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現役最強馬vs三冠牝馬で盛り上がるジャパンカップ。最近のレース傾向と人気馬の特徴

リバティアイランドは爆発力なら誰にも負けないお嬢さん

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末脚の爆発力で逆転を狙うリバティアイランド 
写真/橋本健

 今年の牝馬三冠を制したリバティアイランド。川田騎手からお嬢さんと呼ばれていることですっかりとおなじみになった同馬ですが、最大の特徴は「誰にも負けない爆発力」だと考えています。  新馬戦はレースの上がり2ハロンが21.1秒を記録しており、これは時計の出やすい新潟芝1000m戦を除くと歴代最速のタイムとなります。これはイクイノックスだけなく、ディープインパクトアーモンドアイなど歴代の名馬と比較しても抜けたタイムで、トップスピードに入った際の爆発力という点では誰にも負けないスペシャルな才能を有しています。  その後の阪神JFでは前半3ハロン33.7秒のハイペースで上がり1ハロン12.5秒の消耗戦を差し切るスタミナを補完し、桜花賞では1分32秒1の高速時計で追走スピードの強化。そして極めつきはオークスで、東京競馬場芝2400mで2分23秒1を記録して上がり2ハロン11.6秒-11.5秒の加速ラップと出色のパフォーマンスを披露しました。  歴代の東京競馬場芝2400mで勝ちタイム2分23秒4以下かつ上がり2ハロン23.4秒以下を記録したレースの勝ち馬は父であるドゥラメンテやディープインパクト、アーモンドアイなど歴代でもわずか10頭しかいません。類まれなトップスピード性能に加え、競走馬に必要な様々な要素をここまでしっかりと強化している点も名馬の器といえるでしょう。

2強対決の結末やいかに

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現役最強馬と牝馬三冠馬の対決となった2012年のジャパンカップ

 2強の特徴をそれぞれ見てきましたが、イクイノックスがどのような条件でも100点を取るなら、リバティアイランドはトップスピード勝負なら120点を出せるというイメージです。筆者としては、直線の長い東京競馬場が舞台のジャパンカップならトップスピードで上回るリバティアイランドが優勢ではないかという見解です。  思えば前年の牡馬三冠を制して凱旋門賞も2着に好走した歴史的名馬オルフェーヴルをジャパンカップで降したのが、この年の牝馬三冠を制したジェンティルドンナでした。奇しくも当時と同じように歴史的名馬と三冠牝馬の対決となる今年のジャパンカップ。歴史は繰り返すのか、それとも……。  もちろん、競馬は2頭だけで走るわけではありません。今年は久しぶりのフルゲートですし、パンサラッサの参戦で展開も厳しいものになりそうです。全馬が力を出し切って、最高のレースになる事を期待しています。 文/安井涼太
各種メディアで活躍中の競馬予想家。新刊『安井式上がりXハロン攻略法(秀和システム)』が11月15日に発売された。『競走馬の適性を5つに分けて激走を見抜く! 脚質ギアファイブ(ガイドワークス)』『超穴馬の激走を見抜く! 追走力必勝法(秀和システム)』、『安井式ラップキャラ(ベストセラーズ)』など多数の書籍を執筆。
Twitter:@RyotaYasui

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(秀和システム)

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