育児先進国フィンランドが少子化で国家存亡の危機に直面
フィンランドの7月の出生数(速報)が44か月連続で前年同月比マイナスとなった。1~7月累計では前年同期比-6.3%で、通年でも2018年を下回ることがほぼ確実である。
2018年の出生数は過去180年間で大飢饉の1868年に次ぐ少なさであった。1/7を占める移民系の母親によるものを除くと1868年を下回っている。
合計出生率(TFR)も過去最低の1.41で日本の1.42を下回った。
2010年代に若い世代の出生率が急落している。
TFRの低下には、閉経するまでに産んだ子供の平均人数(コーホート完結出生数)が前の世代よりも少なくなるquantum効果と、出産年齢を遅らせることによる一時的低下のtempo効果がある。フィンランドでは、19世紀末から20世紀半ばにかけての5→2への低下はquantum効果で、大飢饉の1868年や内戦の翌年の1919年の低下はtempo効果である。
1973年の1.50への低下もtempo効果によるもので、コーホート出生率は約1.9で安定していたが、2010年以降の低下には、若い世代の価値観とライフコースの変化を反映したコーホート出生率の低下も含まれていると専門家は見ている。
これだけ子どもや家族への福祉政策が充実しているにもかかわらず、「子どもがほしくない」という人も増えている。
国営放送局Yleの調査によると、2008年から2018年にかけて「子どもが欲しくない」と答えた人の割合は10倍以上に増えた=図参照。
But now, according to the study, women said that they're not having children because they don't want to lose their freedom. Some of those women said that if they gave birth to a child they'd have to give up travelling, enjoying hobbies and spending time with friends.
先の専門家は、出産時期を逸して結果的に無子になっていまうケースもあると指摘している。性教育の失敗である。
Anna Rotkirch, a researcher at the family federation, says that people can accidentally "sleepwalk into childlessness," in that they simply wait too long to have children.
The fertility of women begins to decline at around the age of 25, Rotkirch says.
Fully one-half of male respondents said they did not know the effect age has on a woman's fertility, Rotkirch said.
日本では未だにこのような幻想を持っている人が少なくないようだが、
フィンランドでは低出生率が国家的危機と認識されている。
2016年には死亡が出生を上回って人口は自然減に転じている。
ノルウェーでも首相が出生率低下に懸念を表明している(2018年のTFRは1.56、非移民系は1.50)。日本のリベラルが喧伝していた「北欧諸国は手厚い子育て支援によって高出生率を維持している」というのはフェイクニュースなのである。
"Norway needs more children! I don't think I need to tell anyone how this is done," Norway's prime minister Erna Solberg said cheekily, but she was raising a real concern.
Too few babies are being born in the Nordic region.
The Nordic countries once boasted strong fertility rates, but they are now experiencing a decline that could threaten the Scandinavian social welfare model, according to the Norwegian PM.
社会の存続には人口再生産が不可欠だが、フェミニズムに世界一汚染された北欧諸国は過激なリベラル政策に基づいて「自分の自由を奪う子供を産まない自由」を推進したために持続不能に陥っている。このような価値観(⇩)が正しいとされる社会では、育児支援の公的給付を増やしてもほとんど意味がない。
私は幸運でした。私は出産や家事の義務など女性を隷属させるいろんなものをまぬがれていましたから。
子どもから解放されないと女性は解放されない
最近になって、子どもを産むことは女性にとって厄介な罠だと思うようになりました。だから母親になるな、と女性に忠告したいのです。
ヒトは他の哺乳類のように母親だけでは子育てできないため、男が用心棒兼食料調達係として母子をサポートするように進化した(→男女分業の核家族)。北欧諸国はこの人間本来の役割分担を否定したために、人口再生産に失敗しつつある。リベラルにとっては不都合な真実だが、男女平等社会は持続可能な社会ではないのである。
繁殖に成功することは、人間を含むあらゆる生物の究極の目標である。人間は進化の歴史の中でそのようにデザインされているのだ。それが命というものの意味だ。したがって、自分の意思で子供を作らないことは自然に対する最大の罪である。だからこそ知能の高い人たちはそれをするわけだが。
自然に対する最大の罪を犯す傾向が、どうして、人間の価値の究極の指標になるだろうか?
韓国はさらに深刻。
2019年12月に2018年の詳しいデータが追加公表されたので内容をアップデートしている。