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20年前の「9代目カローラ」が“ベンツ超え”の異常な高値に!走行10万キロ超えでも50万円以上の謎

腕時計投資家の斉藤由貴生です。私はモノを買うとき、常に「いくらで売れそうか」を考えてから買うようにしているのですが、そうすることによって、本当の『消費額』がわかります。 たとえば、購入価格だけを見ると高いモノでも、価値が残りやすい場合、その実質額は「安い」可能性があります。そのため、私はあらゆるモノの相場を常に調査しているのですが、そうなると、意外と「価値がある」というモノを発見することがあります。 たまに、知り合いのおじさんと話していると、本人が「こんなの価値ないだろ」と思っていても、実は価値があるということに遭遇します。私と話したことによって、本人は実は価値があるモノを持っていたと気づくわけですが、教えてあげると喜ばれるので、私としてもいいことをした気分になります。 ということで今回は、意外と価値あるモノとして、クルマを取り上げたいと思います。
9代目カローラ

9代目カローラ

中途半端に古い車は“ボロ”という印象に

近年では、新車から5年10年といった期間では価値が残りやすいクルマが多いといえますが、その一方で、製造から15年ぐらい経過したクルマの価値は一気に下がるといえます。 もちろん、ものすごく古くなれば逆に価値が出てくるのですが、近ごろの事例だと、そういったことになるのは「製造から40年後」ぐらいだといえるかもしれません。 そのため、15年から30年ぐらいといったクルマは、中途半端に古く、単なる「ボロ」といった印象になるでしょう。 カーマニアの場合、2007年式といわれると「新しい」という印象を受けるかもしれませんが、車齢としては18年。現在の世の中では、これぐらいの年式のクルマは「十分普段遣いできる」のですが、全体的に相場は安価だといえます。 たとえば、新車価格700万円以上のメルセデスベンツの相場(業者間)は20万円程度といったことも珍しくありません。また、この価格帯の場合、程度が良くても悪くても、大して相場が変わらないことも珍しくないのです。 しかし、このような年式のクルマにおいて、実はびっくりするぐらい価値が高くついている車種が存在するのです。 具体的には、「走行距離10万キロ超え、車齢20年以上、程度が悪い」という条件でも、価値が50万円以上となっている車種、それが9代目カローラです。

「いつでも安く買える」という認識がひっくり返った

2000年にデビューした9代目カローラは、「菊次郎の夏」のテーマソングのCMが印象的で、初代プリウスのような、当時としては未来的なパッケージが魅力的でした。 この世代では、8代目まで存在した「GT」グレードが省かれ、スポーツモデルは消滅。その反面、最上級モデルには本革シートがオプション設定されるなどの魅力がありました。 私は個人的に4代目カローラが好きなのですが、4代目は20年以上前から個体数が少なく、相場が高い傾向がありました。その次に、この9代目カローラが好きなため、一度、セカンドカーとして本革シートの前期モデルを購入検討したことがあります。 記憶によれば、2007年頃から2017年頃まで、この9代目カローラはヤフオク相場が20万円程度であり、いわゆる「最も安いクルマ」という相場になっていたといえます。 また、グーやカーセンサーにも売り出しが掲載されていることが多く、「いつでも安く買える」という印象だったといえます。 それが今、9代目カローラの中古車数は1件、2件といった状態。 かなり数が減っていたため、私は早速オークション情報をチェックしましたが、業者オークションにはたくさんの台数が出ていたことが分かりました。 こういった現象は、このカローラに限らず、よくあることです。中古車として販売しても売れないから出てこない、といったことが考えられ、相場は大して高くない場合もあります。 そのため、私は9代目カローラを業者オークションで買ってしまおうかと思ったのですが、その際相場を見てびっくり。 走行距離10万キロ以上、程度が悪いような個体でも大体50万円以上で取引されているのです。
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ゼロクラウン、ベンツよりも価値が高い!
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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