ニュース

沖縄で聞いた“基地賛成派”の主張。「私が石垣島に自衛隊駐屯地を誘致した張本人です」

<石垣の自衛隊駐屯地を考える その2>  2023年3月16日、石垣島に陸上自衛隊の駐屯地が開設された。勢いを増す中国に対して、抑止力を強めようとする防衛政策の一環だ。石垣島に飛び、住民らの賛否両論を取材をした。  連載2回目となる今回は、「石垣駐屯地は必要だ」と考える2人に話を聞いた。

尖閣諸島を守る市議会議員

 まずは、石垣市に来るたびにお会いしている仲間均さん(74)に石垣駐屯地についての賛否を聞いた。石垣市議会議員を7期つとめている彼は、1994年の初当選以降、これまで尖閣に上陸したのは16回という、日本でもっとも尖閣諸島に通い続けている方だ。
石垣市議会議員の仲間均氏。彼は尖閣に15回上陸した猛者

石垣市議会議員の仲間均氏。彼は尖閣に16回上陸した猛者

――地元の市会議員として、自衛隊駐屯地についてはどう思われますか? 仲間:私が誘致した張本人なんですよ。尖閣はこのように攻められてるわけ。そんななか中国からの抑止力というものを考えないといけない。国を守るためにはどうしたらいいかと。その場合、大事になるものが自衛隊でしょう。やはり抑止力を強めて、平等主権を守るという観点に立てば、もう自衛隊しかないと思った。それで誘致をしました。

「抑止力あっての平和です」基地反対派には疑問

――基地があると攻撃されやすいという意見もあるのでは? 仲間:「基地が攻撃される。民間人も攻撃されるんだよ」というのが彼らの言い分。だけど目的は一つ。平和を作るため、人々を守るために必要なのが抑止力。それは自衛隊が来ることによって保たれるんだと。「自衛隊が来たら攻撃される」と反対派は言うけど理屈に合わないんですよ。  反対派に「どうやって守るの?」と聞いたら「守らなくていい。守ろうとすると相手が攻撃を仕掛けてくる。だから守らなくていい」と。常に白旗をあげて、もう私達は自衛隊もいらない、海上保安庁もいらない、国を守るための組織はいりませんというのが彼らの考え方です。ついていけません。
2022年12月(駐屯地の開設直前)にあった基地反対ののぼりの数々

2022年12月(駐屯地の開設直前)にあった基地反対ののぼりの数々

2022年12月(駐屯地の開設直前)にあった基地反対ののぼりの数々

基地反対ののぼり

――相手方が有無を言わせずに攻めてきたら、それこそ悲劇ですね。では次に、於茂登岳のふもとに作った経緯は? 仲間:自衛隊が島を守るためには指揮系統を維持し、連絡を繋げていく必要がある。そのためには敵が狙いにくい場所というのが大事。その意味で言うと今の場所がベスト。迎え撃つんだから海のすぐ近くがいいという意見もあるけどそうではない。どこに作ったら駐屯地が攻撃されずに指揮系統を保てるかが大事。 ――山のふもとに作ることで水源を汚染している可能性はありませんか? 仲間:森林法や緑地法とか、いろいろな法律がある。だけど法律上、自衛隊の駐屯地は、どこでも開発できるということになっている。地元住民の意見は当然聞くけども、それを最も重要視するかどうかは国が決めること。水はきちっと丁寧に安全に処理していますし、そう説明しています。
次のページ
沖縄が自衛隊にアレルギーを持つ理由
1
2
3
4
おすすめ記事