファイレクシアならやっぱりアタシはヴォリンクレックスを使いてえな。対戦相手に乗せるカウンターを倍増させる効果は毒カウンターの条件を満たすのに有用な気がするぜ」

 

 

 

「いいね、そうしたら私は増殖で毎ターン終了時に毒カウンターを増やせるアトラクサかな」

 

法務官の声、アトラクサ

 

「毒カウンターに注目するなら堕落能力を持つイクセルを私は選びますわ」

 

アトラクサの後継、イクセル

 

「計略カードは適当にダスクモーン統率者デッキの奴から選んでおくね」

 

~~~

防衛陣営

アオイ

ミンメイ

斜九寺

 

「さて、レイちゃんたちはまず間違いなく感染能力での毒殺を狙ってくるよね」

 

「ああ、容易に想像できるな」

 

「それなら良い次元カードがイニストラードにあるアルよ。スマホで検索するからちょいと待つアル」

 

「こ、これは……!?」

 

「こんなカードが許されていいのか!?」

 

「禁止カードとしていくつかの次元が使えないけれど、このカードは規制されてないアル」

 

「それじゃあ、この次元カードに合わせてイニストラードから統率者を決めようか」

 

「俺はウルリッチと『イニストラード:真夜中の狩り』の狼男を合わせたデッキにするぜ」

 

爪の群れのウルリッチ

 

「それなら自分はトヴォラーと昔の狼男を合わせたデッキにするネ」

 

不吉な首領、トヴォラー

 

「私はふたりの狼男デッキをバックアップするために、青黒の……そうだなあ、ルノのデッキにしようかな」

 

流城のルノ

 

「それじゃあ、頑張ってイニストラードからファイレクシアを追い出そう!」

 

~~~

 

週末

 

「それじゃあ、いよいよプレナー・インヴェイダーを遊んでいこう! よろしくお願いします!」

 

「「「「「よろしくお願いします!」」」」」

 

「まずは防衛陣営のホームプレーンの公開から!」

 

「私たちが守る場所はイニストラードのケッシグ!」

 

ケッシグ

 

「ケッシグかあ、厄介な次元カードだね」

 

「狼男以外のあらゆるクリーチャーが戦闘ダメージを与えられなくなるから、私たちのチームの攻撃だけが一方的に届くようになるよ」

 

「そんな横暴が許されていいのか!?」

 

 

いよいよ火ぶたを切ったプレナー・インヴェイダー。

侵略陣営のファイレクシアは感染を封じられ、通常の戦闘ダメージによる勝利も封じられた中で果たしてまともな勝負をできるのか!?

 

次回、超次元MTG対戦 TYPE/Zeroいんべいだー 第2話「計略を高らかに読み上げよ!」

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『ダスクモーン:戦慄の館』統率者デッキ発売に伴う魔王戦のルール改定について

 今回の記事ではMTGの変種ルールである魔王戦に関するルール変更について取り上げる。

 

 

『ダスクモーン:戦慄の館』の統率者戦用構築済みデッキには魔王戦で魔王となるプレイヤーが使用するための10枚の計略カードが含まれている。

 これまでの魔王戦は『アーチエネミー』と呼ばれる専用のセットを買わなければ計略カードは入手できず、『アーチエネミー』製品は英語だけで販売されてきたため、計略カードは日本語版のカードがなく日本人には縁遠いものであった。

 

 今回、日本語版の統率者戦構築済みデッキの付録として魔王戦のための計略カードが封入されるため、日本人でも気軽に魔王戦が楽しめるようになる!

 

魔王となるプレイヤーは10枚(あるいは望むならそれ以上の枚数の……!)計略カードという大判のチート性能のカードを計略デッキとしてゲームに持ち込み、

魔王の戦闘前メインフェイズの開始時に計略デッキの一番上のカードを公開し、その計略を実行することができる。

 

 

英雄プレイヤーは魔王に立ち向かうため3人がかりで1人の魔王と戦い、これを倒すことを目標とするんだ。

 

 

そして、『ダスクモーン:戦慄の館』発売に伴い統率者魔王戦におけるライフのルールが変わることが発表された。

 

これまでは魔王が40点のライフを、挑戦する英雄プレイヤーは各自20点のライフを持ってゲームを行ってきた。

 

新しい統率者アーチエネミーのルールでは魔王と英雄が共に60点のライフを持ち、

英雄は60点のライフを共有する。

 

例えば、これまでの魔王戦では3人の英雄のうち一人を魔王が狙い続けることで、3対1のゲームを2対1のゲームにすることができたし、それが定石だった。

 

しかし、このゲームデザインには大きな誤りがあった。

脱落させられたプレイヤーは決着がつくまでずっと見ていないといけない。

これは非常につまらないプレイ体験を生む。

 

新ルールでは3人の英雄が60点の共有ライフを持つため、誰か一人がライフ0で脱落することはない。20点のダメージを受けても英雄は全員がプレイを続けられる。

 

これはとても良い変更だと思う。

自分は魔王戦を遊んだことがあるけれど、独りで脱落した時はスマホを出してソシャゲの周回をしながら眺めていた。

せっかくマジックを遊ぶために集まっているのにこれではもったいない。

アーチエネミーのルール改定を私は強く支持するよ!

