小室圭さん母・佳代さんの自伝に戦慄。「こういう私でありたい」という願望で彩られた世界観…誰をターゲットに、なぜこの本は出版されたのか
なつかしい再登場だ。息子・圭さんと眞子さんが渡米してから大きな動きがなかった小室佳代さんの自伝的エッセイ『ブランニューデイ あたらしい日』(内外出版社)が2月6日に発売された。
佳代さんといえば、夫である敏勝さん、そして義両親と、近しい3人が自死したという闇の深さが衝撃的。ほかにも、交際男性との金銭トラブルや遺族年金詐取疑惑、労災の問題などで世間を騒がせてきた存在である。
彼女の自伝となればそのあたりについて書かれた内容が期待されるが、同書でそれらはまったく触れられていない。基本的には、“皇室とご縁を結んだ息子を育てた母”が明かす半生……というノリで綴られている。
学生時代の佳代さんは、家族でさまざまなお店を食べ歩きし、週末は店内で生バンドの演奏を楽しんでいたそうだ。生バンドが入る飲食店を家族の行きつけにしていた……なんとも、ハイソな思い出ではないか。
のちに夫になる敏勝さんとの出会いについて、「彼は私に『おっとりしたお嬢さん』という印象を持っていたようです」と綴っている。本当か? 漏れ伝わるエピソードからでき上がった“強欲な魔女”という佳代さんのイメージとあまりにも乖離がある。
敏勝さんの死後、職を探した佳代さんはフレンチレストランのスーシェフ(副料理長)のポジションを打診されたものの、保障の部分が整わなかったので断念したらしい。社会人経験のない女性が過酷な職場であるフレンチの厨房でいきなり副料理長の職をオファーされたというのもにわかに信じがたい。
つまり、この本で描かれた半生は小室佳代の実体験ではなく、彼女が憧れたライフスタイル、もしくは自身が発信したい自己像のみで彩られているのではないか? と疑念が残るのだ。嫌でも勘ぐらざるを得ない話ばかり登場する。佳代さんが望む自己像と客観的に見た人物像に凄まじい乖離があるから、戦慄を覚えるのだ。
世間にはおなじみ“強欲な魔女”像との温度差が激しいのは、内容だけではない。目次を見ると、「ラブストーリーは突然に〜夫との再会〜」「You’er everything〜愛しき人との別れ〜」「What A Wonderful World」など、名曲のタイトルを引用した見出しが各項に付けられていた。
有名曲のタイトルをこうも自由に見出しに使って権利的に大丈夫? と不安になりつつ、彼女の過去の行いと見出しが醸し出す世界観の次元が違いすぎて、底知れぬ怖さを感じてしまう。
言うまでもなく、本のタイトル「ブランニューデイ」はサザンオールスターズのヒット曲「ミス・ブランニュー・デイ」からの引用である(敏勝さんの葬儀ではこの曲を繰り返し流したそう)。
過去のことしか書かれていないのに「ブランニューデイ あたらしい日」というタイトルはいかがなものか? という気がするし、そもそもサザンのこの曲は新しい日を歌う内容ではなかったはずだ。新しいブランドや流行を追い求め、同じような髪型やファッションに身を包むモブキャラのような人たちを皮肉った曲である。
誰がどう見てもモブキャラではない佳代さんの自伝としては、かなりトンチンカンなタイトルだろう。
佳代さんが憧れたライフスタイルを綴った自伝?
本のタイトルはサザンオールスターズのヒット曲から引用
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