「電気代が必ず高くなってしまう家」一級建築士が警告する“致命的なリスク”
こんにちは、一級建築士の八納啓創と申します。会社員の方から上場企業の経営者宅まで、住む人が幸せになる家をテーマにこれまで120件の家づくりの設計に携わってきました。
『日刊SPA!』では、これまでの経験を生かし、「これからの時代に必要な住まいの姿」をテーマにお伝えしていきます。
近年の円安やウクライナを取り巻く燃料問題などの影響で私たちの生活を圧迫することが増えています。特に光熱費の高騰はもっとも影響を受けているものの一つです。
この数年で一戸建ての家を建てた人のなかには光熱費の高騰分を予測せず、ギリギリの予算で住宅ローンを組んだ人も多く、住宅ローン破産に追い込まれそうになる人も出てきています。
光熱費をできるだけ軽減するために暖房代や給湯代を節約した結果、基礎免疫力が低下。体調を崩してしまい、医療費の負担が増え、財布から出ていくお金は減るどころか、どんどん増えるなど本末転倒な事態が起きているそうです。
そういった中、ほとんど光熱費の高騰の影響を受けないような家もあります。それは「高気密高断熱」で作られた家。高気密高断熱の家とは外気が家の中に入らないようにきっちりと隙間をなくし、外壁に入っている断熱材の厚みや密度を高めている家のことを指します。
なかなか馴染みのない言葉でイメージが湧きにくいものですが、例えば、「断熱」を身にまとうセーター、「気密」をヒートテックのような発熱保温の機能を持つウェアだと思ってみてください。
セーターの密度が濃く、分厚ければ分厚いほど温かそうです。しかし、裸に直接そのセーターを着て、外を歩くとどうでしょうか? 毛糸の隙間から冷気がどんどん入ってきて、寒くてたまりません。
それに対してヒートテックを肌着として着込んで、その上からセーターを着るとどうでしょうか? ヒートテックで毛糸の隙間から入ってくる冷気を遮断しつつ、厚手のセーターを着ることで外気温が肌にまで届かず、体温を奪うことを防止します。
これをそのまま家に当てはめてみましょう。家の外壁にヒートテックに類する「気密シート」を貼り、その外側にセーターに類する密度の高くて分厚い「断熱材」を入れているというのが高気密高断熱のイメージです。
ほとんど光熱費の高騰の影響を受けないような家

家の中から外に熱が逃げにくい構造
1970年、神戸市生まれ。一級建築士、株式会社G proportion アーキテクツ代表取締役。「地球と人にやさしい建築を世界に」をテーマに、デザイン性、機能性、省エネ性や空間が人に与える心理的影響をまとめた空間心理学を組み込みながら設計活動を行っている。これまで120件の家や幼保園、福祉施設などの設計に携わってきた。クライアントには、上場会社の経営者やベストセラー作家をはじめ「住む人が幸せになる家」のコンセプトに共感する人が集い、全国で家づくりを展開中
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