更新日:2025年03月26日 09:46
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ラーメン店の倒産は過去最多。「千円の壁」に苦しむ個人店をよそに“背脂チャッチャ系”京都発チェーンが好調の理由

今後のラーメン市場も大が小を吸収する構図は明確

吉野家

吉野家 J_News_photo – stock.adobe.com

市場はまだまだ成長余地があると予測し、自社のシェア拡大に向けM&Aを仕掛けるチェーン企業。今年に入り、吉野家HDが京都のラーメン店「キラメキノトリ」を買収するなど、攻めの姿勢が感じられる。 物価高によるコスト上昇分を価格に反映できず、利益なき繁忙の罠から脱出できない個人店が多い一方で、有力チェーン店は資本力を背景に規模の経済を発揮している。 そういった中、1000円以下で我慢の経営を強いられる店とブランド価値の高さを背景に1000円以上の強気の価格で販売する店との二極化も進展しているようだ。 資本力がある大手チェーンに、経営資源が脆弱な個人店や地域の小規模チェーンが立ち向かうのは困難で、今後も大が小を吸収する構図が明確になりそうである。 都市部の有力チェーンが海外市場の開拓とインバウンド効果を含めた国内需要の活性化に力をより注ぐだろうが、一方で地方チェーンが独自性を武器に大都市圏に進出するケースも増えるだろう。 限られた市場の奪い合いは、より熾烈な戦いとなるのではと推察する。 <文・中村清志>
飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan
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