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「上沢は帰国したけど…」メジャーを諦めない「藤浪晋太郎」が評価急上昇。マリナーズ入団で“期待せざるを得ないワケ”

イチロー氏が藤浪復活のキーマンといえるワケ

 イチロー氏は2001年にマリナーズに加入すると、10年連続200安打をマークするなど、数々のメジャー記録を更新。得票率99.7%での殿堂入りがその偉大さを物語っている。  イチロー氏と藤浪は世代も違えば、投手と打者という大きな違いもある。ただ、イチロー氏は「マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター」という肩書を持っており、やや特殊な立場にはなるが、れっきとしたマリナーズ首脳陣の一人。合前の練習で現役選手に交じってユニホーム姿で汗を流す51歳の姿は見慣れた光景だ。  ただ、現在のイチロー氏はあくまでも若手を中心にアドバイスなどを行う立場。マリナーズだけでなく、傘下のマイナーリーグでも指導にあたることがあり、キャンプ中ないしはシーズン中に藤浪と接触する機会は多々あるだろう。

イチロー氏の指導に「期待せざるを得ない理由」

 阪神時代から様々なコーチやOBからアドバイスを受けてきた藤浪だが、レジェンドの金言を授かれば、ひょっとするとひょっとするかもしれない。  そう思わせるのは、イチロー氏の“コーチ”としての実績があるからだ。イチロー氏は現役引退後の20年に高校生や大学生への指導に必要な「学生野球資格」を回復し、これまで主にオフに帰国した際、各地の高校をたびたび訪れ球児に直接指導している。  21年には前年にイチロー氏の指導を受けた智弁和歌山が夏の甲子園で全国制覇を達成。翌年には国学院久我山が春ベスト4、高松商が夏ベスト8など、“イチロー効果”が大舞台で如実に表れている。  イチロー氏は技術面に加えてメンタル面のアドバイスを送ることも少なくない。藤浪が抱える制球難という課題も、おそらくメンタル面によるところが大きいはず。イチロー氏が“藤浪再生”の最後の切り札になると言ったら大げさだろうか。 文/八木遊(やぎ・ゆう)
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。
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