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なぜカラオケで「怪獣の花唄」「ドライフラワー」「マリーゴールド」が人気なのか…実は定番曲には共通した“要素”があった

④リズムの特徴と盛り上がり

また、メロディだけでなく、カラオケにおいてはリズムの要素も重要です。 多くの楽曲が、リズムに特徴を持ち、カラオケで歌うと楽しいと感じるものになっています。 「Bling-Bang-Bang-Born」 はヒップホップ要素を含み、リズムが際立ち「アイドル」 は速いテンポと変則的なリズムで、歌いこなしたくなる楽曲に。「ケセラセラ」 はノリやすいポップなリズムが特徴です。 これらの楽曲のメロディは、歌いやすい音域とスムーズな流れ、クセになるフレーズの繰り返し、切ないコード進行、メリハリのある展開、そしてリズムの特徴が共通しています。 やはり、カラオケでの人気が高い理由は、覚えやすく、感情を込めて歌いやすいのです。

歌詞にもカラオケで支持される背景がある

ランキング上位に並ぶ曲は、歌詞にも「カラオケで歌われる要因」があるのです。 ・感情を揺さぶる歌詞 切ない恋愛・失恋ソングの「ドライフラワー」「マリーゴールド」「さよならエレジー」、懐かしさや郷愁を感じる歌詞の「サウダージ」「晩餐歌」、前向きなメッセージを込めた歌詞の「怪獣の花唄」「ケセラセラ」。扱っているのは恋愛や人生の葛藤、夢や希望、郷愁など、リスナーの心に響くテーマ。 そして、強い個性や自己表現を前面に出した「Bling-Bang-Bang-Born」「アイドル」。いずれも感情を大きく揺さぶる印象的な歌詞だと思います。 ・歌詞に印象的なフレーズが繰り返される 耳に残るフレーズが繰り返されることで、歌詞が覚えやすく、歌うのも比較的容易になっています。 言葉遊びのようなフレーズのおかげでリズムに乗りやすくなっている「Bling-Bang-Bang-Born」 と、「ざ〜んこ〜くなてんしのテ~ゼッ!」とインパクトのあるサビが繰り返されている「残酷な天使のテーゼ」は象徴的。 「ケセラセラ」も、耳に残る「ケッセ〜ラセッラ」という単語が気持ちを明るくしてくれそうです。 ・日本語の響きを活かした表現 カラオケランキング上位の曲の歌詞は、日本語ならではの響きや言葉遊びをしているのが特徴です。 たとえば、「サウダージ」 は「いつかまた逢いましょう その日までサヨナラ 恋心よ」と異国情緒ある言葉遣い。「アイドル」 は「洒落臭い 妬み嫉妬なんてないわけがない」と韻を踏むことで、スピード感があります。 全体的に感情を揺さぶるストーリー性を感じさせる歌詞が多いのです。
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SNSで思わず手を止めてしまうフレーズがフックにも
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音楽ライター、クラシカル・クロスオーバー歌手。長年混声合唱団に所属し、様々なソリストに選ばれる。普段はライブやコンサート、モデルをメインに活動する。2022年、テレビ東京系「開運!なんでも鑑定団」のエンディングテーマ「太陽になる」をリリース
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