 

そうそう、公式では黒赤の統率者デッキ『終わりなき懲罰』を魔王にすることを推奨している。

もし魔王戦に興味があるなら黒赤のデッキを買うといいんじゃないかな。

 

今回のデッキはどれも魔王側ができるように構築されている。
各デッキに計略カード10枚が同梱されているから、どのデッキが悪役になってもゲームが成り立つんだ。
とはいえ特に黒赤のデッキが館の怖さや不気味さ、そして凶悪さを体験できるから、最高難度を味わいたいならこのデッキを魔王側にして、館を攻略できるか試してみてくれ! 

引用:進化するアーチエネミー|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

 

それじゃあ、貴方が魔王として計略を実行する日まで!

貴方の邪悪な企みが成就しますように!

 

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【#MTG】黒がエンチャントに触れることをカラー・パイ違反だという人たちへ

目次

 

黒でエンチャントを除去できるのはカラー・パイの破壊だ!

 Twitterでダスクモーンのプレビューについて検索していて、未だに黒がエンチャントを除去できることについて「カラーパイを破壊している!」と騒ぐ人たちが見受けられた。

 

 

 カラーパイに関する公式の記事を読むことなく「カラー・パイ違反」「カラー・パイの破壊」などの言葉だけを鳥のようにさえずる人たちのなんと多いことか。

 

カラーパイは不変ではない。

カラーパイに関してよくある勘違いのひとつが、カラー・パイは不変であり、古いカードと現在のカードが同じカラーパイ設定の下にデザインされているということだ。

 

実際にはカラーパイは変化していく。

色ごとに可能な役割を変化させバランスを取ろうという開発努力がされている。

現在のカラーパイにおいて黒はエンチャント破壊の2種色に指定されている。

文章、状態変更:エンチャント破壊

旧:

  • 1種色:白、緑

白や緑は、コモンにエンチャント破壊カードが1枚あるのが通例である。しかし緑はアーティファクトでもエンチャントでも破壊できる呪文であることが通例である。

新:

  • 1種色:白、緑
  • 2種色:黒

白や緑は、コモンにエンチャント破壊カードが1枚あるのが通例である。緑のものはアーティファクトも破壊できるのが通例であり、白もできることがある。(アーティファクト破壊 参照)黒にもエンチャント除去ができるようにし始めた。パワー・レベル的には白や緑より明らかに低く、対戦相手にエンチャントを生け贄に捧げさせたり、追加のコストを支払う必要があったりする。

メカニズム的カラー・パイ 2021年版変更点|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

 

2種色という用語の意味が分からない人のためにカラー・パイの記事から引用してこよう。

 

2種色 ― ある程度日常的にその能力が存在するが、1種色ほどではなく、1種色ほど低いレアリティに常にあるわけではない色のこと。我々がよく使うような効果であれば、ほとんどのセットで2種色にその能力が存在する。

メカニズム的カラー・パイ 2021年版|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

 

色の評議会の反応

 マジックのカラー・パイを監視し、カラー・パイに違反するカードをデザインしたチームに警鐘を鳴らす、色の評議会という組織がウィザーズには存在する。

 この色の協議会は、現状の色の能力に問題を感じているデザイナーのための組織でもある。

テーロス還魂紀をデザインしたエリック・ラウアーが、主席デザイナーのマローに黒とエンチャント破壊についての相談を持ちかけ、色の評議会の議題にかけられたときに、黒がエンチャントを除去できることは好意的に受け止められた。

 

セット・デザインが黒について、クリーチャー以外のものを除去する制限が多すぎると懸念した際も、同様のことが行われた。黒には、破壊できないカード・タイプが2つあった。アーティファクトとエンチャントである。色の協議会はこの問題について検討し、黒もエンチャント除去は可能であると見出した。そして黒がエンチャント除去の第3位となる道を作っていったのだった。

色の協議会への再訪|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

 

デザインの変化への殴り棒にカラー・パイを使う前に公式記事を読んで欲しい

カニズム的カラー・パイという素晴らしい発明について、古い情報だけが独り歩きして、最新のカラー・パイの変化を受け入れられない人たちのなんと多いことか!

彼らは実際にはカラー・パイの公式記事を読むことすらせず、自信がカラー・パイの守護者であるかのように振舞っている。

カラー・パイという言葉をデザインへの殴り棒に使う前に、まずは公式のカラー・パイへの言及をチェックしてほしいと切に願う。

 

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