更新日:2023年07月13日 20:34
デジタル

レトロゲームの価格高騰が続くワケ。海外マニア、転売ヤーが“数百万円で購入”している現実

レトロゲームブームの火付け役になった“あの芸人”

ファミコン

日本人おなじみの「ファミコン」

 そしてある意味で、レトロゲームブーム再燃の火付け役の一部となったのが、よゐこ有野晋哉さんがフジテレビONE他にて始めた「ゲームセンターCX」です。おじさんが懐かしいファミコンなどのゲームを真剣にプレイするという構図は、一般の同じ世代にとって、少年時代の自分を思い出させてくれるという、なんとも言えない魅力的なコンテンツでした。  ここに重なったのが、レトロゲームファンの高齢化です。これは悪い意味ではなく、当時小学生や中学、高校生だった少年たちが大人になり、趣味に多くのお金をかけることができるようになったのです。  小学校や中学の時は、基本的に自分でお金を稼ぐことはできませんから、誕生日、クリスマス、そしてお年玉を貯めて、年に1本くらいのゲームを買って遊んでいました。しかし、自分である程度お金を稼げる大人になった今、自分の少年時代の夢を叶えるかのごとく、いわゆる「大人買い」ができるようになりました。

ゲーム「大人買い」は2タイプに分かれる

 そしてここを入り口として大きくタイプが2つに分かれていきます。 ・遊べればいいや!と、リサイクルショップなどで100円などの裸(箱説明書なし)を買い集めるタイプ ・完璧を求めて、箱説明書付き、さらには未使用、未開封にこだわるタイプ  遊べればいいや!タイプの場合は、さほどお金はかかりません(とはいえ、裸ソフトでも高価になってきたものもありますが)。基本的に未開封、未使用に近くなればなるほど値段は上がりますので、箱や説明書のないゲームの値段は数十分の1以下なのが普通です。なので未使用、未開封に比べると圧倒的に収集が楽になります。  ちなみに筆者はファミコンだけでなく『ゲーム&ウオッチ』なども収集していたのですが、その当時は未使用、未開封にはあまり興味はなく、実際に遊べればいいなくらいの感覚で収集していました。  しかし、未開封、未使用のマニアになってきますと、もう値段は完全に青天井……。2021年7月に未開封品の「スーパーマリオ64」が米オークションで156万ドル(約1億7000万円)で落札されましたが、100万円を超えるものもありますし、非売品などを含めると数百万円に達するのものもゴロゴロ存在します。
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どうして40年も経過していて新品が存在するのか?
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ファミ通 編集者→エイベックス→学校の先生数年→新垣結衣さん他、タレントさんのピアノ&歌講師。番組、CMを作る人。昭和レトロ なガチャ『コスモス』アプリ開発中。レトロゲームの話はお任せあれ。育児奮闘中。X(旧Twitter):@sukesankoba note:SUKESAN

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