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【コンサルが教える】正しいことを言っているのに「ロジハラ」になる人の特徴。「前にも言ったよね」は要注意

「この人が言っていることは正しいけど、なんか鼻につく」などと思ったことはないだろうか。最近では“ロジハラ”という言葉もあるように、話の内容は正しいのに、なぜかカチンとくる言い方をしてしまう人は少なくない。 「そういう論理的には正しくても相手に受け入れてもらえない人は、ロジックの使い方を間違っていることが多いです。ダメなロジックの使い方をすると、いくら内容が正しくても相手は動いてくれません」 そう話すのは、大手総合系コンサルティングファームで長年働き、その経験を元にコンサル流仕事術をSNSで発信する、しゅうマナビジネス氏だ。 話題の新刊「3秒で伝える コンサルが使う[シンプルな言葉で相手を動かす]会話術」の著者でもあり、これまで5000人以上にプレゼンを教えてきた彼が、「ロジハラになる人と、論理的に話せる人の違い」を解説する。
ロジハラ

正しいことを言っているはずなのに、相手は不快感を覚えてしまう…。その根本的な問題とは?

ロジックだけでは、人は動かない

同じ内容を伝えるにしても、論理的にわかりやすく説明できる人と、ロジハラ(ロジカルハラスメント)と受け取られてしまう人がいます。では、その分水嶺となるのはいったいどこか。結論から言うと、それは「相手の感情」をロジックに組み込んでいるかどうかです。 我々コンサルも、話を論理的に組み立てるときにはデータや事実などをベースに結論を導き出すことをマストで求められます。「データを見るとAなのは明らかだけど、空気を読んでBにしよう」などと、感情によって結論を変えてしまってはデータを使う意味などないからです。 しかし問題なのは、ロジハラになってしまう人の場合、論理的な説明をすることが目的になってしまっていることが多いことです。相手になにかを説明するときには、必ず目的があるはずです。目的を達成するために相手に動いてもらう必要があります。なので、論理的な説明は、あくまでそのための“手段”でしかありません。 真に論理的な説明が上手な人は、ただ正論を押し付けるのではなく、相手の感情もロジックに組み込み、「どうすれば円滑に目的を達成できるか」を考えられます。そのためには、反対された際の代替案をあらかじめ用意しておくなど、お互いが納得しあえる“落としどころ”を模索できるかがカギとなります。

ロジハラする人は、実は「完璧主義者」

対して、ロジハラになってしまう人の場合、データや事実に基づいた正しさを振りかざし、相手の意見を取り入れようとしません。どれだけ正しいことを言っていたとしても、このようなコミュニケーションは相手から見れば高圧的に映ります。 それだけでなく、「自分は完ぺきなロジックを組んでいるのに、どうしてわからないんだ」といら立ち、ついつい相手を攻撃してしまいがちです。このことから、ロジハラをしてしまう人は、実は完璧主義者に多かったりします。 こうした人がよく口にするフレーズに「これ、前にも説明しましたよね」、「以前、あなたがそう言っていたんですよね」などがあります。自らの正当性を証明するために、自身や相手の過去の言動まで持ち出して説き伏せようとする。直接的な暴言は論外ですが、こうした発言も相手に不快な思いをさせてしまう可能性がある以上は立派なハラスメントです。
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ロジハラは、相手に「負の感情」を抱かせる
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大阪府出身。ITソフトウェア企業を経て、外資系コンサルティングファームに転職。現在はIT・会計を中心とした経営コンサルタント業務に従事。副業ではプレゼンや思考法の専門家としてセミナー講師などで活動。YouTubeチャンネル『マナビジネス』では「学び」+「ビジネス」をテーマに仕事術についての情報を発信している。Xアカウントは@manabi_business

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