ラーメンやカレーにも。歯科医師が教える「将来の健康につながる」食事のひと工夫
食べるときには“噛む”ことが当たり前だと認識されていると思います。しかし、実は私たちの噛む回数はじゅうぶんではないことが多いのです。
【前回記事】⇒「食べ物によっては苦痛に」歯科医師が教える今から“よく噛む”意識の重要性
診療していると、高齢の患者さんだけではなく、お子さんから大人の方まで、幅広い年代でお口周りの筋力の低下を感じます。人間はしっかりと使っていないところから弱っていくものです。お子さんでは、お口の筋力がなかなかつかず、ポカン口や、顎の成長が小さく細くなっているケースも見られます。
今回は特別な努力をしなくても、皆さんのお食事に手軽なひと工夫を加えるだけで効果的なポイントをお伝えしたいと思います。
普段のお食事でこのような悩みはないでしょうか?
・食後、食べ物がお口の中に残っている
・硬いものは食べにくい
・食事の時間が長くなった
・飲食物にむせることが増えた
・食べこぼしをするようになった
・食べ物を飲み物で流し込んでいる
・薬など固形物に飲み込みにくさを感じる
これは、お口の筋力が低下しているサインである可能性が高いです。今の日本にはグラタン、ハンバーグ、カレーなど、よく噛まなくても食べれてしまうもので溢れています。実際に、高齢者の歯がない方でも食形態を変えることなく(介護食などではなく)、普通のお食事がとれているケースも多々あります。
奥歯がない患者さんに、「食事の時に困っていないから入れ歯はいらない」と言われることもあります。それほどに、今の日本の食は、柔らかいもので溢れており、流し込み食べがしやすいのです。 しかし、そのようなお食事ばかりを続けていると、お口周りの筋力がしっかりと使われず、結果として筋力低下に繋がるのです。
普段のお食事で“よく噛む”意識が大切ではあるのですが、例えば、お豆腐をたくさん噛んで食べるのは苦になってしまいますよね?
食品やメニューによって適切な噛む回数はあるでしょう。意識しすぎてお食事の時間が疲れるものとなってしまうのは良くありません。お食事を楽しみながら自然に噛む回数を増やせる食材を取り入れることがオススメです。

歯科医師の野尻真里
こんな悩みがある人は要注意!当てはまる数が多いほどピンチ
お食事に“ひと工夫”
一般診療と訪問診療を行いながら、予防歯科の啓発・普及に取り組んでいる歯科医師です。「一生涯、生まれ持った自分の歯で健康にかつ笑顔で暮らせる社会の実現」を目標にメディアで発信をしています。X(旧Twitter):@nojirimari
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