大谷翔平「二刀流復帰」が白紙に…。打者専念なら「三冠王の可能性が高い」と言えるワケ
韓国・ソウルでの開幕シリーズから1年。大谷翔平はドジャース2年目のレギュラーシーズン開幕を母国・日本で迎える。
ドジャースは日本時間12日(以下同)に来日前最後となるオープン戦を終えると、すぐさまキャンプ地のアリゾナを離れ、13日午後に東京に到着した。
14日の公式練習を終え、15日に巨人と、16日に阪神とそれぞれプレシーズンマッチを行い、18~19日の対カブス2連戦に備える。
普段から時差を伴う移動には慣れている選手たちだが、10時間を超えるフライトで体調管理は簡単ではないはず。中には時差ボケの症状が出る選手もいるだろう。本番までは数日あるため、両チームの全選手、全スタッフが万全な状態で開幕シリーズを迎えることを願いたい。
さて、今回の東京シリーズには大谷を含めて総勢5人の日本人選手が出場予定だ。今永昇太(カブス)、山本由伸(ドジャース)、佐々木朗希(同)の3人が先発マウンドに上がる予定で、打撃好調の鈴木誠也(カブス)も中軸を担う。
それでもやはり最大の注目を集めるのは、昨季自身3度目となるMVPに輝いた大谷だろう。2戦ともに指定席となった1番指名打者(DH)での出場が見込まれている。
肝心の大谷の打撃だが今春も相変わらず好調だ。12日のガーディアンズ戦は3回打席に立ち、1打数無安打に終わったが、初回に四球を選ぶと次打者の本塁打で先制のホームイン。満塁で迎えた2打席目はしっかり押し出し四球を選びオープン戦2打点目を記録した。
続く3打席目で一塁ゴロに倒れ、お役御免となったが、オープン戦は合計7試合で、打率.333(18打数6安打)、1本塁打、2打点と、いいリズムを維持したままでの凱旋となりそうだ。
ただ、大谷が今季目指していた二刀流復帰には暗雲が漂っている。大谷が2度目のトミー・ジョン手術に踏み切ったのはエンゼルス時代の2023年9月。ドジャース1年目の昨季は、ポストシーズンで登板の可能性も伝えられるほど順調な回復ぶりを見せていた。
その後、チームは慎重な方針を貫き、オフの時点で投手としての復帰時期を5月に設定していたようだが、大谷が2月のファン感謝イベント「ドジャーフェスト」に参加した際、「『いつ』というのが今の段階では言えない」とコメントするなどややトーンダウン。キャンプ入り当初はブルペンでの投球練習を行っていたが、それも取りやめ、復帰プラン自体がほぼ白紙の状態になっている。
こうなると、今季も打者に専念する可能性が高まってきたと言わざるを得ないだろう。ただ、それはむしろチームにはプラスとなるかもしれない。
打者一本で臨んだ昨季の大谷は、特にシーズン終盤に自慢の打棒を爆発させ、前人未到の「50&50」を達成(最終的に54本塁打&59盗塁)。DH史上初のMVPを満票で受賞し、自身初のワールドシリーズ制覇に花を添えた。
自己ベストの打撃成績を残した昨季の打棒を見る限り、無理に二刀流にこだわる必要はないという声が上がるのも当然だろう。特に肘の状態に不安が残る今季に関しては打者一本で行くべきではないか。
チームとしても大谷の戦線離脱は絶対に避けたいところ。かなり早いタイミングで投手復帰を来季に先延ばしすることも視野に入っているだろう。
そして、もし大谷が打者に専念することになれば、昨季惜しくも逃した三冠王や2年連続「50-50」達成も視界に入ってくる。仮に打者としてフル出場できれば、昨季2位に15本差をつけていることもあるため、本塁打王はまず堅いだろう。また打点でも昨季は2位に26打点差をつけており、1番打者というハンデを差し引いても本命候補に挙がる。
一方で、昨季リーグ2位だった打率も4年連続で上昇しており、昨季の.310から今季は一気に.320~.330に伸ばしてもおかしくない。2012年のミゲル・カブレラ以来、13年ぶりに三冠王が誕生する可能性が高いといえるだろう。

オープン戦「ドジャース対エンゼルス」で本塁打を放つドジャース・大谷翔平。投手はエンゼルス・菊池雄星
写真/産経新聞社
5人の日本人選手が出場予定!
「二刀流復帰」には暗雲が…
打者専念で三冠王の期待も
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1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。
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