仕事

高学歴でハイスペックだが、仕事はポンコツ…見かけ倒しの“ドクツルタケ型”危険社員

会社に巣食う問題社員によって同僚は疲弊し、職場は大混乱。時には退職者まで出し、業績を悪化させる。そんな「危険社員」を7種類の野生生物にたとえて、生態に迫った!今回は「ドクツルタケ型」危険社員について。

猛毒というスペックだけは高い

職場を壊す[危険社員]図鑑妖艶な姿とは裏腹に、地上最強の猛毒を持つドクツルタケは“死の天使”と呼ばれる。だが、キノコだけに食べなければ問題はない。高学歴でスペックだけは華やかだが、仕事はポンコツな無能社員はまさにドクツルタケ型と言える。 「中高大と慶応の30代男性課長は学歴に敏感。東大卒や早慶卒の部下には甘いけど、MARCH以下の大学出身の部下には『あの大学でウチに入るなんて優秀ですね』といった嫌みは日常茶飯事。じゃあ仕事はハイスペかというと『今期の売り上げ目標は2倍!』と大風呂敷を広げて、いつも半分も達成できない。振り回される部下は疲れてしまう」(広告・28歳・女性) 仕事では毒(能力)を出せないが、直属の部下には毒が回り、徐々に職場は疲弊する。そんなドクツルタケ型危険社員が社内で幅を利かせる理由を、弁護士の西川暢春氏はこう見る。 「そもそも業務目標の設定を個人に委ねていることが問題の原因になることもある。会社が目標設定を明確にしないことが、すれ違いの要因になっていないか確認すべき」

ドクツルタケ型危険社員が増殖すると…

このタイプが増殖するとどうなるのか。臨床心理士の杉山崇氏が続ける。 「妄想と現実の差を埋めることが仕事の活力になればいいが、妄想に酔ってばかりでは成長は難しい。このタイプが実績を積めずに社歴だけ長くなると、学歴のみが存在意義になってしまう。歪んだ学歴偏重に一層拍車がかかり、社内の危険要因になりかねない」 見かけ倒しのドクツルタケ型社員には気をつけろ!

「ドクツルタケ型」の特徴

人畜無害のような見た目だが、“猛毒キノコ御三家”の一つに数えられる。遅効性の毒は潜伏期間が長く、同僚は徐々にダメージを蓄積させる。 「融通が利かず、自分(学歴)を否定する人は仲間と思わない」(杉山氏)。敵に認定されると即効性と遅効性のダブルの毒で攻撃してくる。 成長に伴い円錐形から平らに変化するカサが特徴。中高大と進学するにつれ、学歴を広げたカサのようにひけらかす危険社員のようだ。 ヤバすぎるドクツルタケ型の言動集 上司が部下全員の出身大学と偏差値を暗記している(金融・27歳・男性) 対策:会社の目標設定を明確にして勝手はさせない 【弁護士 西川暢春氏】 弁護士法人咲くやこの花法律事務所代表。問題社員対応や労務・労働事件などの企業法務に定評がある。顧問先は560社超 ・企業法務に強い弁護士への法律相談サービス実績豊富な顧問弁護士サービス(法律顧問)【大阪をはじめ全国対応可】 【臨床心理士 杉山 崇氏】 心理学者。神奈川大学教授。同大学心理相談センター所長。著書に『心理学的に正しいモンスター社員の取扱説明書』(双葉社)など 取材・文/齊藤武宏 取材/谷口伸仁 山本和幸 綾部まと
おすすめ記事