“村の掟に翻弄される”深川麻衣が「芸能界の独自ルール」を語る。「中にいると気付きづらいですよね…」
乃木坂46の元メンバーであり、2016年の卒業以降は女優として順調に活躍を続けている深川麻衣さん(33歳)。
現在は、『愛がなんだ』(2019)以来の共演となった若葉竜也さんと、夫婦役を演じた映画『嗤う蟲』が公開中だ。
イラストレーターの杏奈(深川)と輝道(若葉)の夫婦が、理想の田舎暮らしを求めて都会から地方の村に移住するも、過剰に干渉してくる村人たちや、村の掟に翻ろうされていく。スリラー初挑戦となった深川さんに、本作から感じたことや、本作とは逆に地方から上京した深川さん自身の話を聞いた。
また、話を聞くうち、最後は深川さんのチャームポイントの話題に。現在の最大の魅力が、かつては「自分では嫌いだった」とか。
――印象的なタイトルです。撮影時には仮タイトルで、キャストさんも含め、みなさんでタイトルを出しあったと聞きました。
深川麻衣(以下、深川):はじめは、『村八分(仮)』となっていました。そこからみんなで「どういうのがいいかな」と話していきました。私たちは横で好き勝手言っていただけですけど(笑)、タイトルを考えるというのは初めてのことでしたし、楽しい時間でした。
――そのこと自体が、みなさんでテーマを探っていくことにもなりそうですね。
深川:そうですね。『嗤う蟲』に決まったと聞いたときには、「わー、なるほど!」と思いました。嗤うというワードで言えば、村人たちの何かを隠しているような笑顔が、映画において象徴的ですし、撮影中、実際に虫がよく出ていて、城定(秀夫)監督がシーンにも活かしていました。うまく組み合わせて考えられたタイトルだなと思いました。
――スリラーものへの初挑戦になりました。
深川:ホラーは苦手なんですけど、なにか謎が含まれていたり、「これはどういうことなんだろう」と想像させるようなサスペンスやスリラーは映画も本も好きなんです。
なのでこうした題材のものにチャレンジできたこと、また城定監督とご一緒できたことも、すごく嬉しかったです。(夫婦役を演じた)若葉竜也くんとは(『愛がなんだ』に続き)2回目ですけど、ほかの出演者のみなさんとご一緒するのは初めだったので、そこもすごく楽しみでした。
最初は巻き込まれていく役柄で受け身なので、よりナチュラルに、夫婦が徐々に精神的に崩れていく様を繊細に演じることが大切だなと思い、丁寧にグラデーションにできればと意識していきました。
――人や村そのものがどんどん怖く見えていきますが、村の重鎮・田久保を演じる田口トモロヲさんの存在感が中でも異色でした。
深川:脚本って情景を思い浮かべながら読むのですが、田口さんと対峙したとき、自分の引き出しの範囲にはなかった田久保さんの言い回しやお芝居があって、すごく刺激を受けました。
田口さんもとてもイキイキと楽しく演じられていて、ご一緒するシーンはどんなものが飛び出すだろうとドキドキしながら撮影していました。
――同じ空間にいたら、余計にパワーを感じそうです。
深川:もともと田口さんはパンクバンドをやられていて、私自身はその当時の田口さんを直接見てはいませんし、実際にお会いしてみての田口さんはとても物腰が柔らかくて優しくて、ユーモアがあって、田久保さんとは全然違います。
でも田久保さんのときの田口さんのエネルギーは、田口さんのこれまで培ってこられたものがあるのかもしれないなと感じました。
撮影現場で、みんなでタイトル案を出しあった
印象的だった田口トモロヲとの初共演
ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi
記事一覧へ
記事一覧へ
【関連キーワードから記事を探す】
この記者は、他にもこんな記事を書いています