「令和の若手社員」がお金よりも、出世よりも会社に求めていること
はじめまして、泉澤恵一朗と申します。20代専門の人材紹介サービス会社を経営するかたわら、若い世代の仕事観に関する情報を発信しています。
「この仕事、自分じゃなくてもいいんですよね。」
この言葉は、新卒1年目の山田さん(仮名)が、ある日の私に打ち明けたものでした。昨今の若手社員たちの間で高まる、仕事に対する新しい価値観を象徴する言葉だと感じています。
Z世代とは、生まれたときから世の中でインターネットの普及やIT技術の確立がされていた「デジタルネイティブ世代」のことです。明確な定義はないものの、概ね1990年半ば〜2010年代に生まれた人々を指します。
文字通り、情報過多の時代に生まれ、SNSやGoogle検索を開けば、毎日、新しい技術、新しいアイデア、新しい社会ニュースに触れることができるため知識はすぐに古くなります。
この世代の人々にとって、スキルが会社の業務の中で磨かれないことを何よりも不安視しています。
また、転職をするZ世代はほとんどの場合、今の会社にやりがいを感じていません。多くの企業は長年にわたって確立された枠組みの中で運営されており、その慣習や文化が、新しいアイデアや技術を取り入れることを阻んでいます。
「自分の意見が通らない」「毎日ルーティンのような業務ばかりで飽きてきた」
こうした不満はそうした企業の古い体制を表しているように思います。さらに、Z世代はSNSやインターネットが普及した時代に育ったため、コミュニケーションやコミュニティ形成に慣れています。
彼らにとって、オンラインは広く浅く繋がれるツールで、オフラインは血の通ったコミュニティを築ける場です。職場では特に、お互いに学び合い、支え合える仲間を求める傾向があります。
企業が掲げるミッションやビジョンに共感し、それに自分が一役買っていると感じることが、Z世代にとっての大きな働きがいに繋がります。
効率性やイノベーションを重視し、常に「より良い方法」を探求することで、仕事の達成感や満足感を得ます。そのため、Z世代はいわゆる年功序列を嫌い、よりフラットで透明性のある職場文化を求める傾向にあります。
山田さんの例を見てみましょう。彼女はエンジニアとして新卒でIT企業に入社しましたが、入社してみると、使用している技術がすでに市場ではレガシーと呼ばれていることに気付きました。
新しい技術に関する勉強会を開いたり、AIツールを導入しようと、懸命に動きますが、会社は彼女が望むような最先端のプロジェクトに彼女を関わらせることはありませんでした。
これまでだと「3年は下積み」と我慢をしてきたかもしれませんが、将来が不安、かつSNSなどから情報を取れるZ世代は「だったら転職してしまえ」と踏み切る人も多いです。
Z世代が求めるのは「スキル」「やりがい」「コミュニティ」
世代にとってのやりがいとは「自分の意見が反映されること」
20代専門転職アドバイザー、株式会社デザイナー代表取締役CEO。1995年、大阪生まれ。キャリアアドバイザー兼ヘッドハンターとして過去2000人ほど、就活・転職相談に従事している。特に20代のキャリア支援には定評があり、26歳という若さで2022年には西日本ベンチャー100に選出される
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