更新日:2025年03月19日 17:18
スポーツ

現役メジャーリーガーから支持される大人気の投球分析家が来日「山本由伸のヨーヨーカーブが大好き」

データ解析ツールの普及は子どもたちには悪影響!

 MLBでは、2010年代中頃からスタットキャストなどのデータ解析ツールを導入したことで、データが精密化され、選手のパフォーマンス分析が飛躍的に向上した。選手たちはその結果、ボールの速度、回転数、距離など、多岐に渡る詳細なデータを見ながら、それぞれの弱みや強みを正確に把握し、感覚と数値とをすり合わせることが可能になっている。  今やアメリカでは、同様のデータ解析ツールであるトラックマンやラプソードといった機器が、中学生ぐらいから見慣れた機器になっているとフリードマン氏は言う。「それは良いことか、悪いことか?」と尋ねられると、元少年野球の投手コーチでもあった同氏は「悪いことですね」と明言する。 「なぜなら、そのぐらいの年齢ならまずは投球メカニクス※2 に注力するべきだからです。子どもの身体の安全を守るためでもあります。こういったデータ解析ツールを使うと、投手なら球速を追い求めようとするため、怪我をするリスクが高くなります。できるだけ速く投げようとしても、体の成長はまだ追いついていない。出力過多は怪我の大きな原因になり、実際にアメリカでは子どもたちの怪我は昔より増えているのです」 ※2投球メカニクス=野球における投球動作の仕組みや技術の総称で、投手がボールを投げる際の一連の身体
の動きやフォームを表す。省略してメカニクスと呼ぶこともある。

野球の魅力は「アナログなところ」

 データ全盛期の投球分析家として、数字にあかるいフリードマン氏だが、野球の魅力はアナログなところにあるとも力説する。 「データは興味深いものですが、忘れてはいけないのは、生身の人間がプレーしているということです。選手たちは、互いに駆け引きをしながら、競い合うのです。私はそれこそが、野球の魅力だと思うのです。巨大なチェスの戦いとも似た美しさがあります。だから、単なる数字のゲームでもなければ、ただ速い球を投げて強く振れば良いだけの世界ではないのです。投手は打者を欺き、打者も投手を誘い込んで自分の打ちたい球を引き出そうとします。そういった部分が何より面白いと思うのです」  ピッチングニンジャは18、19日のMLB開幕戦を取材、日本人投手を分析するという。 取材・文 松山ようこ 写真提供/Fanatics Japan ※本イベントは世界最大級のデジタルスポーツプラットフォームを運営するFanatics Inc.の日本法人、ファナティクス・ジャパン合同会社(https://www.fanaticsinc.com/japan)(東京都港区、マネジング・ディレクター:川名正憲)がファンの方に貴重な体験を提供するために開催されました
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ピッチングニンジャ ピッチングニンジャ

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