みまもり機能が、登山者の命を繋ぎました
YAMAPの﨑村昂立です。
5月24日から岐阜県の左門岳で遭難をしていたご夫婦が、昨日(5月28日)無事に救助されました。この救助では、YAMAPのみまもり機能がお二人の居場所を特定するのに役立っています。
この記事では、今回の遭難事故の一連の流れと、その裏で起こっていたことを簡単にまとめます。
救助までの時系列整理
24日(日):ご夫婦が岐阜県左門岳へ。下山中に道に迷い遭難。遭難してからYAMAPを立ち上げるも、スマホの電池が切れてしまい沢の近くに留まる。ここからは岩の隙間に身を隠し、沢の水を飲んだり、焚き火をしたりして救助を待ったとのこと。ご夫婦は登山のベテランで、車中泊などもよくしていたため、ご家族は二人が帰宅しないことに特段心配はなかったそう
25日(月):ご夫婦と約束のあった知り合いの方から「電話が通じない」とご家族に連絡。異変を感じ、ご家族から警察に連絡
26日(火)〜27日(水):ご夫婦の車があった登山口付近を捜索をするも見つからず。ご夫婦が忘れないようIDや暗証番号をまとめていたファイルのなかにYAMAPの情報を発見。ご家族からYAMAPに連絡
28日(木):ご家族からいただいたご夫婦の登録情報をもとにYAMAPでリサーチ。最初は該当するユーザーが見つからなかったが、深掘りをしていくとご夫婦と思われるユーザーを発見。該当時間に左門岳の位置情報も残っていたため、YAMAPから警察に位置情報を提供。その後、YAMAPの位置情報をもとに捜索が行われ無事発見
警察とご家族のコメント
今回の件について、警察とご家族にお話を伺いました。
みまもり機能が命を救った初のケース
YAMAPは2019年にみまもり機能を実装し、まったくあたらしい登山の安全網をつくりました。その後、遭難者情報提供フォームを開設。ご家族などから遭難者の情報をいただき、遭難者がYAMAPユーザーだった場合は、みまもり機能の位置情報などを警察に提供する取り組みを無償で行ってきました。
そんな中、今回はみまもり機能の位置情報が遭難者の命を救ったという初めてのケースになります。
YAMAPはツールではなく、山の安全のインフラを目指している
YAMAPは便利な登山ツールではなく、登山者の命に寄り添うインフラサービスになることを目指しています。そのためにも、もっと多くの方にYAMAPを知っていただき、利用していただく必要があります。しかし、YAMAPの認知度はまだ十分とは言えません。
知られなければ、使われない。使われなければ、救うこともできない。
この課題を痛感し、今年から会社としてもPRを強化。「がっちりマンデー」といった全国区の番組にも出演しました。その結果が結びついたかどうか定かではありませんが、ご夫婦がYAMAPを知り、実際に使っていただくことで、命を繋ぐことができました。
YAMAPで救える命があるかもしれない。おこがましい拡大解釈かもしれませんが、本気でそう思い、これからも情報発信を続けていきます。そういう意味でも、今回の遭難救助のケースが、登山者はもちろんのこと、救助に携わる方々へも広く届くことを願っています。
※ 今回の遭難救助の詳細は、後日まとめます。
追記しました(7月14日)