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「このベッド濡れてない?」ホテルの部屋が“清掃前”だったが…“フロントの神対応”で最低な気分が一転

「なんかおなかのあたり冷たくない?」

驚く彼女 部屋には夜景を見下ろせる窓がついていて、2人並んでベッドから宝石のような夜景を堪能することができました。けれど、しばらくしてR子さんが何か異変に気づきます。 「ねぇねぇ、なんかおなかの辺り冷たくない?」  そう言われた早坂さんも自分のおなかの辺りに手を忍ばせ、そして次の瞬間ー 「ほんとだ!え、何?これ。え?」  早坂さんは寝具を振り払い、ベッドの上に座り濡れている部分を凝視しました。R子さんも部屋の明かりをつけ、2人でベッドに座り、まるで交通事故後の自己処理班のようにシーツに顔を付け、原因を突き止めにかかったそうです。 「わぁー!なんじゃこれ。おしっこ?よだれ?え、何?」  大声でそう叫んだ早坂さん。明らかにシーツの下の方に大きなシミがついていたのです。しかも、表現し難い黄色っぽいシミだったそうです。

信じられないことが次々と発覚!

 ベッドの上の2人は顔を合わせたまましばらく沈黙し、次に向かったのは浴室でした。 「なんとなく嫌な予感がしたんです。R子さんとおそるおそる浴室に入ってみると、その予感が見事に的中しました。浴槽が泡だらけなんです。しかも、床にはバスタオルが2枚敷いてあって、なんと、シャワーのお湯もちょろちょろ出っぱなしになっていたんです」  ここまでくると、もう2人は驚いたような大声は出さず、続けてトイレも確認したといいます。 「え、これ嫌がらせ?トイレ、使用後に流されていませんでした」  2人はそれ以上部屋をチェックしませんでした。しばらくイスに座って気持ちを落ち着かせてから、フロントに「すみません、この部屋は清掃済みなんですか?お風呂もお湯がそのままだし、ベッドが濡れていますよ」と電話すると、慌てて支配人が飛んできたそうです。 「支配人は、自分より少し年上程度の若い人でしたが、平謝りされました。  そして、『新宿の〇〇ホテルのスイートをご用意しましたので、お手数をおかけしますが、ご用意したタクシーで向かってください。この度は大変失礼いたしました』と言ってきたので、彼女と一緒に高級ホテルへ向かい、クリスマスイブをやり直しました」  ホテルで遭遇した悲惨な出来事に、一時は絶望していた早川さんたちでしたが、結果がかなりオーライだったので、忘れることができない素晴らしいクリスマスイブを過ごせたそうです。 <TEXT/八木正規>
愛犬と暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
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