転売される“ドジャース開幕戦”チケット、200万円での出品も…「転売ヤーに狙われる構造だった」専門家が指摘
“生ける伝説”大谷翔平を生で観戦できる数少ないチャンスとあって、大きな注目を集めるMLB・ドジャースの開幕戦。その水面下では、苛烈なチケット転売戦が勃発していた。
プラチナチケットを手に入れることができたのは、一握りの幸運の持ち主だった。MLB東京シリーズのドジャース対カブス開幕戦チケットの争奪戦である。
2月16日に行われた一般販売では、数十万人が販売サイトに殺到。しかし、多くは申し込みページにすら辿り着けぬまま、販売終了となった。
とはいえ、幸運に恵まれずともカネさえあればチケットを入手する方法は存在する。
「チケット転売サイトです。営利目的の転売は法律で禁じられていますが、現実に複数のサイトで堂々とドジャース戦のチケットが売られています。出品者の多くは転売目当てに申し込んだ“プロ”で、実質、野放し状態です」(スポーツ紙記者)
都内在住の会社員、武内昭夫さん(仮名・46歳)は転売サイトを通じて開幕戦のチケットを入手した一人。自身と妻の分の2枚で45万円もの大枚をはたくことになった。
「妻も私も大谷選手の大ファンで、どうしても生で観たくて。定価は1万6000円ですから、10倍以上の高値でした。もうアメリカまで観に行ったと思ってガマンするしかないのかなと……」
需給が合うからこそ、この金額で折り合ったわけだが、それにしてもすさまじい高騰ぶり。もっとも良席とされるバックネット裏にいたっては、定価6万円のチケットがなんと200万円で取引されている事例もあった。
高額な転売価格も「必要経費」と割り切って購入する人がいる一方、SNS上では定価での購入チャンスを奪われた人々からの「転売ヤー死ね!」という怨嗟の声が渦巻いている。
2月26日、MLB東京シリーズの公式ページには、「チケットの不正転売は、野球ファンの皆さまが公平、公正に試合を観戦する機会を奪うもの」「不正転売が確認されたチケットについては無効」といった文章が掲載された。
こうした転売騒動について、ロス在住のスポーツジャーナリスト、青池奈津子氏はこう語る。
「アメリカでもスポーツ観戦チケットの転売システムは存在し、利用するファンも少なくありません。時折、転売サイトのほうが安く買えることもあり、試合直前の値下げを狙う人もいるほど。4月2日に大谷のボブルヘッド人形が配られるブレーブス戦の公式サイトの最安チケットは136ドルですが、米転売サイト『StubHub』では110ドルで出ていました。日本と比べると転売ヤーが牛耳って市場を動かしている印象は薄く、仮に高額で出ていたとしても『金持ちが買うのは個人の自由』という概念が強く、あまり問題視されない印象です」
夫婦で45万円の支払いも「高い買い物とは思わない」
![ドジャース開幕戦が[転売天国なワケ]](/https/nikkan-spa.jp/wp-content/uploads/2025/03/250311p03-550x755.jpg)
写真/産経新聞社
![ドジャース開幕戦が[転売天国なワケ]](/https/nikkan-spa.jp/wp-content/uploads/2025/03/250311p07-550x491.jpg)
一般販売では、サイトの購入ページに辿り着くまで並ぶ必要があり、最大40万人以上待ちに
![ドジャース開幕戦が[転売天国なワケ]](/https/nikkan-spa.jp/wp-content/uploads/2025/03/250311p06-550x351.jpg)
転売における日米の文化差はある
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転売サイトに出品されたチケットには席のランクのほか大まかな位置も記載
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スポーツジャーナリスト・青池奈津子氏
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