巨人が“大型補強したシーズン”を振り返る…「ラミレス、クル-ン入団」の2008年は稀に見る成功例だが、大失敗した年も
いよいよキャンプインが近づいているプロ野球。例年通り、このオフシーズンにも、さまざまな移籍に関する話題があった。特に、巨人はFAで甲斐拓也を、さらにライデル・マルティネスや田中将大といったビッグネームも続々と獲得している。
ただ、補強の成果については、神のみぞ知るところである。本記事では、巨人の補強が“成功したシーズン”と“失敗したシーズン”の両方を振り返ってみたい。
2007年に加入した小笠原道大の活躍もあって、暗黒時代を抜け出しつつあった巨人。ただ、5年ぶりのセ・リーグ優勝は果たしたものの、CSでは3連敗を喫し、あえなく敗退。この結果を受けて、すでに他球団で実績十分の助っ人外国人、アレックス・ラミレス、セス・グライシンガー、マーク・クルーンを獲得した。
彼らを迎えた2008年は、首位を走っていた阪神と最大13ゲーム差をつけられ、7月22日時点でマジック点灯も許してしまう。しかし、そこから逆転優勝を果たしたさまは、「メークレジェンド」と称された。
最終的にラミレスはMVPと打点王、グライシンガーは最多勝、クルーンは最多セーブをそれぞれ獲得し、大いに優勝に貢献したのだ。この年の補強は、稀に見る成功例だった。
余談ではあるが、坂本勇人が台頭したのもこのシーズンだった。
2011年は、打線の主軸だったラミレスと小笠原の衰えが顕著で、2年連続で優勝を逃した。そこで獲得されたのが、杉内俊哉とデニス・ホールトン、そして村田修一だ。3選手の貢献度は非常に高かった。
杉内は、交流戦で史上75人目のノーヒットノーランを達成。シーズンを通じても12勝4敗 防御率2.04と抜群の数字で、最多奪三振に加え、勝率、WHIPもリーグ1位だった。
ホールトンもローテーションの一角を担い、12勝8敗 防御率2.45。村田は巨人ならではの重圧に苦しみながらも、フル出場を果たし、小笠原の穴を埋める活躍を見せたのだ。大物の補強がうまくハマり、リーグ優勝はもちろん日本一にも輝いた。
【成功①:2008年】CS敗退後に大型補強
【成功②:2012年】主力の衰えを補強でカバーした
野球評論家・著作家。これまでに 『巨人軍解体新書』(光文社新書)・『アンチデータベースボール』(カンゼン)・『戦略で読む高校野球』(集英社新書)などを出版。「ゴジキの巨人軍解体新書」や「データで読む高校野球 2022」、「ゴジキの新・野球論」を過去に連載。週刊プレイボーイやスポーツ報知、女性セブンなどメディアの取材も多数。Yahoo!ニュース公式コメンテーターにも選出。日刊SPA!にて寄稿に携わる。Twitter:@godziki_55
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