今日の日経記事で、東京に続いて北海道でも制定されたそうで、他にもカスハラを防ぐための条例を制定する自治体が増えているそうだ。
カスハラって、大体からして自分よりいろんな意味で「弱そうな」人とか、絶対手荒な反撃が来ないって分かってる人にしかしないから、そもそもが卑劣というか人品卑しいというか、まあハラスメントと言われる行為自体がそういう特徴を持っているのだけれど、情状を酌むに値しない筆頭のような行為だと思っている。
特に役所とか学校とか、これらの方々は絶対に「うるせえこの野郎、オモテえ出やがれ」なんて反応はありえないと安心感満点だから、文句付ける方は言いたい放題言える代表格みたいなもんだろう。
お店に文句言うのだって、対象は大体がレジの店員とかせいぜい雇われ店長とかが相手であって、下手な対応したら首になるかもとか、店の評判を落としたら責任なんて取りようもないという立場の人達だ。
これが、例えば県知事だとか教育委員会のトップだとか会社の社長とかにクレームを入れるような人はカスハラの域は超えて、立派な闘争意識の表れと言って良いのだろうから、どこまでやれるか、まあ気が済むまで頑張ってみれば良い。
さらに相手が解体屋とか土建屋(多くのその業界の方にはごめんなさい)だったりした日には、クレームを入れるにしても相当気を使って、少なくとも喧嘩にならないギリを気にしながらものを言うはずで、さらに異常に高額な料金を請求をする飲食店?に高圧的な態度をとったりするのは、よほどのチャレンジャーである。
だから、カスハラは自分の安全が保障されている所でしか起こらないと考えて良い訳で、最も効果的な対策は、相手に危険を感じさせることなんだろうとは思う。
実際にJRの方から聞いた話だが、駅勤務の時に事故だか何だかで電車が止まってホームが人でごった返している時に、人品卑しからぬ、管理職風の方がつかつかと寄って来てまあ吠えるの何の、自分なんかに言ったって電車が動くはずもないのに烈火のごとく怒りまくられて、周りに人も集まってしまってどうしようもなくなったことがあったそうだ。
ところがその時にいかにも「その筋」風の方が、人だかりの後ろの方から「ごちゃごちゃ抜かしてんじゃねえぞ。駅員に文句言ったってしょうがねえだろう、クソ野郎が!」と一括してくれた途端その場が収まったという。
要は駅員に対しては絶対的な安全を暗黙の了解事項と信じていたのが、思わぬ伏兵の出現で一気に自分の身の安全が不安定になった。その瞬間カスハラは止んだということだ。
そのJRの方が言っていたが、大体何かあって文句付けて来る人はきちんとスーツを着たそれなりの立場にありそうな人なんだそうで、その時もいかにもそれっぽい人が近づいてきたので「あー、来た来た。やだなあ。」と、これから何が起こるか分かっていたそうだ。
これなんか典型的に上下意識が最悪な方向に表れた結果だと思うし、一方で理屈抜きの弱肉強食の世界に生きている人は、身に迫った必要もない時にわざわざ弱い者いじめなんてしないという事なのかなと思う。
役所でもお店でも、言論や腕力で、リミットを外して実際に戦わせたらとても強い人もいるだろうが、先に書いたように自分の判断で対応したら組織に迷惑が掛かったり、雇用が危うくなったり、あるいは警察沙汰になったりするのを恐れるがために不条理にじっと耐えているのだろう。
そんな相手の自縄自縛に付け込んで、相手の人格を否定するようなハラスメント行為を行うのは二重三重に卑劣なのであって、これがもし「頭にきた。決闘だ」と言うようなら、まだしもすがすがしい分だけ許せるのかも知れない。
そんなこんなを思うにつけ、ハラスメントを受けた側が適切に「反撃」できるようにしてあげるのはとても重要だと思う。是非自治体や企業等はその体制や環境整備を進めて、被ハラスメント側を守る対策を進めて欲しいものだと心から思う。